西部開拓時代?のような街で一人の少女が悪党と戦っていた。
「女一人で俺達に首突っ込むなんて死にに来たようなもんじゃねえか!」
悪党の一人はそう言うが

ドゴォッ!

少女の攻撃で悪党達は倒れた。
「何てこった。たった一人の小娘に惨敗するなんて・・・くっ、オボエテーロ!!」
残党はどこかで聞いたような捨て台詞を残して逃げようとするが

ドドドドドッ!

少女の放ったマシンガンを喰らい、その場に倒れた。

「サニー相変わらずやるね。」
彼女の名はサニー。一流のガンマンだ。

「そうよ、悪は全部成敗しないとね。ルージュだってそうでしょ?」
一緒にいるのはサニーの友人のルージュ。

「そうなるといいんだけどね。」
ルージュは困惑しながら言った。

実は彼女達の住む街は昔から治安が悪くギャングの集まる街だった。
しかしサニーの活躍もあって悪党達は数を減らし、少しずつではあるが治安は回復しかけていた。

「そんな顔しないで。」
サニーはルージュを励ます。

その後ルージュは家に帰るが、サニーはある所へ向かう。

彼女が向かった先は墓場だった。墓の前で花を手向けるとこうつぶやいた。
「敵は必ず打つからね。」

実はサニーの家族はギャングに殺されており、唯一生き残った彼女は一人修行を重ねながら生きていたのだ。そう、自分の家族を奪った悪党を殲滅するために。

そんなある日、サニーはルージュと食事を終えて、店を出た時だった。

「わっ」

二人の目の前を一台の車が猛スピードで駆け抜けていく。
「危なっかしい運転ね。」
ルージュがそう言った時だった。

「現金輸送車が盗まれたんだ。確かギャングの一団による強盗だと聞いたよ。」
一人の青年が言う。それを聞いたサニーはすぐさまルージュと共に車に乗り込んだ。(二人が食事をした店には車で来ており、サニーが運転してきた。)

大急ぎで飛ばすと遂に現金輸送車と犯人達を発見し、行く手を阻む。
「もう逃がさないわよ!」
犯人達の前に立ちはだかるサニー。しかしサニーは彼らを前に絶句した。

「お前達はあの時の・・・」
「まさかこんなところで再開するとはな。」

そう、実は現金輸送車を強奪した犯人はサニーの家族を皆殺しにした張本人なのだ。
「私の家族を奪った仇、返してもらうわ!!」
サニーはそう言うと犯人達に攻撃を仕掛ける。

サニーの攻撃に敵達は次々と倒れた。

しかし

「調子に乗んなあああああああ!!!!!」
一瞬の隙を取られて遠くに投げ飛ばされた。

「サニー!!」
ルージュの叫び声が響く。

「さぁてコイツの仲間も殺すか。」
犯人の一人がルージュにマシンガンを向ける。

「彼女には手を出さないで!」
サニーはそう叫ぶとマシンガンを向けた一人に攻撃を食らわす。

そして

ドドドドドド!

犯人達が気を取られてる隙にマシンガンを連射した。

こうして犯人は全員倒され、現金輸送車の奪還に成功したのであった。

その後、輸送車に積まれていた現金の一部はサニー達に支給されたようだ。その金で何を買おうか迷う二人。するとルージュはあることを思い出した。

「そういやもうすぐフローラとマイケルが結婚式やるからドレス買わないとね。」
結婚式を思い出したサニーはすぐに服屋に行った。

結婚式に出席するのに着るドレスをいろいろ試着していた二人はどれにするか迷ってしまう。

「どれも素敵すぎて迷っちゃうよ〜っ。」
なかなか決まらず時間だけが過ぎようとした。しかしさすがに他の客のことも考えてか早めに買おうという意志は固く二人は一着を選ぶと急いで試着室に入った。

数分後、試着室から出た二人は互いに見せ合った。その姿は互いに見入るほどだった。

サニーは両側にスリットの入ったオレンジ色でルージュはサニーが選んだものの紫版を着ていた。試着室に戻っていつもの格好に戻ると二人はそのドレスを購入した。

そしてそのドレスを着たサニーとルージュはとあるホテルに来ていた。

「フローラのウエディングドレス姿楽しみだね。」
「きっとすごく綺麗よね〜」

二人は式を楽しみにしていた。

そして式が始まり、新郎新婦が入場する。

「綺麗ね〜」
二人はフローラのウエディングドレス姿にうっとりした。

その後も式は順調に進み、クライマックスを迎えた・・・その時だった。

「ここにいたのか!」

突然式場に一人の男が乱入してきた。
「お前は?まさか・・・」
「もしかして・・・」
二人は男を知っているようだった。

「フローラ!俺を捨ててマイケルと結婚するなんてどういうつもりだ!!」
男はフローラに詰め寄る。

「なんであんたなんかと結婚しなきゃいけないのよ!!」
「そうだそうだ!フローラは貴様の浮気癖と彼女への仕打ちにうんざりして逃げるようにして別れたんだぞ!!今更改心しても許さねえぞマイク!!」
二人はマイクに抗議する。

そんな中サニーは二人に聞いた。
「一体何があったの?」

「実は・・・」
二人は事の経緯を話した。

「実はマイクとは昔付き合ってたんだけどマイクは私がいるのに借金をしてまで女遊びをして気に入らないことがあるとすぐに暴力をふるってたの。」
「それにフローラが困ってるのを見て助け、俺はフローラと付き合い始めたんだ。」

「なんてひどい話なの。」
「最低な男ね。」
サニーとルージュはマイクに怒りを感じた。

するとマイクは震えだし、マイケルに詰め寄った。
「この野郎!俺からフローラを奪いやがって!てめえだけは許さねえぞ!!ぶっ殺してやる!!!」
マイクはそう言うとマイケルに殴る蹴るの暴行を加えた。

「やめるんだ君。」
牧師はマイクを静止する。

「マイケル!」
フローラはマイケルに駆け寄る。

そんな中マイクは何かを取り出した。
「これでおしまいだ。」
マイクは黒いボールみたいなものを取り出す。

「まさか爆弾か?」
爆弾のような物体に式場はパニックになった。

そしてマイクはそれを投げた。投げたボールは煙幕を起こし、式場は真っ暗になる。

「何これ?」
「煙臭っ。」

そして煙幕が消えるとフローラとマイクはいつの間にか姿を消していた。

マイケルは気が付くとフローラがいないことに気付く。
「フローラは?」
マイケルはサニーとルージュに聞いた。

「きっと連れ去られたのよ。」
「そんな・・・」
マイケルはひどく落胆する。

すると
「大変です。何かのメールが届きました。」
ホテルの支配人が手紙を持って入ってきた。
マイケルはその手紙を読み上げる。

「(フローラは預かった。返して欲しければ200万ドル持って来い。byマイク)だと?」
手紙の内容を聞いた一同は唖然とした。

「僅かな時間でどうやって連れ去ったんだ?」
一同は騒めく。

「奴のことだ。あいつはきっとライフルに麻酔を仕込んでいて煙幕で見えなくなった隙にフローラを眠らせたんだろう。」
マイケルは推測する。

するとサニーは何かに気がついた。
「まだ何か書かれてるわ。」
手紙には続きがあった。

「(動画サイトを開いてスクリーンに写せ。)って。」
それを聞いた牧師はパソコンを立ち上げて動画サイトを開き、スクリーンに映した。
そこにはライブ動画が投稿されていてそれを再生する。

すると映像には廃墟ビルの屋上でウエディングドレス姿で胸元を柱に括りつけられてる女性とライフルを持った男がいた。その姿は紛れもなくフローラとマイクであった。

「フローラ・・・」
マイケルは力なくフローラの名を呼ぶ。

するとマイクが画面の向こうから声を荒らげた。
「早く200万ドル持ってきやがれぇ!!こいつ(フローラ)が殺されてもいいんだな?」
マイクは興奮してるようだ。

「待ってろフローラ。絶対助けてやるからな。」
マイケルはそう言うと200万ドルの小切手を取り出した。

「待って、君一人で行くのは危険すぎる。それに場所がわからなくて迷ったら何も意味がない。」
牧師はマイケルを静止する。

「だってフローラが・・・」
それでもマイケルは現場へ行こうとするが

「マイクのことならサニーに任せたほうが安心だ。それに無茶をすると怪我がひどくなるからな。今は病院に行ったほうがいいぞ。」
マイケルは牧師に諭され、病院に搬送された。

残ったサニーはルージュと共にマイケルから託された200万ドルの小切手を片手にホテルを出た。
「あのビルはここの近くにあるからすぐね。」
二人は犯行現場のビルに向かった。

一方、現場では麻酔が切れてフローラが目覚めていた。
「キャーッ!何これーっ!?」
フローラは足が浮いた状態で柱に括りつけられてることに気づいて唖然とした。

その上屋上というだけあってか強いビル風がフローラを襲う。更に足が浮いてるので足元からの風でウエディングドレスがめくれ上がる。
「キャアアアアアアアッ!」
フローラは慌ててドレスの裾を押さえようとするが、腕も固定されてるので思うように押さえられない。

そこへマイクが現れた。
「やっと目覚めたか。さあ俺と復縁しろ。」
マイクはフローラに迫る。

「だから嫌って言ってるでしょ!」
フローラは頑なに拒む。

するとマイクはポケットからスマホを取り出した。
「何をする気なの?」
フローラは問いかける。

「まあ見てりゃわかるよ。」
マイクがそう言った瞬間強風でドレスが舞い上がった。

「キャアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
フローラがドレスの裾を押さえようとした時だった。

カシャッ

何とマイクは強風で舞い上がったドレスの下から見えてきた下着を隠し撮りしたのだ。
「こういうことになるのさ。」

マイクの予想外の行動に赤面するフローラ。
「何すんのよ!」
フローラはマイク目掛けて足を蹴り出す。

フローラの蹴りはマイクの腹に命中する。これにマイクは怒りを爆発させた。
「てめえもう許さねえぞ!」
激高したマイクはライフルを取り出す。

「復縁する気ないなら死んでもらうしかねえな!」
マイクはフローラにライフルを突きつけようとしたその時だった。

ドゴォッ

「グハァッ」

マイクは突然横から攻撃を受け倒れた。

「サニー、ルージュ。」
そう、サニーとルージュが救出に駆けつけたのだ。二人は縄を解き、フローラを解放すると安全な場所へ避難させた。

「さあ観念しなさい!」

ドドドドドドッ

サニーはそう言うとマシンガンを発射する。

しかし

「残念だったな。俺は防弾チョッキ着てるから撃つなんて無駄無駄!」
なんとマイクは防弾チョッキを着ているのだ。これではマシンガンも無意味になってしまう。

「次は俺の番だ。」
マイクはそう言うとサニー目掛けてライフルを連射する。

サニーはライフルの弾を避け、マシンガンでマイクに殴打した。

しかしマイクはしぶとかった。
「まだまだぁ!」
マイクはそう叫ぶとサニーに拳のラッシュを浴びせようとする。サニーは避けながら拳のラッシュを浴びせ、壮絶な殴り合いを興じた。

「これじゃキリがないわ。」
ルージュは焦る。

互いに息が上がり、限界が近づく二人。
「これで終わりだーっ!!」
マイクは止めの一発を発射しようとする。その時だった。

「やめてえええええええええええええ!!!」
突然叫び声と共に影から銃弾が発射され、銃弾はマイクの頭部に命中し、その場に倒れた。驚いたサニーが振り返るとそこには銃を構えたフローラがいた。

「フローラ、銃持ってたの?」
サニーは驚く。

「実を言うと護身用に銃を隠し持ってたけど返り討ちが怖かったし、それに腕も固定されて使えなかったの。でも最後に使えてすっきりしたよ。ところでマイケルは?」
「マイケルならあの後病院に搬送されたよ。」

病院と聞いてフローラは固まる。
「病院って、マイケルは大丈夫なの?」
「意識はあったからそんなにひどくはないと思うよ。とりあえず病院へ行こう。」

サニーは救急車を呼び、フローラは病院に搬送された。

その後、二人は幸いにも軽傷だったので病院内で式が再開された。二人は病院の面々から盛大な祝福を受け、生涯忘れることのない思い出となったようだ。

数日後、とある公園でサニーとルージュは談笑していた。
「そしたらこうなっちゃって・・・」
「そうなの」
二人は他愛のないことを喋っていた。

その後二人は噴水の前に来るとサニーはこう言った。
「綺麗ね〜。」
「私達の街もいつかこんな風になる時が来るといいね。」
「そうね。早く平和を呼ぶにはその分戦いも頑張らないとね。」
二人が噴水を眺めていた時だった。

ドドオオオオオン

何と突然噴水が破壊されたのだ。すぐに噴水から逃げる二人。
そして二人が目にしたのは全身に黒い衣装を身にまとった怪しい雰囲気の男女二人組だった。

「この公園は頂いた。」
男は言う。

男の言葉に震えるサニー。
「何てことするのよ!噴水壊すなんて!!」
サニーは抗議する。

「噴水壊して何が悪いっていうの?どの道買収するからいいじゃない。」
女も続けざまに言った。

するとルージュは二人に詰め寄った。
「あなた達は一体何なの?」

二人は口を開いた。
「俺達は地上げ屋で俺はボムだ。」
「私はウィッチ、ボムの相棒よ。」

「ま、何はともあれこの公園は我々が買い取ってもらうよ。」

あまりに身勝手な計画にサニーは怒りを隠せなかった。
「これ以上暴れると痛い目見るわよ!」
サニーはマシンガンを構えながら言った。

すると二人は手を開くと黒い光を発した。予想外の展開に驚くサニー。

「これを見てもそう言えるかな?」
二人はそう言うと黒い光弾を発射した。

ドッゴオオオオオオン

光弾は木に直撃し、粉々になった。

「俺達は自作したヤクで特殊能力が使えるから俺を倒すなんて無駄だ。」
ボムは自信満々な態度で言う。

しかしサニーは怯むことなくマシンガンを連射し続けた。

ドドドドドドドドドドドドドドド

これだけ撃てば適うだろうと確信した。

だが、二人は全くと言っていいほどダメージを受けていなかった。

「倒すのが無理だと分かっていながら攻撃するとはいい度胸してるじゃねえか。なら次はこっちの番だ!どりゃあああああああ!!!」
ボムはそう言うとサニーを勢いよく蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされたサニーは展望台に激突した。

「サニー!!」
ルージュはサニーの元へ駆け寄る。そんなルージュにサニーは微笑みながらこう言った。
「このくらいどうってことないよ。」

しかしルージュは
「でも全身から血が・・・」
サニーは随所に流血していたのだ。

しかしサニーは怯むことなく進み
「マシンガンがダメならこうよ。てりゃあああああああああ!!!」

マシンガンを片手に連続パンチを繰り出した・・・その時だった。

「なっ、消えた?」
ボムは突然姿を消す。そして・・・

「ここだあ!!」
ボムはサニーの背後にテレポートすると背後から殴りかかった。
サニーは不意をつかれて倒れかかるが、再び体勢を立て直すと再び拳のラッシュを浴びせた。

するとボムは次第に疲労が見え隠れするようになり、徐々に追い込まれていく。

そして

「はぁっ!」
サニーの渾身の一撃でボムは倒れた。

「やった・・・遂に倒したのね。」
サニーは安堵する。しかし次の瞬間だった。

「まだまだだぁ!!」
何とボムは起き上がると手からエネルギー弾を連射したのだ。慌てて避けるサニー。

「あれだけやっても平気なんて・・・」
ルージュは唖然とした。

エネルギー弾を高速連射するボムにサニーは手も足も出ない。
(このままじゃ攻撃ができないよ・・・あっ)
不意に思いついたサニーはマシンガンを連射しながらボムに近づいたのだ。

「はああああああああああああっ!!!」
マシンガンとエネルギー弾の打ち合いで互いに接戦となる二人。

すると突然エネルギー弾が止まった。
「しまった!」

実は薬の効果が切れてエネルギー弾が止まったのだ。

「サニー、今よ。」
ルージュの合図でマシンガンを発射するサニー。

そして遂にボムはその場に倒れた。

「ボム!」
ウィッチはボムに駆け寄ると戦闘態勢になった。

サニーも再びマシンガンを構え、戦闘態勢になった・・・時だった。

「もういいウィッチ。」
ボムはウィッチを止めると再び起き上がった。

「この俺をここまで追い込んだのはお前らが初めてだ。実にいい戦いだったぞ、でも次は負けないからな。」
ボムはそう言うとウィッチと共に撤収した。

その後、壊れた噴水は町の住民達の協力もあって見事に復活を遂げたのだった。元の姿を取り戻した公園を見て安堵する二人、そんな二人は昼食に出かけていた。

「新しく出来た食堂すっごく評判いいらしいよ。」
サニーはルージュに連れられ、とある食堂に向かっていた。

そして二人は食堂に入る。中は洒落た造りになっており、なかなか豪華な雰囲気だ。

カウンターで前払いを済ませると席に案内される二人。
席に着くと二人は積み重なった皿を取り、おかずを盛り付けていく。

そう、実はバイキングスタイルの食堂で開店以来人気が高く評判の店だ。

一通り盛りつけをして席に戻ると早速食べ始めた。

ルージュは二回程おかわりしたところで満腹になったが、サニーはおかわりを繰り返し続けていた。
「サニーはホント良く食べるよねぇ。」
「これくらい食べておかないと悪党とは戦えないよ。あぁ、あれもこれもうまっ。」

そしてしばらくするとサニーは満腹になり、二人が店を出ようとした時だった。

「何だここは?こんなクソみたいにまずい飯食わせやがって!今すぐ金返せ!!」
一人の男が店員と揉めている。

「何と言おうが返金は致しません。これ以上問題起こしたら出入り禁止にしますよ!」
店員がそう言った時だった。

「だったらこの店売って土地寄越せやオラ!」
男はそう言うと拳銃を取り出し、店員に突き付ける。

しかし店員は怯むことなくこう言った。
「はい、もういいから出てって!」
店員が男を外に出そうとした時だった。

「これ見てもそう言えるか?」
男はそう言うと手から黒い光を発した。

予想だにしない自体に驚く店員。そして
「どいつもこいつもぶっ殺してやる!!」
男はそう言うとエネルギー弾を発射した。

「はぁっ!」

ドドドドドド

男が発したエネルギー弾で店は滅茶苦茶に破壊されてしまう。

あまりに身勝手な横暴にサニーは怒りを爆発させた。

「何すんのよ!こんなにしちゃって!!」
サニーは男に詰め寄る。

「関係ねえやつは引っ・・・」
男はサニーを見て口が止まった。

「お前もしかしてボムを倒した女か?」
男はサニーに聞く。

「そうよ、それが何なの?」
サニーは言う。

すると男はその正体を明かした。

「俺はハリケーンで地上げ屋の幹部だ。つまり、ボムとウィッチの上司なんだよ。」
地上げ屋の幹部である事に驚くサニー。

「あの時はよくも部下をかわいがってくれたな。ボムの仇はきっちり返してもらうぞ!」
ハリケーンはそう言うとサニー目掛けてエネルギー弾を発射した。

サニーはエネルギー弾を避けながらマシンガンを発射する。

しかし

「よそ見してんなああああああああ!!!」
背後に瞬間移動してきたハリケーンに不意打ちをかけられてしまった。

すぐに体勢を立て直すとパンチやキックを繰り返した。
「せっかくの食事を邪魔しないでっ!はあっ!!」
サニーの強烈なパンチがハリケーンを直撃する。

「くっ、しぶとい女だ。」
ハリケーンも負けじとエネルギー弾を打った。そして、サニーもマシンガンで応戦し、壮絶な打ち合いとなった。

マシンガンで対抗し続けたサニーだったが

「えっ?」
何と弾切れになってしまい、これ以上撃てなくなってしまったのだ。

「これで終わりだ。」
ハリケーンはそう言うと巨大化したエネルギー弾を作り出す。そして

「はあっ!」

ドッゴオオオオオオオオオオオン

二人はどうにか避けたものの巨大化したエネルギー弾で店は半壊になり、更にはクレーターが出来ていた。

「さあどうする?大ピンチのクソアマさん。」
ハリケーンはサニーをおちょくる。

何としてでも反撃したいところだが、弾切れでマシンガンが撃てなくては倒すのが難しい。
それでもサニーはパンチやキックで応戦するが、体力は消耗に向かっていた。

そこでハリケーンはこの状況を見て再びエネルギー弾を出そうとした。

「今度こそトドメだ。」

しかし何故か出ない。

「何故だ?何故出ない・・・あっ」
ハリケーンはあることを思い出した。

「そうか、さっきの攻撃で出しすぎたんだった。」
実はさっき巨大なエネルギー弾を出したことで再びエネルギー弾を出すことができなくなっていたのだ。

そんな中ルージュはあることを思い出した。
「そうだ、予備の弾があるからそれを補充して。」
ルージュが弾を取り出すとサニーはマシンガンに投入した。

再びマシンガンを構えるサニー。
「復活すればこっちのものよ!」
サニーはそう言うとマシンガンを発射した。

マシンガンを浴びたハリケーンは遂に追い込まれ、その場に倒れた・・・かに見えた。

「くそっ」
ハリケーンはこれほどのマシンガンを浴びながらも再び起き上がったのだ。

「この借りは絶対返すからな!」
ハリケーンはそう言うとどこかへ撤収した。

戦いは終わり、再び静けさが戻った。しかし

「俺の・・・店が・・・」
平穏には戻ったものの、店は滅茶苦茶になってしまい、店長は項垂れる。

「みんなで協力すればすぐに復活できるよ。」
サニーはそんな店長を宥めた。

その後、店での出来事を聞いた常連客や周辺住民達の協力ですぐに営業再開できたようだ。

一方、ハリケーンは本拠地に戻っていた。

「親分、失敗して申し訳ありません。」
ボム&ウィッチと共に親分に頭を下げた。

しかし

「バッカモーン!女一人に何手こずってんだ!!その上ボムに至っては俺の能力を薬にして投与させたのに自分で開発したと嘘まで付きやがって!!」
親分の怒りに震える三人であった。

(やべーぞ、このままじゃ俺達粛清されちまう。)
三人は死を覚悟した。

しかし親分が返した言葉は意外なものだった。
「本来ならお前ら纏めて粛清してやるところだが、次は全員でやるぞ。」
親分の言葉に驚く三人。

「この星を乗っ取る日もそう遠くはないな。」
親分は不敵な笑みを浮かべながら言った。

そんな中一同は何かを話し合っていた。
「あの女は一体何者なんだ?」

口を開いたのは幹部のハリケーンだった。

「むしろこっちが聞きたいんですがねえ、それがよくわからないんですよ。」
「私達を前にしても全然怯まなかったの。」
ボムとウィッチは言う。

そんな二人にハリケーンはこう言った。
「まっ、お前達が最初から本気出せば楽勝だったのにな。」
ハリケーンは嫌味半分な態度でおちょくる。

そんなハリケーンの態度に二人は怒りをにじませた。
「お前こそ敗北したくせに人のこと言うんじゃねえよ!」
「そうよ!幹部でありながら負けたくせによくそんなこと言えるわね!!」
二人はハリケーンに抗議する。

「貴様ら上司に向かってよくそんなこと言えるな!あの時奴を倒せてたら俺達は親分にどやされずに済んだのだぞ!!」
ハリケーンは怒りを顕にし、手からエネルギー弾を発した。

「上等だやってやろうじゃねえか!」
ボムとウィッチもエネルギー弾を発する。今まさに戦闘が始まろうとした時だった。

「何をやってんだお前ら!」
一人の男が制止に入った。

すると一同は男を見て固まった。
「申し訳ありません親分、たいへんお見苦しいところを。」
一同は親分である男に頭を下げた。

「分かればいいんだよ。あの女を調べてみたらサニーとかいって俺達地上げ屋を潰す気らしい。でもこのカラミティ様の手にかかれば手も足も出ないことだろう。」
親分ことカラミティは自慢げに言う。

「何はともあれあのサニーとやらを倒せば侵略はうまくいくのですね?」
「仲間もいるかもしれんから何とも言えないけど野望を達成するからには中途半端な真似はするなよ。」
「ハイッ。」
一同は気合を入れると基地を出た。

一方サニー達はマイケルのグループ会社が運営する遊園地に来ていた。
しかもマイケルの計いで彼女達4人の無料パスを用意していたのでサニー・ルージュはもちろんのことマイケル・フローラも思う存分遊園地を満喫していた。

しかしジェットコースター・メリーゴーランド・観覧車といった乗り物を次々と制覇し、次はどれに乗ろうか迷ってる時だった。

ドドドドドドド

突然エネルギー弾と共に地響きが起き、4人がその方向を見るとそこにはカラミティら地上げ屋の面々がいたのだった。

突然の地上げ屋に驚く一同。
するとサニーは彼らに詰め寄った。

「またお前達か!」
サニーは怒りをあらわにする。

しかし彼らは余裕の表情を見せた。
「残念だったな。今回は親分も一緒だから歯向かっても殺されるのは一緒だ。」
サニーは親分ことカラミティもいることに気付く。

「誰がなんと言おうとこの遊園地から買い取ってやろう。」
カラミティがそう言った時だった。

「ちょっと君達、勝手なことされたら困るよ!」
マイケルは彼らに詰め寄る。すると

「てめえここのオーナーか?」
ハリケーンはそう言うとマイケルに掴みかかった。そして

「邪魔はすっこんでろ!!」
マイケルはハリケーンに投げ飛ばされたのだった。

「マイケル!」
フローラはマイケルに駆け寄る。一方のサニーも彼らの横暴に怒り心頭だ。
「もういい加減に・・・」
サニーが言いかけた時だった。

「ならこうしてやる。」

ドドドドドドド

カラミティがそう言うと地上げ屋全員でエネルギー弾を発射し、遊具や乗り物を次々と破壊し始めた。あまりに残忍な行動に唖然とする中、マイケルはすぐさま救護班を呼び、怪我人の援護に当たった。

一方のサニーは怒りに震えながらマシンガンを構えた。
「・・・許さない・・・」
そしてマシンガンを発射しようとした時だった。

何やら彼らは妙な動きをしていた。そして

パチッ

彼らが指パッチンをすると突然大量の戦闘員が現れたのだ。
「俺達と戦いたけりゃこいつらを倒せ!」
カラミティの言葉通りサニーは戦闘員と戦い始めた。

サニーの猛攻で戦闘員は次々と倒されていくが、数が多くなかなか倒しきれない。

「これじゃキリがないわ。」
サニーはそう言うとマシンガンを構える。

そして

ドドドドドドドドドド

サニーは全方向に発射した。マシンガンを受けた戦闘員は一斉に倒されていった。

「ふぅ、これでやっと戦えるよ。」
ほっと一息着いた時だった。

「あれ、幹部達は?」
サニーが辺りを見回すと地上げ屋の面々はいつの間にか姿を消していた。それどころか・・・

「ルージュはどこ?どこなの?」
ルージュもいなくなっていて残ってるのはマイケルとフローラだけだった。サニーとフローラは思わず慌てるが、そんな中マイケルはあることに気づいた。

「大変だ、彼女が連れ去られている!」
何とルージュは地上げ屋に連れ去られてしまったのだ。

「そんな・・・ルージュ。」
サニーは思わず動揺する。そんな彼女をフローラが諭した。

「そんな顔しないで、サニーらしくないよ。あの時だって私を助けようと必死になって戦ってくれたじゃない。それに今度は私達がルージュを助ける番でしょ。そんなに沈まないで。」
「フローラ。」
フローラはサニーの頭を撫でた。

その頃マイケルは自家用の飛行船を出していた。
「これで行方を探ろう。」
一同が飛行船に乗り込むとそのまま飛び立った。

飛行船は順調に飛び続けるが、サニーには気がかりなことがあった。
「でもどうやって見つけ出すの?」
「操縦席に他の飛行船を感知するレーダーがあるからこれで探せるかも知れない。もし彼女が飛行船で連れ去られたならレーダーで見つけられる可能性が高いからだ。」
マイケルは答える。

しかしサニーは更に気になることがあった。
「でも飛行船じゃなかったらどうやって・・・」
「そんな時は下の映像をモニターに映せるからこれでどうにか探ろう。ズームも自在にできるし、レーダーと使い合わせれば見つけられるでしょう。」
マイケルはそう言いながら操縦機器を操作した。

それからしばらく立つが、一向に何も見つからない。
もうダメだろうかと諦めかけたその時だった。

「レーダーが反応してるぞ。」
マイケルの言葉に反応し、レーダーを見ると確かに飛行船を感知している。

そして、その飛行船を調べるとそれは地上げ屋の物だった。
「これでルージュを助けられるわ。」
サニーはマイケルを急かす。

「ちょっと待て、迂闊に近づいたらこっちがやられる危険性がある。」
マイケルは返り討ちに遭うのを懸念していた。

「じゃあどうすんの?」
「ひとまず相手の動きを見ないとわからないな。」

そんなやりとりしてる時だった。

ドオン ドオン

何と突然地上げ屋の飛行船がエネルギー弾を発射してきたのだ。
マイケルはすぐさま舵を切り、攻撃を避ける。

「何て奴だ、突然攻撃するなんて。」
「向こうにはルージュが乗ってるから反撃は無理ね。」
「奴らの船とは一定の距離を保ったほうが無難みたいだな。」
一同は一定の距離を保ちながら追うことにした・・・その時だった。

「急に速くなったぞ。」
突然地上げ屋の飛行船が速くなり、あっという間に見えなくなってしまった。
もちろんサニー達も一気に加速して後を追うが、なかなか追いつかない。

もう見つからないんだろうか。一同(特にサニー)に焦りが見え始めた時だった。

「飛行船が止まってるぞ。」
レーダーを見たマイケルは言う。

レーダーが感知した場所で地上に出るとそこは荒野の中に城が建っていてその前には地上げ屋の飛行船があった。

「きっとここだわ。」
一同は城に乗り込んだ。

ついに本拠地に乗り込んだ一同だったが、何かしら仕掛けがあることは容易に予想がつくので慎重に内部を進んだ。

そしてしばらく進むと扉があり、一同が扉を通ると大部屋に出た・・・その時だった。

「ここから先にはいかせねえ!!」

ドドオオオオオオン

一同の前にハリケーンら幹部三人が現れ、行く手を阻む。

「今度は仲間も一緒か?」
ボムは言う。

「ルージュはどこ?ルージュを返して!」
サニーはルージュを解放するよう三人に訴える。

しかし

「んなもん知らねえよ。そんなに返して欲しけりゃ親分の所まで行け。まあ俺らを倒せたらの話だけどな。」
三人はしらばっくれながら言うとサニー達に襲いかかった。

すかさず避けたサニーはハリケーンを捕まえるとボムとウィッチ目掛けて投げ飛ばした。
「うおりゃああああああああああああああ!!!!!」

さらに畳み掛けるようにマシンガンで追い込む。

(フローラから聞いたけど本当に強い・・・)
マイケルは驚きながら見た。

「やったか?」
マイケルとフローラは言う。

「調子に乗んなあああああああああああああああああああああ!!!!!」
ハリケーンの強烈なパンチがサニーを襲う。

ドゴォッ

「うああああああああああああああああああああああああ!!!」

ズドオオオオオオオオオン

強烈なパンチを食らったサニーは後ろの壁に激突した。

そして

「うおあああああああああああああああ!!!」
ボムとウィッチがエネルギー弾を連射して追い込みをかけた。

そこへマイケル&フローラ夫婦がマシンガンで応戦する。

「私はサニーに助けられた!」
「なら今度は俺達がサニーを守るんだああああああああああああああ!!」

「小賢しい真似をするなああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

エネルギー弾とマシンガンの壮絶な撃ち合いが続いた。

激しい撃ち合いの中その横からハリケーンが現れ、両手いっぱいのエネルギー弾を出した。

そして

「全員皆殺しだああああああ!!!」

ドッゴオオオオオオオオオオン

ハリケーンはそう叫びながらエネルギー弾をぶつけた。攻撃を受けたサニー達は血を流して倒れていた。

「何だ?もう終わりか?チッ、かったりいな。」
ハリケーンは呆れながら言う。そんな彼はサニー達を埋葬するようボムとウィッチに命令した。

ボムとウィッチがサニー達に近づいた時だった。

「まだ終わっちゃ・・・いないよ・・・」
サニーはそう言うとゆっくりと起き上がってきた。サニーに続くようにマイケルとフローラもゆっくりと起き上がる。
そんな中サニーはマイケル夫妻に聞いた。

「いつの間にそんなに強くなったの?」

するとマイケルとフローラはこう答えた。

「結婚式でフローラが連れ去られた時君が命を掛けてまで友達を助けようとしてくれたのが嬉しかったんだ。」
「だからもしも今度サニーがピンチになった時助太刀に入れるようにあの後必死で修行を重ねてきたの。」

二人の言葉にサニーは嬉しくなった。

そこへ幹部らが近づき、ハリケーンが喋った。
「実にくだらん友情物語だな。だかそれも今日限りだ。」

ハリケーンはそう言うと三人揃って手を黒く光らせた。

「こっちも負けてはいられないよ。」
サニー達は再び立ち上がる。

そして戦闘が再開され、第二ラウンドが始まった。
互の拳がぶつかり合い、壮絶な殴り合いが始まった。

サニー達と幹部達は派手に殴りあいながらそれぞれの想いを叫ぶ。

「みんなで息を合わせたところで何も変わりゃしねえんだよおおおお!!!」
「例え一人一人の力は弱くても全員で息を合わせれば強大なものになるんだよおおおおお!!!」

そして幹部達は一斉にエネルギー弾を連射した。
「これでくたばれええええええええええええええええ!!!!!!」

サニー達もマシンガンで応戦する。
「はああああああああああああああああっ!!!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドド

再び壮絶な撃ち合いが展開された。
しかし体力を消耗してきたのか幹部達の勢いが徐々に弱まってきた。

そして

「とっておきの飛び道具だ。」
マイケルはそう言うと錠剤のような物を出し、三人で飲んだ。

するとサニー達の手が白く光ったのだ。

「今だ。」
マイケルの合図でサニー達は手から白いエネルギー弾を発射した。
攻撃は幹部達に命中し、幹部達は次々と倒れた。

そして

遂に幹部達は戦闘不能に追い込まれたのだった。
サニー達は幹部達を倒すことに成功するとすぐさまカラミティの元へ進みだした。

そんな中サニーは密かに気になってたことがあった。
「さっきの錠剤みたいなのって何?」

するとマイケルはこう答えた。
「俺の会社で開発した薬で超人的な能力を引き出すことができるんだ。但し、効き目には時間制限があるからある程度経つと効果は切れちゃうんだけどね。でもまさか地上げ屋に悪用されてしまうなんて思ってもいなかったよ。」

マイケルの言葉にサニーは目を丸くした。
「えっ?じゃあ地上げ屋のあのパワーは?」

「俺の会社を調べると言って薬を悪用した挙げ句にパワーアップの道具に使われてしまったんだ。これ以上奴に好き勝手されると地球は奴の手に落ちてしまうからそうなる前に何とか潰さなくては。」
マイケルは苦悩しながら言った。

一方カラミティのいる大部屋には彼と縛られたルージュがいた。
「フンッ、奴らがここまで来るとは思うまい。」
カラミティがそう言った時だった。

「もう逃がさないわよ!」
大部屋に三人が入ってくる。それはサニー達だった。

「サニー。それにみんな・・・」
ルージュは微笑んだ。

サニーはルージュを解放すると彼女を安全な場所へ避難させる。

そして

「絶対に負けないんだからね!」
サニーはカラミティに啖呵を切った。

「フンッ、この俺に挑んでくるとは。負けると知りながら威勢だけはいいもんだな。」
カラミティは余裕の態度で言う。

「あなたこそ人の薬を盗んで強くなるなんて恥ずかしくないの?」
サニーは言う。

するとカラミティは思わぬ言葉を口にした。
「俺は既に十分強くなってるからこれ以上パワーアップする必要はなかった。けどさらに強くなるべく俺はあの薬を盗んだんだ。おかげで今の俺はもう不死身だから俺を倒すことは絶対無理だ。それでもやり合うか?」
カラミティはそう言うと拳を黒く光らせた。

そして

「はっ!」

ズドオオオオオオオオオオオン

黒く光った拳からは凄まじい威力のエネルギー弾が発射された。
サニー達はすぐ避けたが、後ろの壁に直撃すると勢いよく爆発して大きい穴が開いた。

「ならこっちも行くわよ!」
サニーはそう言うと手を白く光らせ、カラミティに向かった。

そして

「うおりゃああああああああああ!!」

ドッゴオオオオオオオオオン

サニーの強烈な一撃でカラミティはその場に倒れた。

「意外とあっさりね。」
「そうみたいだな。」
フローラとマイケルは言う。

しかしその直後、カラミティの方から黒い衝撃波が飛んできた。

「皆避けて!」
サニーの合図で一斉に避ける。

そして

ドドオオオオオオオオオオオオン

壁にぶつかった衝撃波は凄まじい爆発を起こして消えた。

「なんて威力なの?」
サニーは驚く。

そこへカラミティが口を開いた。
「俺を倒すことは出来ないと言ったのが分からないのか?俺はあの薬を元にさらに強力な薬を開発したんだ。この二つの薬を併用すればもう何も怖くないし俺を倒すこともできない。だから俺と戦うなんぞ無駄なんだよおおおおおおおお!!!」

カラミティはそう言うとエネルギー弾を連射した。

「これじゃ近づくこともできないわ。」
サニーは苦悩した。

「でもここでとどまってちゃ何も変わらない。」
サニーはそう言うとカラミティに立ち向かった。

マイケルとフローラもサニーに続き、一斉にカラミティに攻撃を仕掛けた。

「はあっ、だだだだだだだだ!!!」
三人の猛攻でカラミティは少しずつ追い込まれてゆく。

そして

「おららららららららら!!!」
一斉に発射したエネルギー弾はより威力を増していた。

畳み掛けるように一斉にマシンガンを発射し、トドメを刺す。
しかしそれでもカラミティは余裕の表情を変えなかった。

「全員まとめてぶっ殺してやるよ!!」

ドゴォッ

カラミティは三人を殴り飛ばし、反撃する。
攻撃を受けた三人はそのまま後方の壁に激突した。

そして

「これでおしまいだああああああああ!!!」
エネルギー弾と衝撃波を同時に連射してトドメを刺した。

「サニー、みんな!」
ルージュは三人の元へ駆け寄るが、攻撃を受けた三人は全身から血を流しながら倒れたのだった。
「ふっ、遂にくたばったか。」
カラミティは倒れた三人を見て言った。

「あいつらもくたばったことだし、いよいよ地球を乗っ取る日も近いな。我が地球は我々のものとなるのだあああああああ!!」
自信満々に豪語するカラミティ、しかしその時だった。

「地球を乗っ取って何をするというの?そんなに自分が支配して何がしたいっていうの?」
少しずつ起き上がりながらサニーはカラミティに問いかける。

「俺はこの或星の支配者になって俺達の物にしてえんだ。」
カラミティはその全てを話した。

一昔前のどこかに研究所のような建物があった。
そこには日々研究・開発に没頭する中年の男性が生活していてこの日も何かを開発していた。

彼の名はジャック、一見すると普通の発明家のようだが、彼には別の一面があった。

「今度の発明は飛びっきりおもろいもん作ったりゃあ。」

そう、実は彼の正体はマッドサイエンティストで珍妙な発明をしては度々騒動を巻き起こしていたのだ。

そんなある日、ジャックは4体の人造人間を開発することに成功する。
「これだけ作りゃ十分護衛できるがや。」
ジャックはそう思った。

意気揚々にジャックは4体の人造人間を起動し、彼らに命令する。
「俺を護衛しやぁ。」

しかし何故か彼らは反応しない。
「どこかに不具合でもあるがや?」
ジャックは彼らを調べたが、どこにも異常はなかった。

「俺を護衛しやぁ!」
ジャックはもう一度命令をする。

ズドォン

「ななななんじゃこりゃあ?」

何と彼らは命令に反してエネルギー弾を発射してきたのだ。
身の危険を感じたジャックはすぐに彼らを停止させ、エネルギー弾を出す機能を消去すると彼らを裏部屋に封印した。

「ふぅ、危うく殺されるとこだったがや。」

それからは研究や発明を繰り返しながらも平穏な日々を送っていた。

しかし数年後、新たな発明をしようと開発の準備をしている時だった。

ドンッ

突然裏部屋の方から物音がしたので振り返ってみるとそこにはあの彼らがいたのだった。
彼らはジャックを見るとそのうちの一体はこう言った。

「てめえ、よくも俺達を封印してくれたな!」
彼らの言葉にジャックは唖然とした。

しかしジャックは怯まない。
「生みの親に背いたくせに反抗するたあとんだ戯け者だな!」
ジャックは強い口調で言う。

しかしジャックの一喝が彼らを刺激したらしく彼らはオーバーヒートしかけていた。

そして

「くたばれええええええええ!!!」

彼らはそう言うと一斉にジャックを攻撃した。
集団でリンチにかけられるともはや手も足も出ない。

「俺達を下僕のように扱いやがって!!」
どうやら彼らは野心家としての性格に芽生えたらしく下僕として扱われることに反発していたようだ。

そして、そのうちの一体はもう出せないはずのエネルギー弾を出したのだった。

「そんなバカな・・・一体だけデータ消去忘れてたんだ・・・」
ジャックは思わぬ失態を悔やんだ。

そんなジャックの元にエネルギー弾が迫る。

そして

ドッゴオオオオオオオオオオオオン

人造人間が発したエネルギー弾は生みの親であるジャックに直撃し、そのまま殺されてしまったのだった。
ジャックを殺した個体は自らカラミティと名乗り、男形にはそれぞれハリケーン、ボムと、女形にはウィッチと名づけ、地上げ屋は結成されたのだ。

カラミティは自らのデータを元に薬を開発し、ハリケーン達に投与すると一同は同等のパワーを手に入れ、研究所を出た。
一同は次々と攻め落としていき、遂にあの街に到達した。

そんなある日、一同はとある大企業を訪れた。

「この会社には俺らの能力と似たような薬を開発してるらしいぞ。」
カラミティは言う。

そして一同はその会社に訪れ、社長と出会う。

実はその会社こそがマイケルの会社で一同はマイケルにあの薬の技術提供を持ちかける。

「よろしいですよ。」
何とマイケルは技術提供を承諾したのだ。

そしてカラミティはあの薬を元に新薬を開発し、一同で投与した。
「これでパワーは二倍だ。」
一同は不敵な笑みを浮かべた。

しかしこれだけでは終わらなかった。
カラミティはアジトの自室に戻ると幹部達には内緒でさらに強力な薬を開発し、自らに投与した。
「これでハリケーンらに何かあっても俺の力で切り抜けられるぞ。」
カラミティは自信にあふれていた。

「そんなわけで俺はいずれお前らを倒してこの国、そしてこの星を頂くってことだ。」
カラミティの話にサニーは彼らが人造人間だった事に驚くと同時に激しい怒りに満ちていたのだった。

サニーはマシンガンを構えながらこう言った。
「生みの親を殺して地球を乗っ取る?そのために人を騙して強くなる?そんなのおかしいでしょ!」

「何がおかしいって?なんもおかしくねえだろ!俺たちゃ地上げ屋なんだからどうやろうと勝手だろ!」
サニーの言葉にカラミティは反論するとエネルギー弾を発射した。

すかさずサニーは避けると自らもエネルギー弾を発射し、反撃する。
マイケルとフローラも彼女に続いた。

サニー達は必死で攻撃を仕掛けるが、カラミティは余裕の表情を崩さない。

「その程度の攻撃なんぞ痛くも痒くもないわあああああああああ!!!」
カラミティはサニー達を掴むと一斉に投げ飛ばした。

投げ飛ばされたサニー達はすぐに体勢を立て直して反撃を仕掛ける。

「たあっ」
サニーの廻し蹴りがカラミティの頭部に直撃した。

カラミティは一瞬怯みながらも反撃しようとするが、それをサニーが遮り、更に三人で囲った。

そして

サニー達は一斉にエネルギー弾を発射した。

一瞬の隙を突かれたカラミティは全方向から集中攻撃を受けた。
これで大ダメージを食らわせられたように見えたが、それでもほとんど変わらなかった。

「嘘でしょ?」
「あれだけやってもまだ・・・」
サニー達は驚く。

そんな中カラミティは口を開いた。
「これだけ言ってもまだ分からないようだな。」
カラミティはそう言うと巨大なエネルギー弾を作り出す。
その時サニーはハリケーンとの戦いが頭をよぎったのだった。

そして

「これで終わりにしてやる!はっ!!」

ドドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

カラミティはそう言うと巨大なエネルギー弾を投げた。幸いサニー達は避け切ったものの後方の壁は大破した。

「なんて強さなの?」
サニーはただ驚くしかなかった。

「これで分かっただろ?俺は相手の攻撃を記録化して吸収し、それを俺の力に変えてるんだよ。攻撃を受ければ受けるほど俺はどんどんパワーアップするってことだ。俺用に開発した薬の効果がある以上俺は不死身だ。」

カラミティの言葉にサニー達は唖然としたのだった。

「一体どうすれば・・・」
サニーは苦悩する。そんなサニーにマイケルがあることを提案した。

「奴を超える威力を引き出したら勝てるんじゃないか?」
マイケルの言葉にサニーは目を丸くした。

「そういえば私達よりも強い威力を持ってるわね。」
「奴を超える力を引き出せるかどうか一か八か賭けよう。」

サニー達はマイケルの提案を受け入れた。

そんな中カラミティは再び巨大なエネルギー弾を作り出した。
「フンッ、それで勝てるつもりか。」
カラミティは自信有り気な表情を浮かべる。そんな彼の前にサニー達は同じように巨大なエネルギー弾を作り出した。

そして

「はあっ!」
カラミティはエネルギー弾を投げた。サニー達も同じようにエネルギー弾を投げ、互いのエネルギー弾が押し合う。

「みんなで力を合わせようが無駄だ無駄ああ!!」

「そんなのわからないでしょ?」
「俺達は絶対」
「カラミティを」

「倒すんだああああああああ!!!!!」
サニー達は限界まで力を引き出し、エネルギー弾を目一杯投げつけた。

「はああああああああああああっ!!!!!」

ドドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

サニー達が投げた巨大なエネルギー弾はカラミティを巻き込んで凄まじい爆発を起こした。
爆発の巻き添えになったカラミティはその場に横たわり、遂にカラミティを倒したかに見えた。

しかしその直後だった。

「とうとう俺を本気にさせたな。」
なんとカラミティはまたしても起き上がってきたのだ。サニー達は最早唖然とするしかなかった。

カラミティは起き上がると指パッチンをする。
するとそこには倒されたはずのハリケーンら幹部達が現れた。

(今度は総攻撃を仕掛けてくるんじゃないだろうか?)
サニー達は一瞬そんなことが頭をよぎった。

しかしその直後、ハリケーン達はカラミティの元に集まった。
幹部達がカラミティを囲うと白い光に包まれる。

そして

「うあああああああああ!」

唸り声とともに光が一回り大きくなり、消えるとそこには一回り大きくなったカラミティがいた。

「一体何が起きたっていうの?」
サニーは何が起きたのかよくわからなかった。

「奴は幹部達と合体して吸収したんだ。」
マイケルは言う。

そんなサニー達を前にカラミティは右手を開いた。

「フッ」

ドドオオオオオオオン

カラミティはほくそ笑むと手から破壊光線を発射した。
サニー達は即座に避けたが、その威力は凄まじいものだった。

すると今度はカラミティの周りに黒くて丸い物体が大量に現れた。

「伏せろ!」
マイケルは叫ぶ。

そしてカラミティはその黒い物体を一斉に飛ばすと一斉に爆発した。

「なんて威力なの?」
サニーは驚くしかなかった。

その後もカラミティは大量の爆弾を出現させ、次々と飛ばす。
サニー達は一斉にエネルギー弾を発射して攻撃を防いだ。

爆弾が防がれると今度は左手を開くカラミティ。その瞬間サニー達は磁石のごとく壁に吸い寄せられ、激突した。

「なんて威力だ。」
「これじゃ動けないよ。」

サニー達は身動きを封じられてしまう。
そこに畳み掛けるように今度は右手を開く。

そして

ズドオオオオオオオオオン

右手から放たれた破壊光線が命中し、サニー達はその場に倒れた。

「ダメだ、強すぎる。」
サニー達は思わず本音を漏らす。

ルージュはそんなサニー達を諭した。
「諦めちゃダメよ。私が地上げ屋に捕まった時必死になって助けに来てくれたこと凄く嬉しかった。だから最後まで諦めないで。」

ルージュの言葉を聞いたサニーは思わず嬉しくなった。
カラミティを倒せる方法はきっとある。サニー達はそれを信じ、再び立ち上がると手を光らせた。
「次は私達の番よ。」
サニー達は一斉に反撃に出た。

攻撃に攻撃を重ねるもカラミティは殆どダメージを受けない。それどころか余裕の表情も何一つ変えなかった。

「皆殺しだ。」

カラミティはそう言うとサニー達を勢いよく蹴飛ばした。蹴飛ばされたサニー達は壁に激突した。

再び体勢を立て直し、手を光らせるサニー達
「絶対に諦めない!」
巨大なエネルギー弾を生成し、一斉にカラミティに投げつけた。

エネルギー弾はカラミティに命中したが、それでも倒れない。
「温い、温いわあああああああああああ!!!」
カラミティはエネルギー弾と破壊光線の二刀流で反撃した。サニー達も次々とエネルギー弾で反撃し、壮絶な撃ち合いが繰り広げられた。

「これでトドメよ!」
サニー達は巨大なエネルギー弾を次々と投げつけ、追い込みをかける。一通り攻撃を終えるとサニー達を一気に疲労が襲った。
「はぁ・・・はぁ・・・もう・・・疲れた・・・」

ところがカラミティはそれでも衰えておらずサニー達を勢いよく殴り飛ばした。
「もういい加減諦めたらどうだ。これ以上戦えないし、潔く退散するんだな!」
カラミティはサニー達を諦めさせようとした。

それでもサニー達はエネルギー弾を発射しようとした

しかし

「あれ?何で出ないの?」
サニーは驚く。そんなサニーにマイケルが口を開いた。

「薬の効果が切れてしまったんだ。」
サニー達は薬の効果が切れてしまい、エネルギー弾を出せなくなってしまったのだ。

「どうやら勝負は見えたようだな。」
カラミティはトドメを刺そうとする。

そんな中マイケルは何かを思いついた。
「薬ならまだある。しかもそれで更なるパワーアップができる方法があるぞ。」
マイケルはそう言うと薬を出し、一同で飲んだ。

「それでこれからどうするの?」
サニーは言う。

「こうすれば更なる力を引き出せるんだ。」
マイケルはそう言うとあることを始めた。

マイケルは薬を飲んだのを確認するとフローラの横に出る。
「では始めるぞ。」
マイケルはそう言うと驚きの行動に出た。

「てってってってっ115系、てってってってっ115系」
何とマイケルはそう言いながらフローラの頭と顎をリズミカルに両手で挟んだのだった。妙な光景にサニーは唖然とした。

サニーが唖然とする中フローラに変化が出てきた。

「なんだか凄い力が湧いてきたわ。」
フローラの台詞からサニーは本物だと実感した。

そして、フローラが終わるとサニーも同じようにパワーアップしたのだった。しかしサニーにはひとつ気になることがあった。
「マイケルさんはどうするの?」

「俺のはフローラにやってもらうよ。自分でもできないことはないけど自分でやるよりも誰かにやってもらったほうが効果が出やすいんだ。」
マイケルは言う。

サニー達はパワーアップすると一斉に反撃に出た。

「たあっ」

サニーはカラミティにパンチをする。
するとカラミティは一気に後ろへ吹き飛ばされた。

マイケルとフローラも加勢し、三人でエネルギー弾を発射した。今までより格段に威力を増したエネルギー弾は次第にカラミティを追い込んでゆく。

一方のカラミティも負けじと破壊光線と衝撃波の二刀流で反撃するが、サニーはそれを一瞬でかき消した。

「なぜだ?なぜ攻撃が効かない・・・」
カラミティは一瞬固まった。

「私達のパワーアップが分からないようね。」
サニーはそう言うとカラミティを持ち上げた。カラミティはサニーの怪力に言葉が出ない。

そして

「はあっ」

サニーはカラミティを勢いよく投げつけ、カラミティは激突する直前に体勢を立て直し反撃した。

「調子に乗るなああああああああああああ!!!!!」
エネルギー弾を発射するが、サニーにかき消される。
サニーがカラミティのエネルギー弾をかき消してる間にマイケルとフローラがエネルギー弾で攻撃した。

次第に劣勢になるカラミティだが、密かに気力を貯めていたようで

「これでおしまいだああああああああ!!!」
カラミティはめいっぱいの力を込めて破壊光線を放出した。

「命中すれば即死、避ければ全壊で生き埋め、どっちにしても死ぬ運命だ。さあどうする?」

カラミティはサニー達を煽る。

サニー達は迫り来る破壊光線をエネルギー弾で押し切ろうとする。そんな彼女達を嘲笑うカラミティ。
「フンッ、無駄な抵抗を。どの道死ぬんだから大人しくしてりゃいいものを何考えてんだか!」
めいっぱいの威力でサニー達を倒そうとするが、次第に追い込まれてゆく。

そして

「これで終わりよ!」
サニー達はエネルギー弾をエネルギー砲に変え、カラミティに命中する。
攻撃を受けたカラミティは遂に倒れた。

「やった・・・今度こそ倒したのね。」
サニー達は歓喜に溢れていた。

しかしその時思いもしない事態が起こった。

「爆発だ・・・」
サニー達は声のするほうを見る。それを見たサニー達は唖然とした。

「嘘でしょ?」
何とカラミティはそれでもまた起き上がってきたのだ。カラミティはサニー達に衝撃的なことを言った。

「自爆してやる。自爆すれば全員木っ端微塵だ。」
カラミティの言葉にサニー達は絶望を感じたのだった。

「木っ端微塵だ。」
カラミティの自爆宣言にサニーは表情をこわばらせながらも手を光らせた。

「なら爆発する前に倒してやるよ!」
サニーはエネルギー弾を発射しようとするが、カラミティが遮る。

「言っとくけど攻撃してもどの道自爆の巻き添え喰らうから無駄だ無駄。ついでに爆発すればアジトもろとも木っ端微塵だ。」
カラミティは自信有りげに言った。

カラミティの言葉に言葉も出ないサニー。

「とにかく逃げるしかないわね。」
サニーの言葉で一同は脱出を始めた。

出口目指して進むサニー達だったが、途中で壁が青色と赤色の二つの分岐点に出た。

「これどっち行けばいいの?」
分岐路に困惑するサニー。

「多分青のはずだ。」
マイケルは言う。そんな彼にサニーは疑問をぶつけた。

「どうして?」
「事前に会社の方で調べておいたんだ。」

そんな会話をしながら青の通路へ進んだ。

通路を進むと広いホールに出た。ホールの真ん中には螺旋階段があり、一同がそこへ進もうとした時だった。

「何あれ?」
フローラは何かに囲まれていることに気づく。

サニーとマイケルが周囲を見渡すとそれは遊園地の時の戦闘員の群衆だった。サニー達は手を光らせると一瞬で戦闘員を倒した。

サニー達は再び階段を降りようとするが、再び影が迫ってきた。
また戦闘員が現れたのである。

「これじゃキリがないわ。」
サニーはそう言いながら戦闘員を一掃した。

しかし

「うそ・・・」
倒された戦闘員は再び起き上がってきたのだ。

サニー達はエネルギー弾で攻撃を続けるが、何度倒されても復活してくるのであった。

「こうなったら」
そう言うとサニー達は巨大なエネルギー弾を作り出して攻撃した。攻撃を受けた戦闘員は全員倒された。
しかしそんなサニー達の前に恐るべき相手がいたのだった。

「なぜここに?」
倒れた戦闘員の前にはカラミティがいたのだ。驚くサニー達にカラミティはこう言った。

「自爆に巻き添え食らわせるべく追ってきたんだよ。」
カラミティの目的を聞いたサニー達はすぐに階段を下りた。しかしカラミティは容赦なく攻撃を続け、階段は崩落、サニー達は下のホールに落下した。

出口を探し続けるサニー達だが、出口はおろか周囲には通路すらなかった。
「どうすんのこれ。」
ルージュは慌てふためく。

そんなサニー達の前にカラミティが迫ってきた。
「残念だったな。こっちはホールがあるだけだから出口探しても見つかんないよお。ついでに赤の通路たどっても同じだ。」
カラミティは手を光らせながら言う。

「そんな。出口はこっちにあるってこと事前に調べたのにどうなってんだ!」
マイケルはカラミティに反論した。

「残念だったな。ここから出られないよう細工した以上もうここからは出られないぜ。そんなことでお前らにはくたばってもらうよ。」
カラミティはそう言うと破壊光線で攻撃した。

カラミティの攻撃を避けるサニー達。本来なら反撃したいところだが、自爆されては反撃ができない。
一同は攻撃を避けるしかなかった。

「どうした?攻撃できねえのか!攻撃したら自爆だけどな。」
カラミティは攻撃できないサニー達に挑発をかけるが、サニー達は怒りをこらえながら避け続けた。カラミティの攻撃が続く中、少しずつ壁が壊れていった。

やがて壁の一部が壊れ、中からは階段が現れた。それを見たサニー達はすぐさま階段へと向かった。

「しまった、くそ!」
カラミティはサニー達の後を負った。

階段を下り、通路を進むサニー達、それを追うカラミティ。そんなカラミティは無数の爆弾を出現させると彼女達に向けて飛ばした。
サニーは即座に気づき、エネルギー弾でガードした。

追いつかれる前に逃げ切ろうと出口を急ぐが、カラミティはこれを見て瞬間移動し、サニー達の前に立ちはだかった。

「これでもくらえ!」
カラミティは衝撃波を放ち、サニー達を妨害する。
そんな彼女達はエネルギー弾やエネルギー砲を駆使して攻撃を防いだ。ところがエネルギー弾の一部がカラミティに直撃してしまう。サニー達は死を覚悟した。

しかし攻撃を受けたカラミティは何も起きなかった。

「爆発しない・・・」
「不発か?」

不思議に思うサニー達にカラミティはこう言った。

「バーカめ!攻撃で自爆とかそんなの嘘に決まってるじゃねえか!おかげで俺は反撃されずに済んだぜ!!」
攻撃を受けても自爆するというのは反撃できないようにするための真っ赤な嘘で、カラミティは勝ち逃げするための秘策として考えていたのだった。もちろんそれを知ったサニー達は怒りの猛攻を加え、先を急いだ。

一方攻撃を受けたカラミティも黙っていなかった。
「後で覚えてろ!」
サニー達への強い怒りを見せつつ何処からか取り出したオイルを大量に飲み、密かにパワーアップを遂げていたのだった。

出口を目指し、急ぐサニー達だが、サニーは密かに気になってることがあった。
「そういえば初めて奴の手下と戦った時撤収する時に瞬間移動してるの見たけど同じ薬を飲んでる私達もできるんじゃないの?」

そんなサニーの疑問にマイケルはこう返した。
「出来たらいいんだけど出来ないんだ。瞬間移動の能力は奴らに組み込まれてるプログラムらしいから。」

先を急ぐサニー達、すると遂に正面玄関に到達し、出口が見えてきた。
「やった、遂に出られたのね。」
サニー達は歓喜に沸く。しかしその直後だった。

「残念だったな。」
何と目の前にカラミティが瞬間移動してきたのだ。

カラミティのしぶとさにサニーは半ば呆れ気味だった。
「もうこれ以上邪魔しないで!」
サニーはそう言うと手を光らせ、エネルギー弾を発射した。

攻撃は効いてるかに見えたが、カラミティは全く動じてなかった。

「さっきのお返しだ!」
カラミティはサニーに強烈なパンチをかます。その威力は非常に高くなっていてなすすべもなく壁に叩きつけられた。

「さっきよりも強くなってる?」
ルージュはカラミティの戦闘力が大幅に上がってることに気づく。

「次は貴様らだ。死ねええええええ!!!」
カラミティは破壊光線を撃つ。一同は避けたもののその威力は格段に上がっており、後ろの壁が全壊した。

そんなカラミティの前にサニーは果敢にも立ちはだかった。
「これ以上仲間には手を出さないで!」

サニーは巨大なエネルギー弾を作り出すとマイケル&フローラも続き、一斉にカラミティにぶつけた。
しかしそれでもカラミティはダメージを受けず、満面の笑みを浮かべた。

「皆殺しだ!」
カラミティはそう言うとサニー達に突進しようとする。サニー達はなんとか避けたが、あることに気づく。

「なんか様子が変じゃない?」
フローラは言う。それにマイケルとサニーが反応した。
「確かにそんな気がするな。」
「理性を失って殺戮マシーンのようになってるわね。」

そんな中カラミティはエネルギー弾と破壊光線を連続で発射してきた。しかもサニー達にだけでなく壁の方にも向けて撃ち続けていたのだ。

「ここは危ないね。このまま戦い続けたら私達がやられてしまうわ。」
サニー達は攻撃を避けながら外に出ると飛行船に逃げ込む。マイケルはすぐさま飛行船を飛ばしてアジトから離れた。

多分これでもう追ってこないだろう、サニー達はそう考えた。
しかし後ろからはカラミティが乗った飛行船が後を追ってきたのだった。

カラミティからなんとか逃げようとするが、カラミティの飛行船からはエネルギー弾が発射されてきた。なんとか逃げたいところだが、逃げようにもアジトから離れすぎると市街地に入ってしまうのでなるべくアジトの周辺を周回するようにした。
そしてマイケルはエネルギー弾を操縦して反撃をするが、カラミティの船はすばしっこくなかなか当たらない。もちろんカラミティもただ攻撃されるだけでは黙っておらず、サニー達の前に現れると反撃に出た。やがて船同士のエネルギー弾の撃ち合いになり、ぶつかったエネルギー弾は爆発を起こした。

爆発で双方とも一時的に怯んだが、マイケルは間髪入れることなくエネルギー弾を発射し続けた。するとカラミティの船は徐々に動きが鈍くなり、下降していった。

そして

ドドオオオオオオオオオオオオオオオオン

カラミティの船はアジトに墜落すると大爆発を起こした。こうして地上げ屋は跡形もなく消滅し、彼らに奪われた街も元の住人の手に戻ってきたようだ。

そんな中、サニー&ルージュはマイケル&フローラ夫妻と共にあるイベントに参加していた。それは「西部アニメフェア」という名のアニメイベントで会場内では同人誌即売会や声優によるステージ企画など様々なイベントが開催されており、一同は興味津津だ。

会場内の各ブースを回るサニー達、しかしそんな中事件は起きた。

同じ頃会場内では一人の男が何かを企んでいた。

(これで全員ぶっ殺してやる。)
男は手に持っていた丸い何かを投げた。すると

ドドオオオオオオオオオオン

丸い何かは大爆発を起こしたのだ。丸い何か、それは爆弾だった。突然の爆発に会場内は騒然となった。

会場内では客の避難が一斉に進められ、もちろんサニー達も出入り口付近へ避難した。
しかしそこにもあの男が現れた。そして

「死ねえオタク共!」

ドドオオオオオオオオオオン

男は群衆に向けて爆弾を投げた。周囲は血を流して倒れた客達で溢れかえり、会場内は地獄絵図と化していた。

「ざまあみやがれ!」
男は現場を見て言った。

そして男はサニー達の所に近づくと突然刃物を取り出した。
「バラバラに切り刻んでやる!」

男はそう言うとサニー達に切りかかろうとする。
しかしサニーには適うはずもなくあっという間に返り討ちにされた。

「何が気に食わないのか知らないけどこれ以上のことしたら容赦しないわよ!」
サニーは男に向かって怒鳴りつけた。

すると男はこう話した。
「俺はアニメオタクが憎いんだよ。」
男の言葉にサニーは目を丸くした。そんなサニーを尻目に男はさらに話し続けた。

「俺の名はジョッカ、アニメーターをやっていてアニメを作るのは大変だけどやりがいを感じてるんだ。けどアニオタどもはアニメーターの苦労も知らずに作画がクソだの演出がゴミだの俺らに言いがかりつけるだけで挙句の果てには制作チームへの執拗なバッシングまでしやがる。こんな奴らを野放しにしていたら俺らはストレスで死ぬかもしれねえからアニオタどもをぶっ殺してやってんだよ。」

ジョッカの動機にサニーは反論した。
「確かにそういう人もいるかも知れない。けど皆が皆そう言ってんじゃないの!そういうこと言うのはほんの一部だけであってあなたのことを良く思ってる人だってたくさんいるはずよ!」
「ケッ、馬鹿言うな!そんなの聞いたことねえよ!こっちは過酷な重労働の末完成させたアニメをタダで見て文句ばっか付けるこんな心の荒んだゴミなんかに俺の気持ちが分かるかよ!!」
声を荒らげるジョッカ。しかし彼の発言にアニメオタク達が抗議した。

「俺らを一括りにするな!」
「お前みたいな奴が荒んだ心で作ったアニメなんかなんも伝わってこねえよ!」
「悪く思ったことなんて一度もねえさ!」
次々と群集達が声を上げる中ジョッカは遂に怒りを爆発させた。

「くたばれえええええええええ!!!!!」

ジョッカは群衆に向けて次々と爆弾を投げ込んだ。群衆は血を流して倒れ、一瞬で地獄絵図と化した。そんな中マイケルとフローラは救護班を呼び、負傷者の救護に当たった。

「さあどうする?そのまま見ていればもっと死体が増えるよ。まあいい、このまま死体が山のように増えていくのを黙って見ているんだな。」
サニーをおちょくるジョッカ。そんなサニーはジョッカの残虐非道な言動に怒りを爆発させた。

「いい加減にしろおおおおおおおお!!!!!」
サニーは凄まじい力でジョッカに殴りかかった。圧倒的な威力でジョッカはその場に倒れた。

そして

ドドドドドドド

サニーのマシンガンで制圧した・・・かに見えた。

「ぶっ殺されるのは貴様の方だ!」
何とジョッカは何事もなかったかのように起き上がるとサニーに反撃をしたのだ。サニーは攻撃を押さえ込むが、ジョッカの威力は凄まじく劣勢になる。

ジョッカはほくそ笑むと強烈なパンチをお見舞いした。攻撃を受けたサニーはその場に倒れこんでしまった。

「もう終わりか?」
ジョッカはそう言うとサニーを踏みつけた。サニーは悲鳴を上げ、悶える。

「その苦しみざま実に快感だ。」
ジョッカは更に何度も踏みつけ続けた。身動きできないサニーは悶えるしかなかった。

「止めだ。」
ジョッカが止めを刺そうとした時だった。

ドゴォッ

ジョッカは突如攻撃を食らって倒れた。
サニーが起き上がるとそこに見えたのはルージュとマイケル&フローラ夫妻だった。

「みんな・・・」
サニーは思わず嬉しくなる。

三人はサニーを回復させると4人で反撃を開始した。

サニー達の攻撃は次第にジョッカを追い込んでゆく。ジョッカは反撃を試みるも4人を相手に歯が立たず劣勢になった。

「そんな攻撃で俺を倒せると思うなあああああああああ!!!!!」
断末魔とも言えるようなセリフを吐くが、なすすべもない。

そして

ドドドドドドドドドドドッ

サニー達が一斉に発射したマシンガンの攻撃でジョッカはその場に倒れた。薄れゆく意識の中ジョッカはあることを言い残した。

「アニメの制作に参加できてよかった・・・あと・・・オタクは・・・」
ジョッカはそう言い残すとそのまま動かなくなった。果たして彼の本意は何だったのだろうか?それは本人にしかわからない。

後日、マイケルの家に来ていたサニー達はトレーニングルームを見ていた。

「ルージュも頑張ってるのね。」
「もちろんよ。少しでもサニーに協力できることが一番嬉しいことなんだから。」

実はルージュは地上げ屋の一軒の後少しでもサニーに協力できるようにとフローラとマイケルに頼んで身体能力を鍛えてもらっていたのだ。サニーはそんなルージュの話を聞いてとても嬉しかったようだ。

サニー達がパワーアップしつつある頃、一組のカップルが街を歩いていた。やがて二人は足を止めると彼氏がバッグから何かを取り出した。

「俺と結婚してくれ。」
彼がそう言って箱を開けるとそこから指輪を取り出したのだった。

「喜んで。」
彼女はプロポーズを承諾し、プロポーズは成功した・・・直後だった。

ドゴォッ

突然襲撃を受け、倒れる二人。そんなカップルを見て一人の女は言った。

「何なのよ!いい気になって!」
女はそう言うとその場から消えたのだった。

一方とある公園では休日を利用して家族連れで賑わっていた。しかしこの公園にも悲劇が訪れる。

ドッゴオオオオオオオオオン

突如飛んできた衝撃波に公園内はパニックになった。公園の人々は一斉に逃げようとする。

しかし

「わあっ」
追い打ちをかけるように衝撃波が客達を襲い、次々と倒れた。その様子を見た女はこう言った。
「爆ぜろ。」

女はそう言い残すとまたどこかへと消えた。

この一連の事件は新聞にも掲載され、話題となった。しかしサニーは謎の女の特徴を見て唖然としたのだった。
「二人組でオレンジ色のポニーテールに黒いリボンとデザイン違いのドレスでもう片方は白色・・・服装はともかくなんか私に似てるわね。」

「主人も調べてるのだけど全くわからないみたいなのよ。」
フローラは困り顔で言う。どうやらマイケルでさえも実態を掴めない存在のようだ。

そんな中一本の電話がかかってきた。マイケルはすぐに出ると電話の主は部下からだった。部下からの報告だが、それを聞いて話を聞いて驚きを隠せなかった。
「わかった。今行くから。」

マイケルはそう言うとフローラ・サニー・ルージュを連れて家を出た。
するとそこには人が大量に倒れていたのだ。マイケルはすぐに救護班を呼び、被害者を手当させる。そんな時マイケルは倒れた人々を見てすぐに自分の部下であることに気がついた。

被害者が次々と搬送される中サニーは何かに気がつく。
「そういえばさっき倒れた人達見てたら男女間の距離が近く見えたわ。」

大量に倒れた人々はその殆どが男女同士で繋がってるようだったという。それを聞いたフローラ・ルージュはカップルを狙った事件だと推測する。
しかしマイケルは調査をしているとあることに気づいた。

「カップルだけじゃない。家族連れも何組かいたぞ。」
マイケルの調査で一連の事件はカップルや家族連れ等を狙った犯行だと判明した。果たして謎の女の正体は一体何だろうか?一瞬考えた時だった。

ドドオオオオオオオオオオン

「わっ」

突然目の前を衝撃波が飛んできた。
「チッ、外したか!」
女の声と共に遂に奴が現れたのだった。

二人組の女はサニーを前にこう言った。
「この街を潰す。サニーが護るこの街を!」

そう言うと二人は衝撃波を飛ばし、攻撃を仕掛ける。
サニー達はすぐに避けた。そんな二人にサニーは詰め寄った。

「私達の街を破壊してどうするつもりなの?それになんで私の名を?」
二人はこう切り返し、黒いドレスを着た方が喋り始めた。

「私はサニーブラックっていうの。そんでこっちはサニーホワイトよ。ま、簡単に言うと私達は双子であなたをコピーしたっていうとこかしらサニーさん。」
ブラックはおちょくりながら言う。

そんな二人にサニー達は戦おうとしたが、ホワイトが遮った。

「私達はサニーと戦いたいの。サニー以外は下がってよね!」
サニー以外の三人は後ろに下がった。そこへマイケルは地上げ屋と戦った時の薬をサニーに飲ませた。

そして

「てってってってっ115系、てってってってっ115系」
マイケルはそう言いながらサニーの頭と顎を両手でリズミカルに挟み、戦闘力を強化させた。

そして遂にサニーvsブラック&ホワイトの戦いが幕を開けた。
サニーとブラックの拳がぶつかり合い、膠着状態になる。

そこへホワイトが横から攻撃を仕掛けた。
「隙ありっ!!」

ドゴォッ

不意をつかれたサニーは勢いよく吹っ飛ばされ、ビルの壁に激突した。

二人は更に畳み掛けるように手のひらを別のビルに向ける。
すると一瞬でビルが崩壊して瓦礫の山になり、それを勢いよく飛ばした。

瓦礫がサニーに襲いかかるが、サニーはそれを光らせた手で二人に向けて跳ね返した。瓦礫はそのまま二人に直撃し、畳み掛けるようにエネルギー弾で攻撃した。
これで倒したかと思われたが、それでも砂埃の中から立ち上がってきたのだった。

「なんて耐久力。」
サニーは驚く。

「当然よ。あなたをコピーしたのだから。」
二人は声を揃えて言うとサニーに殴りかかった。

サニーも負けじと拳のラッシュを浴びせ、目にも止まらぬ速さで激しい殴り合いが繰り広げられた。

一瞬の隙を付いたサニーはエネルギー弾を連射する。
もちろん二人は避けるが、ひたすら撃ち続けた。

そしてサニーは巨大なエネルギー弾を生成した。それを見た二人も巨大なエネルギー弾を生成し、互いにぶつけ合った。
「私は負けない!」
サニーは必死で押し切ろうとする。

「それはどうかな?」
二人はそう言うとエネルギー弾を合体させた。予想外の展開にサニーは驚く。

「はあっ!」
二人は息を合わせるとエネルギー弾をサニーに投げつけた。倍の威力に膨れ上がったエネルギー弾に為すすべもなく押されてしまう。

そして

ドドオオオオオオオオオオオオオオオオオン

巨大なエネルギー弾は大爆発を起こして消えた。

「サニー!!」
ルージュは叫ぶ。しかし二人は畳み掛けるように巨大なエネルギー弾を投げ続けた。

「これでとどめよ!」
二人はそう言うと大量の爆弾を生成し、一斉に投げつけた。爆弾は次々と爆発し、辺りは火の海となった。
ルージュ達はもう駄目かと思い、死を覚悟した・・・瞬間だった。

「あれはサニー?」
火の海から動く影・・・それはまさにサニーだった。

サニーは血に濡れつつもこれほどの攻撃をもろともせず火の海を背にこちらに向かってくる。

「今度はこっちの番よ!!」
手を光らせると二人に強烈なパンチをかました。攻撃を受けた二人は血を吐きながらも体制を保ち、手を光らせた。

その間にサニーは再び巨大なエネルギー弾を発生させ、両手で持ち上げた。二人も同じく巨大なエネルギー弾を持ち上げ、互いにぶつけ合った。

「絶対に負けない!」
サニーは巨大なエネルギー弾をさらに巨大にしてゆく。二人も負けじと威力を上げようとするが、サニーは限界まで威力を上げ続けた。

すると

「嘘でしょ?」
なんとサニーのエネルギー弾は二人のエネルギー弾を飲み込んでいったのだ。

そして

「これで終わりよおおおおおおおおおおお!!!!!」

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

特大になったエネルギー弾は二人を直撃した。攻撃を受けた二人はその場に倒れると邪悪な気が消えて姿が変わり、ブラックはショート、ホワイトはセミロングの黄色い髪と黄色とピンクを基調とした服装に変わった。

「洗脳されていたのね。」
サニーは二人が元に戻ったのを見て安堵した。

程なくすると二人は目を覚ました。
目を覚ますと二人は何がなんだかわからなく混乱した。そんな二人をサニーは優しく落ち着かせたのだった。

「そういえば名前まだ聞いてなかったね。」
サニーがそう言うと二人は名前を名乗った。
「私シャイニーって言うんです。」
「あたしはルミナスよ。ついでに言うと双子であたしは妹なの。」
ショートの姉はシャイニー、セミロングの妹はルミナスと名乗った。

「私はサニーっていうの。」
サニーも名乗った。

「ところで私達は一体・・・」
シャイニーが言おうとした時だった。

ドドオオオオン

突如周囲を衝撃が襲った。一同が目を向けるとそこには赤髪と青髪の男がいたのだった。

「あーあ、失敗しちゃいましたか。」
彼らは気だるそうに言う。

「失敗って何を?あなた達は一体・・・」
サニーは彼らに問いかける。

すると赤髪の方が口を開いた。
「おっと、名乗るのを忘れていましたね。俺はレッド、それとこちらは双子の弟のブルーだ。」
彼らが名乗った瞬間シャイニーとルミナスはひどく怯えた。

サニーは彼らと何があったのかを聞いた。

「実は私達は早くに親を亡くしていて近所に住むあの二人に引き取られたんですよ。」
「けれども奴らはあたし達に冷たくて褒められたりしたことは一度もなかったの。」
「その上気がついたら洗脳の道具にされていて気が付いたらこんなことになっていたんです。」
サニーは話を聞くとレッドとブルーに怒りを見せながら詰め寄った。

「この子達がどれほど傷ついてきたのか考えたことあるの?」

「傷つくも傷つかないも俺は厳しく接していたつもりですよ。それがおかしいのですか?」
「間違ってるのはあなた達の方ですよ。厳しく育てて何がいけないというのですか?」
レッドとブルーは悪びれるどころか逆に開き直った。

「あなた達は厳しくしてるんじゃない!これはれっきとした虐待よ!!」
サニーはさらに強い口調で言う。

しかしレッドとブルーは怯まない。
「虐待なんて人聞き悪いですね。俺達は恋愛に縁がなくてカップルや家族連れが目障りだったからこいつら(姉妹)を洗脳して殺戮兵器として使っていただけなのですよ。たまたま高い戦闘力を持つお前(サニー)がいたおかげでお前の能力を元に最強の手駒を使えたんだけども成功しようがしまいがどの道こいつらも始末するつもりだったんですがね。」
レッドとブルーは恐るべき本性を明かした。本音を聞いたシャイニーとルミナスは涙目になりながらこう言った。

「私達を利用する目的でこんなひどいことしてたなんて最低!」
シャイニーとルミナスはレッドとブルーに怒りをぶつけるが

「この俺に歯向かうとはいい度胸してるじゃないか。」
レッドとブルーはシャイニーとルミナスに詰め寄ると手を光らせながら彼女達を踏みつけた。
もちろん彼女達は悲鳴を上げながら苦しむが、彼らは容赦なく甚振る。

そして

「用は済んだことだし、お前らには消えてもらうよ。」
レッドとブルーはエネルギー弾をシャイニーとルミナスに向けて撃とうとした・・・瞬間だった。

「いい加減にしろおおおおおおおおおおおお!!!!!」
怒りを爆発させたサニーは光らせた拳をレッドとブルーにぶつけた。

「まだ育ち盛りの女の子にこんな仕打ちするなんてええええええええええっ!!!お前らだけは死んでも許さないんだからあああああああああああああああああああああっ!!!!!」
サニーは激しく絶叫しながらレッドとブルーを滅多打ちにする。サニーの猛攻で彼らはボロボロになるが、殆ど表情を変えなかった・・・かに見えた。

しかしその直後、彼らに異変が起きる。

ゴッ

突然攻撃を受けたサニーは後ろに吹っ飛ばされた。サニーは立ち上がると目の前にはレッドとブルーが迫っていた。
彼らは白目を剥き、危険な雰囲気を漂わせる。

その後二人同時にパンチを繰り出し、攻撃を仕掛けた。
サニーはすぐさま避けるとエネルギー弾を撃とうとするが、それを遮るかのごとくレッドが口を開いた。

「噂によると悪党殲滅目指してんだってな。けどそれは無理だ。てめえのような無能がどう頑張っても無意味なことだ。」
レッドの言葉にサニーは動きが鈍る。

畳み掛けるようにブルーも口を開いた。
「所詮貴様のやってることは全て・・・無駄でしかねえんだよ。」

ドゴォッ

「ああああああああああっ!!!」
心が折れたサニーはブルーの攻撃を受けてしまい、その場に倒れた。

「ヒーロー気取りの無能が!でもこれでゴミは片付いたな。」
レッドがそういった時だった。

ドゴォッ

レッドとブルーは突然攻撃を食らう。彼らの前に現れたのはパワーアップしたルージュ・マイケル・フローラだった。

「サニーのやってることは決して無駄なんかじゃないよ。」
ルージュはサニーを諭す。仲間の応援でサニーは気力を取り戻し、再び立ち上がった。

サニー達は手を光らせながらレッドとブルーに立ち向かった。

「それで復活したつもりか!」
レッドは呆れる。

「それはどうかな?」
サニーはそう言うと一斉にエネルギー弾を発射した。

サニー達から総攻撃を受けるレッドとブルー。
攻撃が効いたかに見えたが

「クソったれ!攻撃が効くと思ったら大間違いだ!!ほれお返しだ!」
何と二人はサニー達の攻撃を跳ね返したのだ。サニー達はすぐに攻撃を避けた。

その後サニーとルージュはレッドを、マイケルとフローラはブルーを挟み撃ちにし、強烈な猛攻を加えた。
攻撃を受けた二人は血を吐くが、体制を保つと爪を伸ばした。

「これでぶった切ってやる!!」
爪はサニー達を直撃し、サニー達は血を流しながら倒れた。

そんな中マイケルが手早く応急処置を施すと再び立ち上がり、再度攻撃に出た。

すかさず二人は両手で受け止め、膠着状態になる。
「てめえらも殺されてえか?」

ブルーの言葉にサニー達は目を丸くした。
「てめえらもってどういうことなの?」
サニーの疑問にレッドが口を開いた。

「あいつら(シャイニーとルミナス)は親を早くに亡くして俺が引き取った。けどあいつらの親は事故でも病気でもない。俺らが殺したんだよ!」
サニー達はあまりの衝撃に力が緩む。

「俺達兄弟は憎しみ、悲しみ、苦しみ、怒り、憎悪といった負の感情が具現化した存在で幸せそうな奴を不幸に染め上げることを生きがいにしてんだ。あいつらの親を殺し、冷遇しながら育てて不幸が限界になったところで洗脳して暴れさせ、用が済んだら始末すりゃ最高の不幸が味わえるってことだ。だからあいつらの親を殺したのも・・・幸せそうなのが気に食わなかったからなんだよおおおおおお!!!」
二人はサニー達の威力が鈍った隙を見ると勢いよく殴り飛ばした。

「なんて酷い奴なの!」
サニーは彼らの残虐非道っぷりに怒りを通り越して呆れた。

そしてサニー達は巨大なエネルギー弾を作り出すと一斉に投げつけた。
攻撃は全て命中したが、それでも彼らは倒れなかった。

「しぶとい奴め!今すぐ殺してやる!!」
レッドはそう言うとブルーと共に手をビルに向けた。

するとそのビルは一瞬で瓦礫の山になり、サニー達に襲いかかる。
サニー達はエネルギー弾で攻撃を防いだ。

「そこだあ!!」
エネルギー弾で攻撃を防いでる隙を見た二人は一斉にエネルギー弾で攻撃した。
しかしとっさの機転でサニーはそれを一斉にかき消し、飛び蹴りをかますとエネルギー弾で反撃した。

レッドとブルーはサニーのエネルギー弾をかき消し、反撃を試みるが、畳み掛けるようにサニーは拳のラッシュを浴びせた。
二人も拳のラッシュを浴びせ、壮絶な格闘戦となった。

目にも止まらぬ速さで互いの攻撃が続く。そこにサニーは一瞬の隙を突いて走りながら連続パンチを繰り出した。
二人は次第に追い込まれてゆく。

そして

「これで観念しろおおおおおおおおっ!!!」
サニーはレッドを捕まえて空高く殴り飛ばすと自らも飛び上がり、レッドに強烈な一撃を叩き込んだ。
攻撃を受けたレッドは猛スピードで落下し、ブルーもろとも地面に叩きつけられると地面にクレーターが出来たのだった。

「終わった・・・のか?」
サニー達は安堵の表情を浮かべた。

しかしクレーターの中から二人の影が浮かび上がってきた。
その影はブルーとレッドでクレーターの中から地上に戻ってきたのだった。

「嘘でしょ?これだけやってもまだ・・・」
サニー達は愕然とした。

「クソったれが!ようもコケにしてくれたな!!」
二人はそう言うと同時に破壊光線を撃った。

サニー達はエネルギー弾で対抗し、双方がぶつかり合う。
しかし破壊光線の威力に押され、サニー達は後ろの建物に激突した。

それでもサニー達はなおもエネルギー弾を出そうとするが、薬の効果が切れてしまい、エネルギー弾が出せなくなってしまった。
マイケルはすぐさま薬を出そうとするが、これ以上持ってなかったため戦うことが難しくなってしまった。
最悪の事態に悔やむマイケル。しかしサニー達はそれでもなお対抗し続けたが、薬の効果が切れた今彼らには手も足も出ない。

「終わりだ!」
レッドがそう言うと二人は破壊光線を放った。

二人が放った破壊光線がサニー達に迫り、絶体絶命のピンチに陥っていた。
もうダメか・・・と死を覚悟した時だった。

スパッ

突如破壊光線は何者かによって消えた。
サニー達の目の前に現れたのは紫色を基調とした二人の少女だった。

「何かよくわからないけどありがとうございます。」
サニーは礼を言う。

そんなサニーにポニーテールの方が口を開いた。
「なんか大変なことになってるとマイケル社長から聞いて駆けつけてきたの。そんな私はミルキィって言うの。」

更にツインテールの方も口を開く。
「私はローズよ。ミルキィの双子の妹なの。」

そんな彼女達にシャイニーとルミナスが反応した。
サニーは彼女達の関係を聞くといとこ同士であることが判明した。

そしてサニー達も名乗った。そんな中サニーはあることを聞いた。
「そういえばマイケルさんのこと社長って呼んでたけどマイケルさんの所で働いてるの?」
「私達はマイケルグループの社員でマイケル社長とは業務提携してるの。今回はマイケル社長が開発した薬を元に更に改良した薬を持って駆けつけに来たのよ。」
ミルキィとローズはそう言うと薬を出し、サニー達に投与した。

そして

「てってってってっ115系、てってってってっ115系」
ミルキィとローズはそう言いながらサニー達の頭と顎をリズミカルに両手で挟み、強化させた。

「大人しく殺されりゃいいものを!」
レッドとブルーはそう言うが、サニーは自信に満ち溢れていた。

そんな二人はサニー達に攻撃を仕掛けるが、サニー達はすぐに見切ると強烈なパンチをかました。
攻撃を受けた二人は勢いよく吹き飛ばされ、更にミルキィとローズが衝撃波で追い打ちをかけた。

二人はすぐさまエネルギー弾と衝撃波で攻撃を仕掛けるが、サニーは強烈な冷気を発射した。
冷気はまたたく間に二人を氷付けにする。そこに畳み掛けるようにミルキィとローズは衝撃波でトドメを刺した。

しかしそれでも二人は自ら氷を破壊すると巨大なエネルギー弾をサニー達にぶつけようとした。
それをルージュが火柱を発射して阻止した。更にフローラが雷で攻撃し、マイケルは手を剣に変えて斬りかかった。
マイケルの剣は二人を斬りつけ、二人は血を流しながら倒れるとサニーは巨大なエネルギー弾でトドメを刺した。

「今度こそ終わったのね。」
ルージュは喜びながら言う。

「でもまだ分からないわ。」
サニーは警戒を続けた。

すると案の定倒れた二人は再び起き上がってきたのだ。
「まさか本気出す時が来るとはな。」

二人はそう言うと全身が筋肉質になり、全身が一回り大きくなった。

「さっきまでの借りはきっちり返してやらあ!!」
そう言うと二人はサニー達を一斉に殴り飛ばした。サニー達は空高く飛ばされるとそのまま地面に叩きつけられた。

「なんだ?もう終わりか?」
二人は気だるそうに言う。

「じゃもう一発お見舞いして始末しとくか。」
再び殴り飛ばそうとした時だった。

「こんなところで終われない!」
サニー達はそう言いながら二人の攻撃を阻止しようとした。

しかし圧倒的な力に為すすべもなく追い込まれてしまう。
「てめえらまとめて踏み潰してやる!!」
二人は片足を上げると勢いよく振り下ろした。
サニー達は寸前に離れたため攻撃は免れたが、振り下ろした足元にはクレーターが出来ていた。

「なら今度はこっちの番よ!!」
そう言うとサニーは冷気で攻撃するが、二人には全く効いていなかった。
その後ルージュ・フローラ・マイケルが炎・雷・剣で攻撃するもダメージはほとんどなかった。

「そんな攻撃痛くも痒くもないわ!」
二人は自信有りげに言うが、ミルキィとローズが背後から不意打ち攻撃を仕掛けた。
不意打ちでの攻撃に驚きを見せたものの何かを企む素振りを見せた。

そして二人はシャイニーとルミナスに向けて破壊光線を放った。

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
サニーはシャイニーとルミナスの前に立ち、エネルギー弾で攻撃を防ぐが、破壊光線の威力に押されてしまう。
そこでサニーは瞬時にエネルギー弾から冷気に変えて破壊光線を凍らせようとした。しかしそれでも威力は衰えなかった。

そして

ドオオオオオオオオオオン

「あああああああああっ!!!」
攻撃を正面から受けたサニーはその場に倒れてしまった。

一同はサニーに駆け寄り呼びかけるが反応がない。

「そんな・・・サニー・・・」
動かないサニーに一同は深い悲しみに暮れた。

そんな中レッドとブルーが口を開いた。
「やっとくたばったか。」
「次はてめえらがくたばる番だ。残ったてめえらも全員ぶっ殺せば地球滅亡はあっという間さ。さあて、どの順番でぶっ殺してくか。」

二人の非情な言葉に一同(特にルージュ)は怒りを爆発させた。

「よくもサニーを!!うおおおおおおおおおお!!!!!!」
一同はこれまでになく激しい猛攻を仕掛けた。
二人を押してるかに見えたが、それでもダメージは殆どなかった。

「甘いんだよ!」
二人は全力で一同を蹴り飛ばした。

一方所変わって暗闇に包まれた世界にオレンジ色のポニーテールと赤いリボン、そして白いマントが特徴の少女がいた。
「あれ?私何やってるんだろう。確かさっきまで強敵と戦っていたような・・・」
少女の名はサニー。しかし彼女は直前までのことを思い出せずにいた。

そんな彼女の前に一人の男が現れた。

「確かサニーとか言ったな。まだ人生これからだというのに・・・」
男は力なく喋る。

「まだ人生これからって・・・もしかして私死んだの?というかあなたは一体・・・」
サニーは状況が飲み込めずにいた。

「俺は閻魔大王だ。君は幼くして家族をギャングに殺されたのがきっかけで悪党を成敗する戦士になった。しかしレッドとブルーとかいう悪の兄弟との戦いの末無常にも殉職してしまったのだ。」
閻魔大王の言葉にサニーは唖然とした。

「嘘でしょ・・・嫌よそんなの!私まだ平和を取り戻しきっていないのに!!なんで・・・」
サニーは震えながら頭を抱えた。
「残念だがこれが現実なんだ。」
閻魔大王はサニーを宥めた。そして閻魔大王は更に続けた。

「君は街の平和のためによく戦ったから本来なら天国行きだ。だが、今の君は天国にも地獄にも行くことはできない。」
閻魔大王の言葉にサニーは目を丸くした。
「それってどういうことなの?」
サニーの質問に閻魔大王はある映像を見せた。

そこにはレッド&ブルーと必死に闘う一同が写っていた。
これを見たサニーはついさっきまでレッドとブルーの兄弟と戦っていたのを思い出した。
「これで分かっただろ?君には街を、そして地球を護るために戦い、天寿を全うする使命があるのだ。天国に居る家族から届いた伝言にも「悪を成敗して街を平和にしてくれ、そして天寿を全うしてくれ」という願いが来ておる。だから君は現世に帰ってもらうよ。」
閻魔大王はそう言うとサニーを現世に送還した。
「天寿を全うするまで絶対来るんじゃないぞ。そんで俺が授けた神の力を思う存分発揮してくれーっ。では健闘を祈るぞ。」
閻魔大王はサニーに呼びかけた。

一方現世では一同がレッドとブルーに必死で攻撃を続けるも圧倒的な戦闘力と耐久性に為すすべもなくやられていた。
「これでくたばりやがれええええええええええっ!!!!!!」
二人は一同を追い込むと強力な破壊光線を発射した。
もう駄目かと思い、諦めかけた時だった。

破壊光線は起き上がったサニーにかき消されたのだった。突然の復活に二人は唖然とした。
「バカな・・・さっきくたばったはずじゃ・・・」
「ちょっと意識がなかっただけよ。たったこれぽっちの攻撃で終わると思ったら大間違いよ!」
サニーは自信有りげに言う。そんなサニーに一同は喜びを爆発させたのだった。

サニーはレッドにパンチを繰り出した。
するとレッドは猛スピードで飛ばされ、壁に激突した。

「てめえ!」
ブルーが背後から攻撃を仕掛けようとした。
するとサニーは即座に気づき、衝撃波で攻撃した。

「あの二人を圧倒してる?」
サニーはもちろんのこと一同も二人を圧倒する程の強さに驚いていた。

その後二人はビルの屋上に飛び移った。
さすがのサニーもこれは流石に無理だろうと思いながらも飛び上がるとなんとビルの屋上に到達したのだった。

屋上へのジャンプに驚く一同。
「一体何があったんだ?」
マイケルは調べようにも手がかりがなく何もわからなかった。

一方サニーが屋上に飛び上がると二人は別のビルに飛び移った。
そんな二人にエネルギー弾を撃ち、攻撃するサニー。
二人はすかさず避けるとすぐさま衝撃波を飛ばすが、一瞬でサニーにかき消された。

「ならこれはどうだ!!」
二人はそう言うとサニーの足元のビルに向けてレッドはエネルギー弾を、ブルーは衝撃波を飛ばした。
サニーが立ってたビルは瞬く間に崩落するが、直ぐに飛び上がると二人を目掛けてキックをかますも二人が飛び上がったことで攻撃はよけられてしまったが、サニーは飛び上がった二人目掛けてエネルギー砲を発射した。

攻撃は二人に命中し、そのまま勢いよく落下した。そして再び立ち上がるとビルに手を向けた。
ビルは崩落して瓦礫となり、その上にサニーも落下した。
サニーは至近距離でエネルギー弾を撃ち続けた。至近距離での攻撃はさすがの二人も堪えたらしく、少しずつ押されてるようだった。

そして

「これでとどめよ!!」
サニーは巨大なエネルギー弾を何度も当て続けた。攻撃を受けた二人はその場に崩れるが、その直後に空が暗くなりだした。

「何が起きたの?」
サニー達は驚く。そんなサニー達に二人は驚くべきことを口にした。

「奥の手だ。この闇が覆い尽くせば地球は死の星となる。そうすればてめえら全員道連れになんだよ。言っとくけど闇を止める方法はない。」
闇の魔の手に絶望する一同。しかしそれでもサニーは諦めなかった。

「死の星になろうが道連れにされようが私は絶対諦めない!」
サニーは必死で攻撃を続けた。すると二人がダメージを受けるたびに闇の威力は衰えていったのだった。

しかしレッドとブルーも諦めてはいなかった。
「ならばフルパワーだ!!」
二人はそう言うと闇の威力は大きくパワーアップした。辺り一帯が暗闇に飲み込まれ、絶体絶命のピンチに陥っていた。
ルージュやフローラ等も加勢したが、攻撃は効かず闇が衰えることはなかった。
もう終わりか・・・絶望に染まりかけた時だった。

「なんだ?この強烈な光は。」
二人は驚いた。それもその筈サニーは全身から強く白い光を発していたのだ。
「言ったでしょ。例え死の星になっても諦めないって。」
サニーはそう言うと二人に猛攻を仕掛けた。目にも止まらぬスピードと圧倒的なパワーで二人を追い詰めてゆく。

そして

「これで終わりよおおおおおおおおおお!!!!!!」
サニーは光らせた全身から強力な光線を発した。

「俺達は負の感情がある限り何度でも現れてやる!!」
二人はそう言い残すが、光線は二人を飲み込むと大爆発を起こした。光線に飲み込まれた二人は消し炭となって消滅すると闇は消え、街は明るさを取り戻したのだった。

それからしばらくして街は復興が進み、日常が戻りつつあった。
そんな中一同はマイケルの家に集まっていた。シャイニーとルミナスはミルキィとローズの元に引き取られて同居し、現在はマイケルグループの会社で一緒に働いてること等が明かされていた。
なんやかんややっていると話題はサニーが目覚めた時の話題になった。
「それにしてもあの力は凄かったよねえ。あの時何があったの?」
ルージュが言うとサニーはこう返した。
「意識がなかったからわからないけどあの世の手前で引き返すようなそんな感じだったの。」
「また〜サニーはこういう冗談うまいよね〜。」
「本当だってぇ〜(汗)」
そんな様子を閻魔大王はあの世から見ていたのだった。
「俺が手を貸さなかったら今頃もうやられてたかもしれなかったからな。手を貸して正解だったよ。」

一方レッドとブルーは閻魔大王の所にいた。閻魔大王はもちろん二人にはこの審判を下した。
「お前らはせいぜい地獄で永久に苦しむがいい。」
二人は閻魔大王によって地獄に送られ、永久に苦しむことになったのだった。

そしてサニー達はいつもの日常に戻っていった・・・のだがそれもつかの間だった。

サニー達が公園で遊んでいると突然目の前にカプセル型の乗り物が現れた。謎の乗り物が地面に降り立つと中から黄色いロングヘアにピンクのワンピースを着た女の子が現れたのだった。

「ここにいる皆様方はサニー達で間違いないね?」

サニーは間違いないと答えるが、なぜ彼女が自分たちのことを知っているのか気になった。

「あなたは一体・・・」
サニーの疑問に少女は正体を明かした。

「私はソレイユ。マイケルとフローラの間に生まれた未来の娘なの。」
衝撃の告白にサニー達(特にマイケルとフローラ)は唖然とした。信じられないような話だが、詳しく聞くサニー達。

「なぜこの時代に来たんだ?」
「未来で何かあったの?」
マイケルとフローラの問いにソレイユは未来での出来事を明かした。

「私が一人で留守番してたら突然体が動かなくなって少ししたら動けるようになったんだけど夕方になっても帰ってこないから外を見に行ったら親は何者かに殺されていたの。それだけじゃない。サニーやルージュも他にもたくさんの人が殺されていて訳が分からなくなった私は家の周りを調べていたの。そしたら変な装置を持ったグループがいてこっそり話を聞いてたらそれで動きを封じた人をもっと殺そうとたくらんでる声がしてこっそり帰ろうとしたら奴らに見つかって父が遺したタイムマシンで命からがら逃げてきたの。」

話を聞いたサニー達は複雑な表情を浮かべた。そんな中ソレイユはさらに続けた。

「でも一つだけ解決策があるわ。タイムマシンで事件が起きる前に移動して奴らが持ってる変な装置を破壊すれば助かると思うの。」
サニー達はマイケルが用意した薬を飲んで強化するとタイムマシンに乗ってタイムスリップした。

タイムマシンの中でサニーは一つ気になったことがあった。
「ソレイユが持ってる細い透明の棒って何?」

「危険人物を感知する道具よ。危険人物を感知すると赤くなるの。あっ、もうすぐ着くわよ。」

タイムマシンは事件発生前の時間に到着した。

未来世界に降り立ったサニー達はソレイユの棒を頼りに敵を捜索した。特に怪しい雰囲気もなくごく普通の日常風景が広がっていた。
しかし敵が町中を拠点にしてる可能性は低いだろうと人気のない場所に範囲を広げた。

人気のない倉庫の前に出た時だった。突然棒が赤くなりだしたのだ。
サニー達が倉庫の様子をのぞき込むとソレイユはすぐにピンときた。

「私が見たやつらと一緒だわ。あの装置もあるよ。」
ソレイユはこっそりとサニー達に打ち明けた・・・そんな時だった。

「オイ!そこで何やってんだ!?」
何と犯人に気づかれてしまったのだ。

「あなたたちの企みすべて聞いたわよ!!」
サニーは啖呵を切った。

「計画がばれた以上てめえらにはくたばってもらうよ!!」
犯人達は一斉に襲い掛かってきた。サニー達は次々と返り討ちにし、野望を阻もうとする。
しかし敵は倒れても再び起き上がってきた。

敵の一人が謎の装置に手をかけようとした。

(これで終わりだ。)
するとサニーはそれを阻み、その隙に気功波で装置を破壊した。こうして敵の野望は潰えた。

しかしそれでもサニー達に襲い掛かろうとするのでこれ以上の相手は無意味と判断したサニー達はすぐにタイムマシンに戻った。
追いかけてきた敵はタイムマシンを取り囲むが、サニー達はタイムスリップして逃げ切った。

現代に戻ったサニー達はタイムマシンから出るとソレイユは礼を述べた。ソレイユはサニー達に見送られながら未来に帰ったのだった。

未来に帰ったソレイユは自宅に入るとフローラが夕食の準備をしていた。どうやら悲惨な状況は回避されたようだ。
そして犯人グループも殺人未遂で逮捕されたのだった。

一方現代に帰ったサニー達は家路についていた。帰宅したサニーは夕食を済ませ、風呂に入ると一息ついた。

「タイムスリップって本当にあるのね。」
サニーは不思議に思いながらも楽しそうだった。

風呂から出てパジャマに着替えると、サニーは眠りに就いた。
翌朝サニーはいつものように目を覚ますが、何かに違和感を感じた。

「あれ?なんで公園にいるの?」
自宅で寝ていたはずなのになぜか目覚めた時には公園のベンチに座っていたのだ。
更に誰かが気にかけてくれたのか体には毛布がかけられていた。

「目が覚めましたか。」
目を覚ましたサニーに幼い娘を連れた家族連れの父親が声をかけた。
「よくわからないけどありがとうございます。」
サニーは礼を言う。するとサニーはものすごく見覚えのある感じがしたのだった。

なぜならその父親は自分と同じマントを着用しているからだ。更に母親は白いシャツにピンクのジャンパースカートという自分と同じ出で立ちで娘に至っては昔の自分とそっくり・・・というより自分そのものだった。
サニーは思い切って名前を聞いた。

「俺はジェイソンって言うんだ。そんで女房はジェイミーで娘はサニーだ。」
名前を聞いたサニーは驚愕した。なぜなら親の名前と完全に一致しているからだ。
「実は私の親も同じ名前なんです。しかも姿も一緒で昔家族でこの公園によく来た覚えもあるの。」
サニーの言葉に家族は偶然の一致にしては凄いことだと感じた。

「女の子が一人で公園にいたら危ないから異変には気をつけるんだぞ。」
ジェイソンがそう言った時、幼い方のサニーが口を開いた。

「それって未来の世界からタイムスリップしたんじゃないの?」
幼いサニーの言葉に親は一瞬慌てるが、サニーはなんとなくそんな実感をした。
そんな中幼いサニーはあることを聞いた。

「ところで未来の世界ではどうなっているの?」
未来のことを聞かれたサニーは本当の事を話すか悩んだが、意を決して話した。
「ものすごく言いづらいことなんだけど未来ではギャングに家族を殺されてしまったの。」
サニーの言葉に一家は唖然とした。そんな中サニーは更に続けた。
「そのことがきっかけで過酷な修行を経て街の平和を守り戦う戦士になったのよ。私の家族を奪ったギャングをはじめ全ての悪党を殲滅するためにね。でも過去を変えたら未来はどうなるのかそれはよくわからないけど悪党が来たらなんとか戦ってみせるよ」

そこへジェイソンが口を挟んだ。
「俺達を殺したギャングはどうなったんだ?」
「そいつらは追っていた現金輸送車の強奪犯で追い詰めたらそのギャングだったのよ。あのギャングはその時に戦って倒したの。」
サニーが未来の話をしている時だった。

ドドドドドドッ

突然銃声が鳴り響くとそこにギャングの一団が現れた。
「てめえら纏めて皆殺しだ!!」
ギャング達はそう言うとライフルを家族に向けた。この時サニーは昔の記憶が蘇り、マシンガンを構えながらギャングに立ちはだかった。
「家族には手を出さないで!!」
サニーはギャングを一喝する。

しかしギャングは一斉にサニーに襲いかかるが、サニーは次々とギャングを蹴散らしていった。
「みんなは安全な場所に隠れて。」
サニーは家族にそう促した。

その後もサニーはギャングの集団を次々と蹴散らしていき、遂に一団を壊滅させることができたのだった。

サニーは家族の元へ駆け寄るが、突然地割れが起きた。
「なんで地面が急に・・・」
サニーはもちろん家族も驚いていた。
そして穴の下から赤い鬼が出てきたのだった。

鬼は地上に出るとこう言った。
「過去を変えたなサニー。過去を変えた人間は地獄に落とされるっていう掟があるからよお。サニーには地獄に来てもらうよ。」
鬼はそう言うとサニーを地獄に引きずり込んだ。

「そんなの知らないよ。ギャアアアア!!!」

そして気が付くとサニーは布団から目覚めたのだった。
「夢か・・・」
外を見ると既に朝を迎えていたのでサニーは起き上がるといつもの服に着替え、朝食を済ませると街に出たのであった。

やがてルージュと合流するとマイケルの家に向かった。4人揃った一行は遊びに出かけたのだった。

所変わって家族連れ等で賑わう休日の公園内に一人の少女がいた。
彼女の名はフェリーチェ・プリンセス・アース。地球の王女なのだ。

そんな彼女は公園内を歩いていた。
「ここが公園なのね。なんて気持ちのいいところなんでしょう。」
公園に来たのが初めてなのかとても興味津々だった。

一方同じ頃サニーはお馴染みの面々とボール遊びをしていた。
ルージュ・フローラ・マイケルの順にパスを繰り返していた。しかしサニーがキャッチするのに失敗してしまい、ボールは転がってしまう。
しかし運良くボールは白いワンピースを着た一人の少女に拾われたのだった。

サニー達は礼を言うと少女は話し始めた。
「わたくしフェリーチェ・プリンセス・アースっていうの。ここだけの話なのですが、実はわたくしは地球の王女なのです。」
もちろんサニー達は驚くが、彼女は更に続けた。
「わたくしは王女として生まれ育った故に普通に街に出たことがなかったのです。街に出る機会があっても大抵公務の一貫であったりすることが多くなかなか自由に遊べる機会がなかったのでずっと外の世界に憧れていましたの。それで今日王族達には悪いと思いつつもこっそり王室を抜け出して来たのです。でもわたくしサニーさんと会えてとても嬉しいですわ。」

自分の名を知っていることにサニーは驚いた。どうやらフェリーチェはサニーが日々悪党と戦っている事を知っていたようだ。
そして事情を聞いたサニー達はフェリーチェをもてなすことにしたのだった。

一行は公園の他、街にある娯楽施設を訪れたりして娯楽を楽しんだ。初めて目にする設備にフェリーチェは興味津々だった。
一通り娯楽を堪能した一行だったが、街を歩いてる時事件は起きた。

「お前達姫様に何をしている?」
突然一行を武装した集団が囲んだのだ。サニー達は戦おうとするが、フェリーチェがそれを引き止めた。
「待って、そのお方は王室を護衛する戦闘員なのです。わたくしと一緒にいる方達はわたくしに娯楽の楽しさを教えてくれた恩人なのです!」
フェリーチェは必死で戦闘員を説得するが、戦闘員は止まらなかった。

「さあ、王女様から離れるんだ!」
戦闘員達が迫った時だった。

「待たぬかお前ら!!」
誰かが引き止めると一斉に戦闘員の動きが止まった。
戦闘員が振り返るとそこには青と緑を基調としたマントを着用した王らしき人物と青と緑を基調としたベルラインのドレスを着用した王妃らしき人物が立っていた。

「王様と王妃様、一体どうしてここに?」
フェリーチェは驚きながら聞いた。

「城を抜け出して街に出ていたものだから心配で見に来たんだ。」
「でもサニーと一緒なら安心ね。良き友人にも恵まれていて良かったですわ。」
王族達がサニーを知っていることに一同は驚いた。

「おっと名乗るのを忘れていたね。わしはカナタ・キング・アースだ。」
「わたくしはマーメイド・クイーン・アースというの。サニーが正義のために戦っていることもしっかりとご覧になられております。そして日々の活躍もあって平穏な日常が訪れているのは大変嬉しいことでございます。」
「マイケル殿、其方の会社の商品を我が王族達も御用達にしておるぞ。」
マイケルは自社製の商品が王族達の間で愛用されているのがとても嬉しかったようだ。
「おっと、なんやかんやで次の公務の時間だ。フェリーチェ、そろそろ城に戻るぞ。」
カナタに呼ばれ、フェリーチェは王族の元へ戻った。

「今日はサニー達と一日遊べて楽しかったよーっ。」
「今度は城に呼んでやるから楽しみにしてるんだぞ。」
王族達は公務のため城に戻った。

数日後、サニー達はマイケルの家に集まっていた。
「王室の住む場所はきっと凄いんだろうねえ。」
一同は公園で王族と交わした約束で王室へ行く準備をしていた。準備といってもフェリーチェの要望で普段通りでいいとのことなので単に集まってるだけらしいが。

そしてマイケル邸の前にリムジンが到着するとサニー達は乗り込んだ。

出発から数分でリムジンは巨大な城に到着した。初めて目にする王城に一同は興奮を隠せなかった。

そして玄関前に止まりリムジンを降りると王族達が出迎えてきた。サニー達と久々に再開したフェリーチェは青と緑を基調としたプリンセスラインのドレスを着用していた。どうやらこれが王室での普段着らしい。
一同は城に入ると使用人からのおもてなしを受けた。

サニー達が寛いでいると使用人の一人が封筒を片手に入ってきた。
王族達は部屋を出て封筒を開けるとそこには恐るべきことが書かれていた。

「地球の王族どもに告ぐ。これから惑星ホットで格闘試合を開催する。地球からは4人を選手として連れて来い。もしも地球が勝ったら今までのことは水に流してやるが、逆にホットが勝ったら地球は我らが木っ端微塵にしてやる。byホット王」
手紙を読んだ王族達は困惑した。

悩む王、そんな彼らに一声かかった。
「その試合引き受けます。」
何とサニー達には完全に聞かれていたのだった。

王族達は悩むが、サニー達の要望で自家用の宇宙船を出し、一同は惑星ホットへ飛び立った。

惑星ホットに降り立つとサニー達の前にある一団が現れた。

「よく来たな。だが、貴様ら地球人じゃ我々には勝てないだろう。」
そう言ったのは惑星ホットの王であるホット王だ。

「そんなのやってみなきゃわからないでしょ!」
ルージュはムキになるが、サニーが押さえ込んだ。

「という訳でこれから我が星の選手と1対1の格闘試合をやってもらうから・・・」
ホット王はそう言うと何もないところにビームを放った。

するとそこには大きめの舞台が現れ、選手はそれぞれの位置につくと審判が解説を始めた。

「審判は公平が損なわれないよう地球とホットのハーフであるこの私が務めさせていただきます。ルールは簡単。殺しは勿論武器やドーピングは一切禁止。急所攻撃は反則とし、これらの販促行為が発覚した場合違反選手は退場処分といたします。それでは一回戦はルージュvsマグネ!!」

審判員がゴングを鳴らすと地球の運命を賭けた戦いの火ぶたが切って落とされた。

「絶対負けんぞ!」
「望むところよ!」
互の拳がぶつかり合うとルージュはパンチとキックの猛攻を繰り出した。
攻撃は少しずつ押してくが、マグネは攻撃をガードすると手から水鉄砲を発射した。

「キャアアアッ!!!」
ルージュは水鉄砲で追い込まれるが、ギリギリで体勢を立て直すと反撃に出た。

「はあっ!」
ルージュのパンチでマグネは後方に押され、舞台から落ちかけた。
(今ね・・・)
止めの攻撃を放とうとした時だった。

「!?」
マグネは攻撃を食らう寸前に体を甲羅の中に引っ込めると勢いよく滑り、ルージュに体当りした。
攻撃を食らったルージュは勢いよく吹き飛ばされた。このまま敗北か・・・誰もが負けを覚悟した時だった。

「空中で立て直した?」
マグネが驚く中ルージュは空中で体勢を立て直すとそのままマグネを目掛けてかかと落としをした。

しかしマグネは攻撃を寸前でよけると再び甲羅に引っ込め、再びルージュ目掛けて滑り出した。
ルージュはそれを避けると甲羅を蹴飛ばした。マグネはそのまま舞台から落ち、ルージュは勝利した。

「負けはしたがいい試合だったぞ。」
マグネは満足気な表情を浮かべ、客席に戻った。

「ホットチーム2番手はマース・コミー!!」
ルージュが次に戦う相手はマース・コミー。マスコミのような姿をした戦士だ。
「相手の戦い方はすべてスクープしてやるぞ。」
コミーは自信満々で舞台に出た。
「それでは二回戦はルージュvsマース・コミー!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュは先手を取ろうとするが、コミーは微動だにしない。
それでもルージュは渾身の一撃を叩き込もうとした・・・そんな時だった。

「その攻撃直ぐに見切ったぞ!」
コミーはそう言って瞬きをすると一瞬でルージュを殴り飛ばした。

「なんて速さなの・・・」
ルージュは舞台から落なかったものの一瞬の攻撃に歯が立たなかった。

その後横や背後からも攻撃を仕掛けるが、全て見切られてしまう。他に打つ手はないんだろうか?そう考えた時だった。
(奴は瞬きをすることで写真を撮ったかのように相手の攻撃を予測し、攻撃される寸前に攻撃を仕掛けている。ならばこれね。)
ルージュはふと考えると超高速で連続パンチをしながらコミー目掛けて走り出した。
「まずい、これは見切れないぞ。」
ルージュの攻撃はコミーを次第に押していく。

そして

「これで終わりよ!!!」
ルージュの渾身の一撃でコミーは舞台から転げ落ちた。

「今のは早すぎて見きれなかったな。」
コミーはそう言い残しながら客席へと戻った。

「ホットチーム3番手はドレッシー!!」
ルージュが次に戦う相手はドレッシー。頭に猫耳が付いた美少女だ。
「宇宙一かわいいこの私に勝てるかニャ?」
ドレッシーは余裕の表情で舞台に出た。
「それでは三回戦はルージュvsドレッシー!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュは渾身の一撃を叩き込もうとするが、俊敏な動きでなかなか定まらない。
「これじゃ攻撃できないわ。」
「宇宙の美少女と言われてるこの私に攻撃なんて無理ニャ!」
ドレッシーはそう言うと強烈なパンチを繰り出した。

(こんなの喰らったらひとたまりもないわ。)
ルージュは必死で避けながらチャンスを伺った。

そして

双方のパンチがぶつかり合うと膠着状態になった。互いに全力を出し、一進一退の状況だ。
するとドレッシーは余裕の笑みを浮かべるともう片方の手でルージュを殴り飛ばした。
「あら、もう終わりニャ?ならいい、じゃあこれで最後ニャ。」
ドレッシーはそう言うとルージュを勢いよく投げ飛ばした。

ルージュは舞台外まで投げ飛ばされてしまい、ピンチに陥ってしまう。
しかしルージュは体勢を立て直すとドレッシーを目掛けてかかと落としをした。
既のところでよけられるも連続パンチを出しながら追い込みをかけた。ドレッシーは必死で避け続けたが、徐々に動きが鈍りだしてゆく。

そしてルージュの一撃がヒットするとドレッシーは舞台から落ち、見事に勝利を収めた。
「宇宙一かわいい私が負けるなんて・・・」
ドレッシーは悔し紛れに客席に戻った。

「ホットチーム4番手はハバネロ!!」
ルージュが次に戦う相手はハバネロ。筋肉質な大男だ。
「絶対勝つんだぞ。」
「任せてください。」
ハバネロはホットとそんな会話をしながら舞台に出た。
「それでは四回戦はルージュvsハバネロ!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュはパンチとキックを駆使ハバネロに叩き込む。
するとハバネロはその場に倒れたのだった。

一瞬何が起きたのか騒めくサニー達。しかしその直後ハバネロは起き上がると口から火炎放射を出したのだった。
不意打ちでの攻撃にルージュは押されてしまう。

そして

「これで終わりだあああ!!!」
ハバネロの一撃でルージュは舞台から落ちてしまい、敗北してしまった。

「せっかくここまで来たのに。」
ルージュは肩を落としながら客席へと戻った。

その後マイケル、フローラもハバネロに敗北し、残るはサニーのみになってしまった。
「敵は必ず打つわ。」
サニーはそう宣言するとハバネロに挑んだ。

サニーはひたすら攻撃を仕掛けるが、ハバネロは余裕の表情を崩さない。
「てめえの攻撃はそんなものか?」
ハバネロはそう言うと打撃攻撃を仕掛けた。

ハバネロの圧倒的な強さに手も足も出ないが、それでもサニーはめげずに立ち向かった。
「ならこれはどうだ!」
ハバネロはそう言うと猛烈な強風を起こした。向かい風にさらされマントがはためきながらもハバネロに近づくサニー。
それをハバネロはほくそ笑むと足元から風を吹き上げた。

「キャアアアアアッ!!!」
下からの風でスカートが舞い上がり、必死に押さえるが、ハバネロはこれをチャンスとばかりに向かい風に変えた。
スカートを押さえるのに気を取られたサニーは後ろに飛ばされてしまった。

サニーは舞台から落ちかけるも必死で踏ん張ると再びハバネロに立ち向かった。
「なんてしぶとい奴だ。ならこれで終わりだ!!」
ハバネロはそう言うと火炎放射で攻撃した。

「熱っ!」
強風で飛んでくる火炎放射は早さが増していて避けはしたものの熱風に怯みかけるが、それでも必死で食らいつくサニー。
するとサニーは何か思いついたのかハバネロの背後に回った。
「正面からじゃビビって攻撃できねえってのか。」
余裕を崩さないハバネロ、するとサニーは背後から強烈な一撃を叩き込んだ。

不意打ちでの攻撃にハバネロは強風を止められずにそのまま舞台から落ち、その瞬間強風は収まった。
こうしてサニーはハバネロに勝利し、地球チームは勝利を収めたのだった。

「くそおおおっ地球に負けるとは!」
悔しさを見せるホット。
「でもまあいいじゃないですか。それにこの俺を初めて敗北させたサニーと戦えたから俺は満足していますよ。」
ハバネロになだめられるホット。

「こうなったら公約通り今までのことは水に流してやろう。これからチョココロネは頭から食うことにしようかな。」
ホットの言葉にサニーは恐る恐るカナタに口を開いた。
「不仲の原因ってもしかして・・・・・・」
「チョココロネは頭と尻尾どっちから食べるのかで揉めてこうなっていたのだ。」
事の発端を聞いた一同は一気に力が抜けたのは言うまでもないだろう。

その後、サニー達は地球に帰ると王室と祝勝会が開かれ、一行は豪勢なバイキング料理を堪能した。
「戦い終わった後の食事は最高ね。」
思う存分食べ続けるサニー。

「サニーは食欲旺盛なのですね。」
「日々悪と戦ってるとお腹も空くからたくさん食べるのも好きなの。」
サニーはフェリーチェとそんな会話をしながら祝勝会は盛り上がったようだ。

祝勝会が終わってマイケルの家に戻るサニー達だが、マイケルは面白いものを作ったとサニー達に見せようとしていた。二人の家に戻ったサニー達はマイケルが開発したという修行部屋を体験しようとしていた。
その修行部屋があるという一室に入ると何もない壁にひとつのボタンがあり、マイケルがそれを押すと4人は何もない異空間に出た。

「何ここ?何もないけど。」
サニーがそう言うとマイケルはこう言った。
「このあと出てくるよ。」
マイケルがそう言うと突然ショッカーのような集団が現れた。
「みんなでこいつらを倒すんだ。」
マイケルの一言でサニー達は戦闘員達と戦い始めた。

サニー達は戦闘員を次々と撃破していき、周りは何もない状態に戻った。
しかし再び戦闘員が現れ、今度はビームを放ってきたのだった。
再び戦闘員を倒していくが、倒れた戦闘員は再び起き上がるとまた襲いかかってきた。
「しつこいわね!」
サニーはそう言うとマシンガンを全方向に発射し、再び戦闘員は倒れた。

安堵するサニーだが、マイケルは一同に油断しないよう忠告する。
すると再び戦闘員が現れたのだった。
サニーは再びマシンガンを全方向に発射するが、戦闘員はマシンガンで撃たれても全くびくともしなかった。
「ちょっとマイケル、これ一体どうなってるの?」
サニーとルージュが声を揃えて言った。
「修行を重ねることで特殊能力が使えるようになるんだ。ここで得た能力は現実世界でも使えるぞ。」
マイケルの言葉に半信半疑なサニー達だったが、戦闘員と戦ってるうちに手から白い光を発するようになっていた。
「今だ、全身に力を込めてビームを放つんだ!」
マイケルの合図でサニー達は全身に力を込めるとエネルギー波を放つ。
エネルギー波は戦闘員を飲み込むと一瞬で全滅したのだった。

「鍛錬を積めば簡単に出せるようになり、より高い威力で出すこともできる。また、使い方次第では応用も利くぞ。」
マイケルはそう言うと戦闘員を出しては戦いを繰り返し、一同は鍛錬を積んだ。

「次は様々な環境での戦いに慣れる修行だ。」
そう言うとマイケルは足元に現れたボタンを押した。

するとその瞬間強風が吹き荒れた。強風はサニーやルージュのスカートを捲り上げた。
「ちょっ、キャアアアッ!!何なのこれ?」
「ハバネロと試合で戦った時のように強風でスカートが捲れ上がっても羞恥心を捨てて戦えるようにするための修行だ。」

そして再びあの戦闘員が現れた。
サニーはスカートに気を取られそうになるもエネルギー波やビームを放ちながら戦闘員を倒していった。

その後も戦いを繰り返すうちにスカートが捲れ上がっても気を取られずに戦えるようになった。
それから灼熱、極寒等様々な状況下での戦いを続け、修行は順調に進んでいった。

それから程なく過ぎたある日、サニー達は新しくできた孤児院に慰問に訪れていた。
しかし目的は慰問だけではなかった。それは院長の元に脅迫状が届き、院内での被害の発生を食い止めて欲しいというものだった。

サニー達は院内で不審な動きがないか見回り、状況を院長に報告した。
そして院長がサニー達から少し離れた時だった。

「あいつら全然怪しんでねえな。」
職員と思しき人物が院長に話しかけた。

「ククククク、あいつら見事に騙されてやんの。俺の自作自演の脅迫状でサニーを釣り、洗脳した孤児を使ってなぶり殺し、奴らの死体を俺が消滅させようとしてるのを知らずにな。何はともあれサニーとやらを殺すことに成功すれば俺らの脅威となる邪魔はいなくなり、世界は我らのものとなる。そして、戦力になる奴だけを使って戦力にならんやつは皆殺しだ。フハハハハ。」
院長はほくそ笑みながら言った。

「院長、お主も悪よのう。」
院長と職員はそんな会話を繰り広げていた。

そんなある日、数人の少年がサニー達の前に現れるとビデオカメラを見せた。
「大変なところを見てしまったんだ。」
少年達は録画した映像を再生するとそこには驚くべき光景が映っていた。

そこには院長と職員が怪しげな会話をしており、その内容は脅迫状が院長の自作自演であること、偽の脅迫状でサニー達を釣り、孤児を洗脳してサニー達をなぶり殺しにした後院長が遺体を消すこと、洗脳した孤児を率いて世界征服を企んでいることだった。
計画の一部始終を知ったサニー達は院長の前に現れた。

「身寄りのない子供達を犯罪に利用するなんて最低ね!」
院長は詰め寄られるも全く悪びれずにこう言った。
「じゃあその証拠はどこにあるんだ?証拠がないならでっち上げで捕えるぞ!!」
「証拠ならここにあるわ!!」
少年はビデオカメラに撮された映像を再生した。

ビデオを見た院長はみるみる表情が変わってゆく。
「てめえら、ようもばらしてくれたな・・・」
院長と職員達は手を光らせると破壊光線を放った。攻撃は少年達に直撃し、即死すると再び光線を放ち遺体を消滅させた。
「これで証拠は消えたな。」
院長は悪びれることなく言うが、あまりの横暴にサニー達は怒りを爆発させた。
「なんてひどい真似を!!」
サニー達は院長達に激しい猛攻を加えた。

すると院長は笛を吹き、合図した。
笛の音とともに洗脳された子供達が現れると院長は子供達を使ってサニー達に攻撃をした。
サニー達は相手が相手なだけに手も足も出ず追い込まれてしまう。
しかしとどめの一撃を仕掛けようとした時だった。

「出来・・・ないよ・・・」
突然動きが止まる子供達。その様子に院長は驚いた。
「洗脳が解けたというのか?」

「もう院長の言いなりなんかにはならないよ!」
子供達は反旗を翻した。

すると院長達は凄まじい怒りを顕にした。
「この俺様の命令に背く奴は一人残らず殺してやる!!」
院長達は凄まじい威力の破壊光線を放った。
攻撃を避けるサニー達だったが、攻撃が止むとそこに子供達の姿はなかった。

「じゃあさっきので死んじゃったの?」
唖然とするサニー。

「ああそうだよ。逆らう奴は皆殺しだって言ったからな!!さあて役立たずの裏切り者はいなくなったことだし次は・・・」

ドゴオッ

院長が言いかけたところで手を光らせたサニーに殴り飛ばされた。
畳み掛けるようにサニーは馬乗りになると掴みかかりながらこう言った。
「貴様は人間なんかじゃない!人間の仮面を被った悪魔よ!!」
サニーは馬乗りになりながら院長に激しい攻撃を加えた。

しかし院長は必死に起き上がるとサニー達に猛攻を仕掛けた。サニー達は一転して追い込まれてしまいピンチになるが、何故か余裕の表情を崩さなかった。
窮地の中サニー達は手から光を発すると強力なエネルギー波を叩き込んだ。

院長達は次第に劣勢になり、追い込まれてゆく。

そして、サニー達が発したエネルギー波が一つになると巨大化して院長達を飲み込んだ。

ドドオオオオオオオオオン

院長達を飲み込んだエネルギー波は凄まじい威力で爆発を起こすと院長達と共に消滅した。

その後、職員のいなくなった孤児院には善意ある院長が引き継ぎ、孤児院は平穏になったそうだ。

一方とある家では母子が父親の帰りを待っていた。娘の名はスカーレット、ルージュの姪っ子だ。
いつもなら楽しみに待ってるが、スカーレットは神妙な面持ちだった。

「アイドルになるのパパ許してくれるかな・・・」
「分からないけど私は応援してるよ。」

母ジュエリーは娘の夢を後押ししていた。

夕方になり、父ジョーが帰ってくるとスカーレットは思い切って打ち明けた。

「私アイドルになりたいから音楽事務所に通いたいの。」

一瞬驚くジョーだが、彼は思い口を開いた。

「お前本気で言ってるのか?アイドルなんてただステージで歌えばいいもんじゃないんだぞ。握手会ではどんな人がいるかわからないしたとえ変な輩に殺されたとしてもやりたいのか?とにかく俺はダメだ。」

ジョーは娘の願望に反発した。

「もちろんそれは承知の上よ。なのにそれでもダメなんて・・・パパなんか大嫌い!」
スカーレットは家を出て行った。

その頃ルージュは夕食を作っていた。

「あーちょっと作りすぎちゃったなあ。」
どうやら多く作りすぎたようだ。

ピンポーン

呼び鈴が鳴り、出るとそこにはスカーレットがいた。
「どうしたの?」
ルージュは彼女を家に入れると事情を聴いた。

「そういうことなのね。兄も頑固なところはあるけど娘のことを思ってのことなのよ。大変かもしれないけど私は応援してるよ。」
ルージュはスカーレットを宥めつつも後押しした。

「そうだ、夕食作りすぎちゃったし食べてく?パパとママに連絡しとくで。」
ルージュに誘われたスカーレットは一緒に夕食を食べた。

食後になると親が様子を見に来ていてスカーレットを連れ戻しに来たのだが、彼女は帰るのを拒んだ。親はそんな娘を説得するのだが、無理に帰しても逆効果と考えたルージュは彼女を一泊させることにした。

翌朝、朝食を終えて少し経つと親が迎えに来た。するとジョーはスカーレットにこう言った。

「ひとまずオーディションでも受けてみろ。どうしてもダメなら諦めるんだ。」
ジョーはスカーレットの夢を半分許したのだった。しかしジュエリーはあることを思い出した。

「そういや今日は私も用があって出かけるんだった。新しくできた音楽事務所はおばさんとサニーに連れてってもらえる?」

ルージュはサニーを呼ぶと3人で事務所に向かった。

「それでは時間が来ましたらお迎えください。」
スカーレットを預けた二人は事務所を出た。

それからしばらくしてサニー達はマイケルの家でくつろいでいると呼び鈴がなった。
マイケルが出るとそこには血相を変えたスカーレットがいたのだった。

スカーレットは事務所での出来事をサニーに打ち明けた。
「レッスンが始まって何やるのだろうと思ったら制服みたいなのに着替えさせられてそれから下着が見える角度で撮られたり肌を触られたりしたの。」
話を聞いたサニーとルージュはスカーレットをマイケル・フローラ夫妻に託すと事務所に向かって走り出した。しかしそんな二人の前に二人の男女が立ちはだかった。

「スカーレットを探しに来た。」
「どこにいるの?」
二人は事務所の従業員だが、サニーとルージュは怒り心頭だ。
「話は全て聞いたわ!」
「あの子がどんな想いで逃げてきたかわかってんの!?」

「中の様子見させてもらうわよ!!」
サニーとルージュは事務所に乗り込んだ。

事務所に入り、レッスン場となってる部屋に入るとそこには想像を絶する光景が広がっていた。

そこには未成年の少女達が女子学生の制服のような衣装を着て下着が見えるアングルで写真を撮られており、その中には10歳未満の少女までいた。しかもカメラマンや職員の男達が少女に強引なスキンシップを図ったりキスを迫ったりスカートの中に手を入れて下着に素手で触れたりという有様であった。

二人はカメラマンや職員を殴り飛ばすと少女達を外へ避難させた。職員の男達とカメラマンは一斉にサニーとルージュに襲いかかるが、返り討ちにあい一瞬で倒された。
男達を倒し、ほっとする二人だが、そんな彼女達の前に社長と名乗る男が現れた。二人は男の姿を見て驚いた。
「格闘試合の時のマース・コミー?」
「お前らはあの時の・・・」
社長と名乗る男はマース・コミーだった。コミーは目的を口にしたのだった。
「この前の試合で負けたからその腹いせに会社作ってAV撮って売りさばいてんだよ。そのついでに嫌がらせもして彼女達の嫌がり様を楽しんでんだ。ま、用済みになったら殺処分でもしとこうかなって思ってたとこだ!フハハハハハ・・・ぐはぁっ!!」
コミーは二人に殴り飛ばされた。

その後も二人は攻撃を仕掛けようとするが、コミーはパワーアップしており、試合の時以上に素早い観察力に押されてしまう。

そして

「纏めて死ねえええええええええっ!!!」
コミーは二人をエレベーターに向けて蹴り飛ばした。二人はエレベーターの箱の中に飛ばされるが、外の方が戦いやすいと考えたのか1階のボタンを押した。
エレベーターは1階に向けて下降するが、二人に逃げられたコミーは階段で先回りをして待ち構えた。二人を乗せたエレベーターが1階に到着して扉が開くとコミーはエネルギー弾で奇襲をかけるもエネルギー波で返り討ちにされ、外へ吹き飛ばされた。

二人はコミーを追って外に出ると再び戦いが始まった。
二人は気功波で攻撃をするが、コミーはほとんどダメージを受けずニヤつくと光線で二人を串刺しにした。
串刺しにされた二人は全身から血を流してその場に倒れた。

「終わりだ。」
コミーが二人に止めを刺そうとした時だった。

ドガッ

コミーは紺色のセーラー服を着た猫耳少女に阻まれた。二人はその姿を見てすぐに思い出した。
「ドレッシー?」
「そうよ。元彼に復讐しに来たの。」
元彼という言葉に驚く二人にドレッシーは事の経緯を説明した。

「こいつは私のいいところを全く見ずに悪いところばかり見てダメ出しばっかするから嫌気がさして別れたの。そしたらこのざまになってたからこれ以上悪くなる前に息の根を止めに来たってことなのよ。」
ドレッシーが加わり、再び戦いが始まった。

「ふんっ、一人増えたぐらいで勝てるわけないだろ!」
コミーはいきがるが、3人の連携攻撃で少しずつ追い詰めてゆく。追い込まれたコミーは分身体を作り出し、サニー達を囲った。それでもめげずに囲んできたコミーを一斉攻撃してダメージを負わせた。

コミーがダメージを受けた隙にドレッシーは光の玉を投げつけた。玉は細い棒に変化してコミーを拘束する。

「今よ!」
ドレッシーの合図で二人は揃ってエネルギー波を放ち、コミーに直撃した。コミーはその場に倒れ、そのまま動かなくなった。

戦いが終わってから少しして3人は街を歩いていた。
「そういや語尾に"ニャ"がつかなくなったね。」
「あれは試合の時のキャラ作りだったの。普通に出るのもつまらなかったからひとひねり加えてみたかったのよ。」
どうやらドレッシーのキャラはキャラ作りの一環だったようだ。

その頃スカーレットは今回の一件からかアイドルは諦め、別の道を模索していたようだ。

一方、とある場所で鬼達は人間に拷問を仕掛けていた。

「ギャアアアアアアアアアアッ!!!」
人間は拷問に苦しみ青ざめるが、鬼は容赦なく拷問を続けた。

そして

ザッ

ブッシャアアアアアアアアアッ

人間は鬼に切り刻まれてバラバラになった。そう、ここは地獄。生前に悪行を働いた人間が死後に行き着く世界だ。

この日も地獄では鬼が悪人達に拷問を仕掛けていた。ところがある者にだけは手こずっていた。

「くたばれ鬼!!」
赤髪と青髪の二人の青年が鬼に攻撃を仕掛けた。彼らはレッドとブルー、かつてサニーに倒された兄弟だ。
鬼は二人に拷問を仕掛けようとするが、逆に反撃されてしまう。二人は次々と鬼に猛攻を仕掛け倒し続けた。この状況に閻魔大王は頭を抱えるほどだ。

「あいつらが来てからロクなことがない。目一杯懲らしめてやろうと地獄送りにしたのに・・・どうすればいいんだ?」

二人はそんな閻魔大王を尻目にあることを思いついた。
「地獄の人間達を率いて現世を侵略しよう。そして現世を地獄に飲み込んで滅茶苦茶にしてやるんだ。」
二人は地獄の人間達を率いて動き出した。

その頃現世ではサニー達が公園でバカンスを楽しんでいた。大規模で開放的な公園は住民の憩いの場で賑わっていた。
「あーホント気持ちいいね。」
雲一つない青空の下はなんとも心地がいい。しかしそれも長くは続かなかった。

しばらくすると空が暗くなり、異様な雰囲気に包まれる。その直後に突然異変が起きたのだった。

「何?空間が裂けてる?」
サニー達が驚いた瞬間空間に穴が開くとそこからレッドとブルーが大量の人々を率いて現れた。突然の異変に客はパニックになり逃げ出した。

二人はサニー達を前にこう宣言した。

「復讐の時は来た。さあ、サニーを倒せ!!」

地獄から現れた大群がサニー達に襲いかかる。その中にはかつてサニーに倒された者も多くいた。
サニー達は大群を次々と倒し、敵は次々と消滅した。

次々と敵を撃破していくサニー達だが、数が多くキリがない。
そこでサニー達は一斉に気功波を放ち一掃した。

敵はレッドとブルーを除いていなくなったが、背後から残党が襲いかかってきた。サニーはすぐに察知し、残党を倒す。
しかしサニーの背後にも残党が迫りルージュは倒すが、またしても現れる残党をマイケル・フローラ夫妻は倒した。

「これじゃキリがないわ。」
ルージュは焦りを見せる。

「みんなで全方向を見て襲いかかってきたら攻撃しよう。」
サニーは提案した。

すると敵は全方向から次々と現れた。サニー達は一斉に気功波を放ち、今度こそ敵を一掃した。

「くそっ、全滅かよっ!」
レッドとブルーは戦闘員を倒されて焦るが、サニー達に狙いを定めると手から光の玉を発した。
「死ねええええええええええっ!!!!!」
二人はそう叫びながら光の玉を投げつけた。しかしそれはサニーが放ったエネルギー波で打ち消された。

「簡単には死なないよ。戦いの後もパワーアップしていないと思って舐めてかかると痛い目見るわよ。」
サニーはそう言いながらブルーを捕まえるとレッドに向けて投げつけた。

攻撃を受けた二人は以前の同様一回り大きくなって筋肉質になり強化した。

「今度こそ殺してやる!」
二人はそう言うと拳のラッシュを浴びせた。

サニー達は必死で攻撃を避けると一斉にエネルギー弾を浴びせた。攻撃で怯んだ隙に更に畳み掛けるようにサニーはレッドを捕まえて頭上で振り回すとブルーを目掛けて投げつけた。

「なんて強さだ。ここまでパワーアップしてたとは。」
「だから言ったでしょ。舐めてかかると痛い目見るって。」
「だが残念だったな。この地獄の入口は時間とともに広がって行き、最終的には地獄に飲み込まれるんだよ。」
二人の言葉にサニー達は驚いた。そんなサニー達に二人は更に続けた。

「再生怪人だからって簡単にやられると思ったら大間違いだ。俺達だって地獄でめいっぱい鍛えてきたからな。」
そう言うと二人は強力な破壊光線を放った。サニー達はエネルギー波で押し返そうとするが、凄まじい威力に押されてしまう。

そして

「終わりだ!!」

エネルギー波は破壊光線に押されてしまい、サニー達は攻撃を食らって倒れてしまった。

それでも立ち上がっては反撃を続けるが、二人はほとんどダメージを受けていなかった。
「しぶとい奴め!」
二人が攻撃をしようとした時だった。

「だああああああっ!!!」
突如謎の光を食らって阻まれた。

「フェリーチェ。」
そこに現れたのはステッキのようなものを持ったフェリーチェ・プリンセス・アースだった。

「危ないから下がってください。」
サニーはフェリーチェに下がるよう求めた。

「しかし地球が危機にさらされてるのに黙ってそれを見てるなんてそんな真似はできません!それに今わたくしが使っている秘伝の武器なら相手の攻撃を封じることができます。さあどうかわたくしが攻撃を防いでる間に倒せる方法を編み出してください。」
フェリーチェの提案にサニー達は修行部屋で強化することを提案した。

修行部屋で戦うサニー達。
(もっと力をつけないと奴らを倒せない。)
そう考えながら修行に打ち込んだ。

一方フェリーチェはなんとか攻撃を防いでいた。
(サニーならきっと勝てるってわたくしは信じる。)
フェリーチェはそう考えていた。

修行部屋でサニー達はひたすら戦い、パワーアップを目指していた。
強敵との戦いでどうすれば戦いやすくなるのか、そのためにはどんなふうに戦えばいいのかひたすら考えた。

きっと修行の過程で新たな力が手に入るはずだ。己にそう言い聞かせるサニー達。
しかし同時にフェリーチェのことも気がかりだった。
(よからぬことにならないで。)
一瞬ふと考えた。

「後ろだ!」
「ボーっとしないで!」
マイケルとフローラに言われて気がつき、敵を撃破した。その後もひたすら強敵との戦いを繰り返していった。

その頃フェリーチェは二人の猛攻を防ぎ続けてきた。
しかし攻撃に耐えきれなくなってきたのか次第にバリアが弱まってきていた。

フェリーチェは必死で持ちこたえようとしたが、限界が近づく。

そして

パリーン

「!?」
遂にバリアが破られてしまった。
「嘘でしょ?バリアを壊されるなんて・・・」
なんとバリアが破られたのはこれが初めてらしくフェリーチェは戦いてしまった。
二人の魔の手が迫った時だった。

ドゴォッ

「てめえはサニー?」
「そうよ。修行して戻ってきたわ!」
修行を終えて戻ってきたサニー達によって攻撃は阻まれた。

「ありがとうございました。さぁ、王女様は戻ってください。」
フェリーチェはサニーに言われると王室に戻った。

「今度こそ必ず倒してやる!!」
サニー達はそう宣言した。

宣戦布告を受けたレッドとブルーは攻撃を仕掛けるが、サニー達に阻まれた。

「くそっ、これならどうだ!」
二人は衝撃波を放った。

しかしそれもかき消され、サニー達は強烈なパンチやキックをお見舞いした。
パワーアップした攻撃で二人は後ろに吹き飛ばされた。

「なんて威力だ。これが修行の成果なのか・・・」
二人は驚きを隠せなかった。

更にサニーはレッドを上空に殴り飛ばすと自らも高く飛び上がり、強烈なパンチを叩き込んだ。
レッドは勢いよく落下し、ブルーを巻き込むとその場にクレーターができた。そこに畳み掛けるように激しいパンチを繰り返した。

しかしそれでも二人は這い上がるとお返しとばかりにエネルギー弾を撃ちまくるが、サニーの気功波に押し返される。
その間にブルーが背後に回り、不意打ちを狙うもルージュに阻まれた。

すると二人が凄まじい昂ぶりを見せると地面が揺れだした。その間に地獄への裂け目が急激に広がってゆき、二人の手からエネルギー波が放たれようとしていた。

「宇宙もろとも塵となれええええええええっ!!!!!!」
二人は強力なエネルギー波を放った。

絶体絶命のピンチに陥るサニー達。しかし策はあった。

「修行で会得したあの技を使おう。」
サニーの提案で向き合い一斉に手を上げると一つの光の玉が出た。

サニー達は息を合わせると光の玉から気功波が放たれた。気功波とエネルギー波の撃ち合いとなり、一進一退の攻防が繰り広げられた。
双方とも踏ん張って威力を底上げし、互いに譲らない接戦。しかしサニー達は諦めずに極限まで踏ん張り続けた。

すると限界まで威力を底上げした気功波はエネルギー波を押し返すと二人を地獄へと押し込んだ。
地獄に戻った二人は気功波の爆発に飲み込まれて消えた。すると地獄への穴も塞がれていったのだった。

それから程なくして公園は復旧し、サニー達は世界を救った英雄として王室の宴に招かれたそうだ。

平穏な日常が戻る中、サニーの元に現れた青年は仇討を依頼していた。

「施設に入った弟が殺されたんだ。頼む、弟の仇を討ってくれ!」
依頼主は生まれつき重い障害を持つ弟を施設に入居させたが、何者かによって惨殺されてしまったという。そこでサニーはその施設に新入職員として潜入し、内部を探った。

その後、サニーとスタッフは施設長であるヒドーラにとある部屋に案内されるが、部屋は返り血に染まっていたりと異様な雰囲気だった。
そしてヒドーラは別の部屋から利用者を連れてくると刀を振りかざして殺そうとした。それに気づいたサニーはすぐさまヒドーラを突き飛ばして殺害を阻止した。

「やっぱりあなたの仕業だったのね。」
サニーの言葉に驚く一同。更にサニーはまた別の扉に気づき、中を見るとそこには利用者と思しき惨殺体が多数隠されていた。その中にはバラバラに切断された者もいたほか依頼主の弟も遺棄されていた。

「裏で罪のない利用者を殺すなんて最低ね!」
サニーは問い詰めるが、ヒドーラはこう返した。

「罪もない?そんな訳無いだろ!俺は生きてても意味ないクズを殺して良い世界を作ってやってんだよ!大体ここのゴミなんて何の役にも立たねえしそんなもの生かして何になるってんだ!!俺はこの世からゴミクズを撲滅するために施設と見せかけた処刑場を作ったんだよ!!」

ヒドーラの非道な動機にサニーは掴みかかった。
「そんなの全て間違ってるわ!社会で生きることに障害なんて関係ないでしょ?それに自分が障害者になってもそう言えるの?」

「黙れ!!欠陥のある不良品は世の中には必要ない!ならてめえも障害者にしてやろうか?そうしたらてめえも俺が殺してやるよ!?」
ヒドーラはそう言いながら刀で利用者を刺そうとするが、サニーに阻まれた。サニーは利用者を別の部屋へ逃すとマシンガンを放った。

しかしヒドーラは全くダメージを受けてなかった。それどころかかなり満足気な表情をしており、部下にサニーを殺すよう指示した。
スタッフは一斉にサニーに襲いかかるが、全て返り討ちにした。すると追い詰められたヒドーラは叫び声をあげながらサニーをひたすら殴り続けた。

「死ね死ねみーんな死ね!」
ヒドーラはサニーを甚振った。しかし隙を突いて反撃に出たサニーはヒドーラを床に叩きつけると至近距離からマシンガンを撃ち続けた。

そして

気功波を放ちトドメを刺すが、それでも倒れなかった。
「嘘でしょ?」
サニーは驚く。そんな彼女を尻目にこう言った。

「この怒りや憎しみが俺を強くする。」
ヒドーラはそう言うと部屋を飛び出した。サニーが追った先の部屋でヒドーラは利用者に襲いかかっていた。
利用者は次々と切りつけられ、部屋は血まみれになっていた。

サニーはヒドーラを止めようとするが、圧倒的な力で跳ね除けられてしまう。そんなサニーを他所にサニーでさえ止められないほど変わり果てて暴走形態となったヒドーラは刀で利用者をメッタ刺しにし続けた。しかしそれでもサニーはなんとか凶行を阻みヒドーラを廊下まで殴り飛ばした。

殴り飛ばされたヒドーラは窓ガラスを突き破って玄関前まで飛ばされるが、追いついたサニーは畳み掛けるようにエネルギー波で攻撃し続けた。

限界を超えた猛攻で追い込むが、それでも倒れなかったヒドーラは起き上がるとサニーに斬りかかった。激しい猛攻で体力を消耗したサニーは為すすべもなく倒れてしまう。それを見たヒドーラは懐から出したスイッチを押した。

そして

ドドオオオオオオオオオオオオオオオオン

ヒドーラがスイッチを押した瞬間建物は大爆発を起こして崩落した。
「これで全部殺せたな。」
ヒドーラの非情な言動にサニーは怒りに震えた。するとサニーの拳が黄色に光りだし、威力が高まってゆく。

黄色に光った拳はヒドーラを圧倒し、一気に追い詰めた。ヒドーラも負けじと反撃に出て血が飛び交う激しい戦いが繰り広げられた。激戦の末サニーは手から黄色い光の刃を飛ばすとヒドーラの両腕を切り落とした。

両腕を失ったヒドーラは攻撃手段を失ってしまうが、まだ諦めてはいなかった。

「手がダメなら足だああああああああああっ!!!」
今度は足で攻撃を仕掛けるヒドーラ。それを阻むサニー。

「これで障害者の気持ちがわかったでしょ。」
「そんなの知るか!大人しく殺されてりゃいいものを!!」
それでもヒドーラは最後の悪あがきとばかりに足で攻撃をするが、サニーはヒドーラの足を掴むとハンマー投げのごとく回転しながら投げ飛ばし、黄色い刃で追い打ちをかけた。攻撃はヒドーラに命中し、体はバラバラに切り裂かれた。

こうしてヒドーラは倒されたが、斬られたハンデがたたってサニーはその場に倒れてしまった。

しばらくして気がつくと病院の一室にいた。病室にはルージュ・フローラ・マイケルが駆けつけていてサニーはほっとしたのであった。

3人が病室を出るとサニーは窓の外を見てこう言った。
「完治したらまた活動するからみんなそれまで頼んだわよ。」

そんな中サニーはトイレから病室に戻ろうとすると隣の部屋から異変を感じた。意を決して中に入ると患者の老婆がもがき苦しみながらナースコールを押そうとしていた。
サニーが代わりにナースコールを押したことで老婆は命を救われた。

「あんたが助けてくれたのかい。あの時ナースコールを押そうとしてもうまく押せれんくてもうだめだと思ったでね、おかげで助かったよ。」
老婆はサニーに礼を述べるとさらに続けた。

「わしゃ一人っ子で親亡き後は家族がおらんから一人暮らししとったんだがね、年取ってもまだ普通に暮らせとったんじゃ。けど少し前に病気にかかってから今の所で入院してからは家は親戚が管理しとる。わしゃもう長くはないかもしれんが生きれる限りは生き続けるよ。」
老婆は独身のまま年を取り、病気にかかって入院してることを明かした。

「サニーさんそろそろお戻りください。」
医者から自室に戻るよう求められたサニーは病室を後にした。

その後もトイレに行くときに老婆と会うことはあった。しかし翌日老婆の病室が異様な雰囲気であることに気づいたサニーは中を見ると医師からこう告げられた。

「残念ですが、先ほど容体が悪化して亡くなられました。」
老婆の訃報を聞いたサニーはなんと言っていいかわからなかった。その後、老婆の葬式は親戚によって営まれ、空き家となった自宅は解体されたそうだ。

そして数日後、サニーは念願の日を迎えていた。
そう、この日は退院日。サニーの回復は早く、病院の予想を超える速さで退院したのだった。それから暫くしたある日、街を歩く一人の青年は他殺体を見てしまった。いてもたってもいられず警察に通報しようとするが、背後から不気味な影が迫る。

そして

ドンッ!

彼は何者かに撃たれ、その場に倒れた。更にとどめとばかりに全身を刃物で刺されたのであった。

後日、女子二人組が歩いていると全身血まみれの惨殺体に遭遇した。二人は震えながら抱き合うと謎の影が迫る。しかし彼女達もまた謎の人物によって殺害されると今度は火で焼かれたのであった。
その様子を一人の子供は偶然目撃し、何が起きてるのか混乱するが、彼もまた殺害されてしまった。

遺体を目撃した人物が次々と惨殺され、街では警戒例が敷かれた。いつしか犯人はキル・マーダーと呼ばれ、早期収束に向けてサニー達は周囲の調査に出た。

怪しいものがないか調べていると早速サニーは一人の遺体を発見する。するとやはりあの影が迫る。その影の人物はサニー達を殺害しようとするが、すぐに返り討ちされた。
「捕まえたわよ、キル・マーダー!」
サニーは犯人に問うが、犯人は意外な言葉を口にした。

「殺したのは俺だ。けど俺はボスの命令でやってるだけだ。つまりキル・マーダーは俺ではなくボスのことだ。」
サニーはキルを呼ばせようとするが犯人はそれを拒んだ。そんな時だった。

「何やってんだてめえは!俺のことバラしやがって!」
突如現れた一人の男が犯人に発砲した。犯人はその場で射殺されたのであった。

「さっきの奴から聞いたわ。人を殺人の道具に利用していたのね?キル・マーダー!」
サニーは強い口調で言うとキルは全てを明かした。

「ああそうだよ。俺は殺すのが好きで最初はそこらの小動物で練習してそこから殺しの技術を身に着けた。人を殺すと気持ちよくて仕方ないんだよ。」
あまりに身勝手な動機に心底呆れるサニー達。

「いいか?殺しは美学なんだよ。誰だろうと関係なく無差別にそして残虐に殺すことが至高だ!」
キルの思想にサニーは真っ向から反論した。

「あんた命を粗末にして何とも思わないの?それにあんたに殺された被害者がどれほど苦しみながら死んだのか考えたことあるの?しかも人に殺させるなんて最低ね!!」
「俺は自分の手をこれ以上汚したくないからやらせてるだけだ!おかげで好きなことできるしたとえ警察が来てもやった奴だけ捕まればいい話だからな。さ、ゲームの続きだ。次はてめえらの番だな!!」
キルはそう言うとサニー達に襲い掛かった。サニー達は一斉に攻撃を仕掛けるが、キルは軽々とあしらうと強烈な一撃をお見舞いした。
キルの攻撃に蹲るサニー達。しかしすぐに立ち上がるとすぐに反撃を開始した。

サニー達4人の連携攻撃はキルを翻弄し、次第に追い詰めてゆく。そしてサニーがとどめの一撃を仕掛けようとした時だった。

「まさか全ての力を開放する時が来ようとはな。」
キルはそう言うと闇のオーラを放ち、巨大な怪物へと変貌した。

今まで見たことない姿に驚くサニー達を尻目に怪物化したキルは暴れだすと次々と街を破壊しだした。それでもサニー達は一斉に攻撃を仕掛けるが、殆どダメージを受けていなかった。
キルはサニー達に目をやると口から強力な破壊光線を放った。このままでは町を破壊し尽されてしまう。サニー達は一斉に気功波で押し返すと互角にぶつかり合った。

シーソーゲームの末サニー達の踏ん張りもあって見事に破壊光線を押し返した。攻撃がキルに直撃すると元の姿に戻った。

これで事件は終息した。そう感じた瞬間だが、諦めの悪いキルはサニー達を殺害しようと迫るがサニーにとどめを刺され今度こそ事件は終息したのであった。

一仕事終えたサニー達は銭湯に来ていた。風呂では近隣住民と交流を楽しんだりするなどして疲れをとっていた。
「一仕事した後の風呂は最高ね。」
サニー達は公衆浴場を満喫していた。

そして脱衣所に戻り服を着るとコーヒー牛乳を飲んだりマッサージ椅子でくつろいだりして家路についていった。

一方休日のこの日公園では他の公園同様家族連れでにぎわっていた。いつもと変わらない光景だ。

しかしこの公園を惨劇が襲うのだった。

公園で一人の男が突然マシンガンを放った。公園内はたちまちパニックに陥り次々と射殺されてしまう。更に爆弾を投げつけ爆発させると男は満足そうな表情を浮かべながらその場から立ち去った。

公園で発生した銃乱射事件を受けサニーは周囲を調査していると一組の親子が現れた。
「俺達がほんの一瞬目を離さなければこんなことには・・・」
父母の言葉に目を丸くするサニー。父母は神妙な面持ちであることを打ち明けた。

「あの時いつものように公園にいてほんの一瞬目を離した瞬間に息子が犯人とぶつかってしまって息子は必死に頭を下げたのですが、息子はひどく蹴り飛ばされて私達が抗議したら一緒に殴られたり蹴られたりしてそのあとこんなことになってしまったの。」
母がそう言った時だった。

「俺をコケにしておきながら女に庇ってもらうなんて随分情けねえ家族だな。まあいい、俺の嫌いなガキもまとめて殺してやるからよお。」
一人の男が手をバキボキ鳴らしながら現れた。

「あいつです。あの男が息子を・・・」
父がそう言いかけた時だった。

「何チクってんだこの野郎!!」
男は父母を殴り飛ばした。男は子供にも手をかけようとしたのでサニーは子供を庇うが、男は銃を取り出した。

そして

ドォン

男はサニーに向けて銃を撃った。サニーは銃弾に倒れてしまう。気が付いた父母は倒れてるサニーに気づき呼びかけるが、反応がない。
銃殺されてしまったのか?そんなことが頭によぎると撃たれたにもかかわらず血が出ていないことに気づく。サニーは射殺されたのではなく麻酔で眠らされてるのだった。

「チッ、バレたか。けど残念だったな。この麻酔は永久に効果があるから何をしても無駄だ無駄!いくらその女に助けを求めようが無駄なんだよーっ!!!」
男は父母を殴る蹴る等して激しく甚振った。父母が倒れると男は子供にも激しく地面に叩きつけるなどして動けなくなるとマシンガンでとどめを刺した。それでも飽き足らない男は仕上げとばかりに爆弾を投げつけ、遺体を爆破させたのだった。

「さーて次はどこ狙おうかな?」
男がそう言って立ち去ろうとした時だった。

「!?」
男は突然腕をつかまれた。振り返るとそこには怒りに満ちたサニーが立っていた。
「捕まえたわよ!」
サニーが目を覚ましてることに驚く男。

「さっきの爆発で目が覚めたわ。周りに飛び散った血の跡は何?」
低い声で静かに問いかけるサニー。男の腕を掴む力を強めると勢いよく投げ飛ばした。

「てめえ女の癖にやるつもりか?」
男は反撃をしようとした。

しかし反撃する間もなくサニーは容赦なく攻撃を続けた。
「相手が悪かったのよ!もう観念しなさい!!」
サニーはそう言いながらマシンガンを撃ち続けた。負けじと男もマシンガンを撃ち続け、激しい銃撃戦が繰り広げられた。

「今度こそ永久に眠らせてやる!!」
男はそう言いながらサニーに接近した。必死で攻撃を続けるサニーだが、弾切れを起こしてしまい窮地に陥ってしまった。

サニーに攻撃が迫る中男は勝利を確信した。するとサニーの手が黄色く光り、銃弾を遮断した。予想外の事態に驚く男。

そして、サニーの手から黄色い光線が放たれると男に命中した。男はその場に倒れ、戦闘不能になった。

その後、サニーは黄色い光についてマイケルに話すと激しい怒りを露わにしたことでこの能力が発動したと明かしていたという。

一方、とある惑星に4人の男がいた。男達は地球を見るなり表情が険しくなった。
「見てろよ地球。」
4人は地球に強い憎悪を見せた。

長年険悪だった惑星ホットと地球は格闘試合で友好的な関係になった。これで地球とホットの対立も収まり平穏になったが、まだ強い憎悪を抱く者がいた。
「東方哀嵐怒」という名の超能力者4人組は反地教育で育てられたことからか地球に強い嫌悪感を抱いており、目障りに感じていた。

そんな中リーダーである赤髪のサイコが口を開いた。
「今から俺達で地球潰さない?」
彼の提案に青髪のパス・金髪のゲード・銀髪のヒードはすぐさま賛成すると4人は地球に向かって何かをし始めた。

一方サニーはいつものように悪党を成敗したりして町の平和を守っていた。その姿はまさにヒーローそのものだった。
そんな中町を歩いていると突然車が次々と暴走しだした。車は次々と建物や壁に激突し、周囲は地獄絵図と化した。
唖然とするサニーだが、悪夢はこれだけでは終わらなかった。

車だけでなくバスやタクシーまでもがコントロールを失い暴走していた。さらに床屋の看板も回転が見えなくなるほど激しく回転していたのだった。もはや何が何だかわからないサニー。そんなサニーの前にルージュが現れた。

「大変よサニー。デパートで買い物してたらエスカレーターが暴走して振り落とされるかと思ったの。」
これは只事ではないと感じたサニーはルージュと共にマイケルのところへ向かった。

サニーとルージュはマイケルとフローラにさっきのことを話すとマイケルもグループ企業が保有する機械もほとんどが暴走していたという。マイケルとフローラが聞いた話ではビル内ではエレベーターが天井と最下層の間を暴走していたり、山ではリフトが暴走して客が次々と振り落とされていたり、遊園地では乗り物が暴走してるだけでなく暴風が吹き荒れて観覧車の箱が大車輪のようになっていたりと凄まじいことになっていたようで中には出火したり爆発するなどしたケースもあって多くの死傷者が出たらしいという。

そんな中サニー達の前に宇宙船が降り立つと中から出てきたのはホットの王だった。
「わが星の者が原因を引き起こしておるんだ。」
ホットはそう言うとサニー達を宇宙船に乗せ、惑星ホットへ飛び立った。

ホットに降り立ったサニー達は王とともに街を歩いた。特に異変もなく怪しい人物もいなかった。しかししばらくすると悪夢の始まりを迎えるのだった。

何事もなく歩いていると突然サニー達4人は身動きが取れなくなった。すると

ドゴォッ

突然4人はその場に倒れこんでしまった。すると王は何かを察知すると何もないところに手をかざした。王が念じると怪しい4人組が姿を現した。
「もう逃がさんぞ東方哀嵐怒!」
突然現れた4人組に驚くサニー達に王はこう言った。
「奴らは(東方哀嵐怒)と呼ばれておる赤のサイコ・青のパス・金のゲード・銀のヒードからなる超能力者のグループで地球の異常もさっきの金縛りも全てこいつらの仕業だ。地球との関係が良くなってからも執拗に地球を憎んでおって一人の男を地球に送り込んで殺人ゲームと称して無差別殺人をやらせていたほどだ。こいつらの悪党っぷりは俺の手にもおえんほどだ。」
王の言葉にサニーはキル・マーダーのことが頭によぎった。しかしそんなサニーを尻目にサイコらはサニー達に襲い掛かった。

サニー達は一斉に攻撃を仕掛けるが、金縛りで動きを封じられてしまう。するとその隙に4人は王に奇襲を仕掛けたのだった。

サニー達が動けない中王に攻撃をする4人。
「地球なんかといい感じになりやがって!!」
倒れた王に4人は容赦なく怒鳴りつけた。サニー達は4人を止めようとするが、金縛りで身動きできずどうすることもできない。

そんな中サイコが言った。
「貴様らにいいもん見せてやる。」
サイコが手をかざすとスクリーンが映し出された。そこに映ってる光景は想像を絶するものだった。

「嘘でしょ?」
サニーはその風景を見て言葉を失った。

天井に衝突しては最下層まで落下するエレベーターの中で倒れたまま動かない人々・コントロールを失い暴走するリフトから遠心力で吹き飛ばされる観光客・暴走する遊園地の乗り物に暴風で大車輪化する観覧車・突然全身から血を吹き出しながら倒れる人々・しかもこれらの中には爆発したり崩壊したものもあり、より凄惨なものだった。

「これが今全部地球で起きてる現象だ。ここに映ってる地球人どもが無残にくたばってくのをそこでおとなしく眺めてるんだな。」
サイコは笑いながら言った。

あまりの残虐非道に怒りに火が付いたサニーは必死に動こうとするが、金縛りで動けない・・・かと思われたらなんと金縛りから脱出したのだった。驚くサイコらを尻目に後の3人も続いて脱出をすると一斉に攻撃を始めた。

一斉に攻撃を仕掛けるサニー達だが、見えないバリアに阻まれ攻撃ができない。バリアを破壊しようと奮闘するが、なかなか壊れなかった。

「先手はもらった!!」
パスがそう言うとエネルギー弾を撃った。サニー達はそれを気功波でかき消すとバリアにひびが入り崩れ落ちた。

その隙を狙って反撃を仕掛けるが、再び金縛りに阻まれてしまう。サイコらは動けないサニー達をひたすら甚振った。
「今度の金縛りは一段階強化した!俺らと戦おうなんて無理なんだよ!」
サニー達は必至で耐えた。

容赦ない攻撃が続く中サニーは地球のことが気がかりだった。
(ここで倒れたら地球が終わっちゃう。何とか反撃しないと・・・でも動けない・・・そうだ!)
サニーはふと考えると手をサイコらに向けてかざした。

「何の真似だ?最期の悪あがきか?」
サイコらが嘲笑う中サニーは気功波を放った。3人もサニーに続いて気功波で攻撃をしたが、またもバリアで防がれてしまう。
「いくら攻撃しようが所詮無駄だということが全然わかってないようだな。」
「そんなわけない!お前らを倒す方法は必ずあるわ!!」
「それで勝てるつもりか?口だけの粋がりもいい加減にしろ!貴様らは今ここで俺達に殺され朽ち果てるのだ!!宇宙の塵にでもなれえええええええ!!!」

サイコらがそう言うとサニー達は全身から血を吹きながら倒れた。

「もう終わりか?たっる!」
倒れて動かないサニー達にサイコは言った。

「消えろ。」
後片付けとばかりにとどめを刺そうとした時だった。

「!?」
サイコらの攻撃は突然阻まれた。気配を感じた方を振り返るとそこには倒れていた王が立ち上がっていたのだ。王は立ち上がると血を流して倒れているサニー達に気づくとその場で何かを施した。

するとサニー達の体の傷が一瞬で塞がると目を覚ましたのだった。

「あれ?治ってる・・・」
サニー達は不思議そうに体を見ると王が立ち上がってることに気づく。すると王はサニー達に何かを話した。
「超能力者である奴らには正面からは太刀打ちできない。けど俺にいい方法がある。」

王はそう言うとサイコらに何かを念じた。すると4人の動きが突然止まった。
王がサニー達に合図を送るとサニー達は4人に総攻撃を仕掛けた。サニー達はサイコらを圧倒し、一気に追い込んでゆく。

そしてサイコらは倒れ、戦いは終息した。

「ありがとうございます。王様がいなかったら完全にやられてるところでした。」
王に礼を言うサニー達。しかし王の表情は険しかった。

「どうされたんですか?」
「おかしいな。奴らはもう倒れたはずなのに地球の異常が止まらんぞ。」
王は地球の様子を映し出すと異常が収まるどころかさらに悪化していた。

「まさか・・・」
サニーがそう言った時だった。

「そのまさかだよ。」
声がした方を振り返るとそこには再び立ち上がるサイコらがいた。

凄まじいオーラを放ちながらサニー達の前に立ちはだかるサイコら4人。
「地球もろとも木端微塵にしてやる!!」
サイコらはそう叫ぶと巨大な怪物へと変貌を遂げた。

怪物化したサイコらは凄まじいオーラを放ちながら周囲を破壊していった。
サニー達は総攻撃を仕掛けるが全くと言っていいほど歯が立たない。王はサイコらの動きを封じようとしたが、それも跳ね除けられてしまった。

「ハハハハハ!何をしようが無駄だ!!」
サイコらは声を揃えて言うと口から破壊光線を放った。サニー達は気功波で押し返そうとするが、逆に押されてしまう。

(何とか持ちこたえないと・・・)
サニーはそう思った。

しかし今回は4人の破壊光線を押さえてるからかキル・マーダーの時よりも遥かに高い威力の攻撃に耐えるのが精一杯だった。

威力を上げ必死に押し返そうとするサニー達。
(奴らを倒さなきゃ地球は終わっちゃう。)
サイコら東方を倒せば地球は平穏が戻る。しかし倒せない場合地球はもっと酷くなり最終的に何も残らなくなってしまうかもしれない。サニーは地球の未来を考えていた。

すると少しずつではあるが破壊光線を押し返していた。しかしサイコらもまた威力を上げていて二つの光線は互角に押し合っていた。
「地球は、絶対に・・・守るんだぁーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
サニーの強い思いが威力を押し上げ、遂に破壊光線を押し返したのだった。

破壊光線を押し返した気候波はサイコらを直撃した。これで倒せただろうか?僅かな望みをかけた。

しかしサイコらは怪物状態のまま立っていた。
「今のは少し痛かったぞ!」
サイコはそう言った。

「これだけやっても倒せないなんて・・・」
呆然とするサニー。サイコらはそんなサニー達目掛けて再び破壊光線を出してきた。

破壊光線を押し返したサニー達は体力を消耗していて攻撃を避けるのが精一杯だった。その後も必死で攻撃を避けるサニー達。破壊光線が直撃した場所には大きなクレーターができていた。

このままではまずいとサニー達は光の玉を生成し投げつけた。

「こんなの痛くも痒くもないわああっ!!」
そう言いながら破壊光線を出し続けるサイコら。さらに畳みかけるようにエネルギー弾を撃ってきた。

エネルギー弾は着弾と同時に爆発し、一面爆発で溢れかえった。
「これでくたばったか。」
サイコは言う。しかし煙が消えるとサニー達が姿を現した。

「これだけやってもなぜ倒れない!?」
サイコらは驚くとサニー達はこう切り返した。

「大切なものを守る信念がある以上倒れるわけにはいかないのよ。」
「地球を守り平和に暮らす。」
「それが俺達の役目なんだ。」
「それにあんたらだって惑星ホットが無くなったら困るでしょ。」

しかしサニー達の言葉に感化されることはなかったようで。
「そんなの知ったことかあああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」
サイコらは怒りを爆発させると凄まじい勢いで破壊光線を放ってきた。

破壊光線の威力は凄まじく周囲をも破壊していた。サニー達は気功波で抵抗するも全くと言っていいほど効いてなかった。そんな中サニーは王に呼び掛けた。

「ここは私達で何とかしますから王様だけでも逃げてください。」
「地球人を見捨てろというのか?俺はあまりに下らない理由で一方的に地球を憎みあんな教育をしてしまったのだ。こんな事態を招いてしまった以上俺は命に代えてでも地球の民を守りたい。そして地球と調和を図り共に良き未来を築きたい。それが王としての役目だ。」
王はそう言うとサイコらの前に立ちはだかった。王の決意にサニー達はどうすることもできなかった。

「東方哀嵐怒よ、もうこんな馬鹿な真似はやめるんだ。こんなことしても永久に苦しむだけだぞ!それでもいいのか?」
王は必死に呼びかけた。

「バーカ!貴様の言いなりなんかになるものか!!」
サイコらは怒鳴りつけるとさっきのエネルギー弾を撃ってきた。王の危機にとっさに前に出るサニー達だが、体力を消耗してる状態で無理をしたためか反撃できる余裕もなかった。
エネルギー弾はサニー達に降り注ぎ、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。サニー達は覚悟を決めたのだった。

エネルギー弾でサニー達を攻撃するサイコら。すると何者かによってエネルギー弾はかき消されたのであった。

「サニーがピンチだと聞いて駆け付けたんだ。」
そこに現れたのは格闘試合の時に対戦した3人とマグネにそっくりな1人の4人だった。

「みんな、来てくれたのね。」
「ところでマグネにそっくりの方は?」

マグネはもう1人を紹介した。
「こいつは弟のシウムだ。」
「あの時は兄が世話になりました。」

「今は俺達に任せろ。その間に体力を回復させるんだ。」
ハバネロはそう言うとマグネ、シウム兄弟、ドレッシーとともにサイコらに立ち向かっていった。

「この裏切り者がああああああっ!!!!!!」
サイコらは一斉に攻撃を仕掛けようとした。しかしドレッシーが俊敏な動きで翻弄するとマグネ、シウム兄弟の突進で一瞬動きが止まるとハバネロが不意打ちを仕掛けたことで少しずつ劣勢になった。
これをチャンスとばかりに火炎放射でとどめを刺した。

「何故だ?何故やられる?」
声を上げるサイコら。そんな彼らにハバネロは言った。

「俺達はこの前の試合の後王様に鍛えてもらったんだ。その鍛えた腕前見せてやる!!」
ハバネロは強風を起こしサイコらがバランスを崩して倒れるのを見込んだ。

すると少しずつではあるがバランスを崩していた。

「今だ!」
ハバネロがそう言うとマグネ、シウム兄弟が突進をした。その衝撃でサイコらは将棋倒しになって倒れた。
そこに畳みかけるようにドレッシーが猛攻を仕掛けた。

ついにサイコらは倒れた。
「やった、やったんだな。」
ハバネロ達は歓喜に沸いた。しかし

「なーんてな!」
サイコらは起き上がるとハバネロ達を投げ飛ばした。

「やられたフリに引っかかるなんてバカみてえ!!」
サイコらは嘲笑うと破壊光線を撃った。

破壊光線がハバネロ達の身に迫る。ハバネロ達は覚悟を決めた。

すると破壊光線は気功波によって消された。ハバネロ達が振り返るとそこにはサニー達が立っていた。

「体力はもう回復したのか?」
ハバネロは言う。

「少し休んだらすっかり回復したよ。よし、一緒に奴らを倒そう。」
サニーはそう言うと8人でサイコらに挑んだ。

「裏切者もまとめて始末してくれるわ!!」
サイコらは声を荒げると一斉に襲い掛かった。

負けじとサニー達も攻撃を開始し、ハバネロがサイコらに向けて強風を起こすとサニーは強風に乗せるように気功波を放った。すると気功波の威力は増していてサイコらを圧倒した。

後の6人も一斉に猛攻を仕掛け優位に進んでいた。しかしサイコらもただやられるだけでは終わらない。

「ふざけんなあああああああああああっ!!!!!!」
サイコらはサニー達を弾き飛ばすと一斉に破壊光線を放った。負けじとサニー達地球人チームも気功波で押し返した。

「またバテてやられに来るとは頭のおかしい奴だ!」
サイコらは言った。

「同じ手に二度もやられると思ったら大間違いよ!」
サニーはそう言うとさらに威力を高めた。

一方ハバネロ達ホット人チームはサイコらに攻撃を加えていた。
(奴らの破壊光線を少しでも弱めれば・・・)
ハバネロはそう考えていた。

すると攻撃に気を取られたのかサイコらは一瞬攻撃が緩んだ。

「今だサニー!」
ハバネロの合図でサニー達は一気に攻撃を押し返した。

さらに畳みかけるようにサニー達はレッド&ブルーと再戦した時のように向き合って一斉に手を上げると一つの光の玉が出た。そしてサニー達は息を合わせると光の玉から気功波を放った。
負けじとサイコらも破壊光線で迎え撃つとハバネロ達も気功波で迎え撃った。するとサニー達とハバネロ達二つのチームの気功波が混ざり合ったことで威力はより高まりを見せると破壊光線を押し返し、攻撃はサイコらに直撃した。

攻撃を食らったサイコらはその場に倒れると元の姿に戻った。そんな彼らの元にサニーは歩み寄った。

「もうこんなことはやめて。」
サイコらに祈願するサニーだが

「誰が止めるか!俺の辞書にその文字はない。」
サイコはそれでも止めなかった。

「これで終わりにしてやる!」
サイコらはそう言うと何かを始めたのだった。

特に変わった様子もないが、王は何かに気付いた。

「地球とホットの距離が縮まってる。」
王が映し出した映像には地球とホットが少しずつ接近している様子が映っていた。

「俺が言ったことが分かったかな?」
サイコはサニー達に問いかける。サニーはサイコらが何を企んでるのかうすうす感づいていた。

「地球とホットをぶつけて終わらせる。つまり道連れなんだよ。」
サイコらは地球とホットをぶつけて道連れにしようと企んでいた。

サニー達は再びサイコらと戦おうとすると彼らは再び怪物化した。怪物化したサイコらは近くのビルを引き抜くとサニー達に向けて振り下ろした。
必死に逃げるサニー達だが、サイコらは容赦なくビルで叩き潰そうとしていた。

攻撃が止むとサニー達は全員で気功波を放った。攻撃はそれなりに効いたように見えた。しかし

「バーカ!同じ攻撃に二度も引っかかるものか!!」
サイコらはサニー達の攻撃を受け流すと今度は素手で叩き潰そうとした。

「こっちだって同じ攻撃に二度もやられないわよ!」
サニーはそう言いながら攻撃をよけると次々と強烈な一撃を叩き込み、一進一退の攻防が続いた。

長引く戦いでサニー達は少しずつ疲労が見え始めた。するとサイコらがほくそ笑むとサニー達は全身から血を吹きながら倒れた。
サイコらは倒れたサニー達に向けて破壊光線を放った。とどめの一撃が迫り、サニー達は覚悟を決めた。

すると破壊光線は突如バリアで防がれた。サニー達の目の前には王が立っていた。
「この者達には指一本触れさせんぞ!!」
王はサイコらの攻撃を必死で防いだ。そんな王を嘲笑うかのようにサイコらは威力を高めた。

「もうすぐくたばるというのに無駄な抵抗を。」
「何が無駄だ!王として住民をそして友を守る、それさえもできなければ俺は王の資格はない!!だからもうこんな真似はするな!!」
王のバリアは破壊光線を跳ね返した。しかしその隙をついてパスが王を攻撃し、王はその場に倒れた。

サイコらはサニー達にこう言った。
「最後にいいものを見せてやる。」
サイコらはサニー達の目の前に映像を映し出した。そこには崩落するビル・暴走を続けるリフトを飲み込み崩落する山・大爆発で崩壊する遊園地等が映っていた。

「これが地球の最期さ。憎き地球が無様に沈んでゆくのを黙ってみてるがいい。そして最後はホットとともに宇宙の塵となる、最高のバッドエンドだ!!」
サイコらの非道に怒りに満ちたサニーは手が黄色く光った。予想外の事態に驚くサイコら。

「もう許さない・・・絶対に許さないんだからあああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
怒りを爆発させたサニーは黄色く光る刃を飛ばすとサイコらを斬りつけた。サイコらは血を流すがそのまま立っていた。
さらに畳みかけるように連続パンチを繰り出すとサイコらを圧倒した。

そして

サニーは目一杯の威力の気功波を放つとサイコらを飲み込み消えた。サイコらは元の姿に戻るとその場に倒れた。

戦いが終わり王は状況を確認すると地球とホットの接近は止まり、地球の異常も収まった。

その後地球では復興が進められていた。サニー達は地球を救った英雄として持てはやされたそうだ。

復興が進み、元の街を取り戻した地球ではヤクザが一人の少女とぶつかった。明らかにヤクザがぶつかってきたのだが、ヤクザは少女に因縁をつけると少女の家に押し入り、家族に因縁をつけていた。
「お宅の娘がぶつかって来やがったんだぞ!どう落とし前つけてくれるんだ?おかげで兄貴は大怪我しちまってこっちは滅茶苦茶だ!!」

しかし少女は臆しなかった。
「ぶつかってきたのはあんたたちのほうでしょ?当たり屋なんて馬鹿な真似はやめてよ!!どうせ怪我なんて作り話でしょ?」
少女はギプスと包帯を掴むといとも簡単に取っ払われた。兄貴は痛がってその場に倒れこむが、怪我が嘘であることは見え見えだった。

全てを知った父親は警察に通報しようとするが、ヤクザに殴られてしまう。

「だったらこいつで落とし前つけてやる!」
そう言うとヤクザは少女を連れ去ろうとした瞬間ヤクザは何者かの攻撃を受けて倒れた。そこに現れたのはサニー・ルージュ・フローラ・マイケルの4人だった。サニー達が助太刀に現れるとヤクザはその場から逃げ出した。

数日後、サニーは家にいるとインターホンが鳴り、出るとそこには警察がいた。
「サニーさん宛てに来たので届けに参りました。」

サニーは手紙を見るとそこには恐ろしいことが書かれていた。

(あの時はよくも子分をかわいがってくれたな。我がデッドリーポイズンの者に手を出した以上黙ってはおけん。下に地図があるから一人で来い。もしも仲間を連れてきたら一人残さず殺してやる。)
サニーは地図を手に一人本拠地へと向かった。

本拠地は非常に大きいドームのような形状で入り口を開けようとするが、鍵が掛かってるのか開かない。しかし鍵穴はどこにもなくオートロックの機能もなく困り果てたサニーはマシンガンを撃つが、それでも開かないどころか傷一つつかなかった。

すると突然戦闘員が集団で襲ってきた。サニーは戦闘員を倒し切るとその瞬間扉が開き、中に入った。

内部を進むと今度は幹部と思しき人物が数人で襲い掛かってきた。サニーは攻撃を仕掛けるが、幹部クラスなだけあってか耐久力も上がっていた。隙を突いたところでサニーは気功波で攻撃するが、それでも歯が立たなかった。

しかしそれでも怯まずに攻撃を続けると幹部達はその場に倒れた。

なおも先へ進むサニー。すると大きい扉が目の前に現れた。扉に触れるとそこに二人組が現れた。

「側近として組長様のところには行かせん!!」
側近はサニーに襲い掛かった。サニーは気功波やエネルギー弾で応戦するが、息の合った素早い動きに翻弄されてしまう。二人は攻撃を避けると同時に光の玉を生成して投げつけた。
「これでもう木端微塵だ。」

しかしサニーは気功波でかき消すと続けざまに光の玉を次々と投げつけた。光の玉で二人を翻弄すると次第に息が乱れだした。

そしてとどめの気功波で二人は倒れると扉が開いた。しかしその中には想像を絶する光景が広がっていた。

サニーが部屋に入るとそこにはヤクザから助けた少女とその両親が全身から血を流して殺害されていた。
助けた人物が殺害されてる状況に唖然としているとどこからか拳が飛んできた。サニーは気功波で迎え撃つと拳は消えた。すると今度は突然鉄球が襲ってきたので再び気功波で破壊した。

「もうなんなの?」
サニーが呆れると突然床が波打った。不安定な足元にサニーは立つことができない。
程なくして元に戻り、立つと突然背後から衝撃を受け倒れた。

サニーが倒れると突如一人の男がその場に姿を現した。

「どうやらくたばったみてえだな。」
男はそう言うとその場を立ち去ろうとした。

すると突然背後からマシンガンで撃たれた。男が振り返るとそこにはサニーが立っていた。

「あの刺殺体は何?」
サニーは男に問いかけた。

「あれは組長の俺が殺したんだよ。俺は人間という生き物が大嫌いで自分のためなら何でも破壊しつくそうとする野蛮な生き物を皆殺しにして残った俺らで破壊された自然を取り戻す、それがロギア率いるデッドリーポイズンの野望だ。」

組長ことロギアは自らの野望を明かした。

「みんながみんなそうじゃないの。自然破壊を止めようと努力してる人だってたくさんいるよ。」
サニーは主張を訴えるが、ロギアは聞く耳を持たない。するとロギアは何かを念じると遺体は破裂した。
ロギアの残忍な行為にサニーは攻撃を仕掛けるが、ロギアは一瞬で姿を消した。

サニーは攻撃を仕掛けようとしても姿が見えないので攻撃ができない。ロギアはそれをあざ笑うかのようにサニーを攻撃した。サニーは攻撃を受けたほうに向けて攻撃をするが、透明化したロギアにはすり抜けてしまう。

「残念だったな!俺は透明になるとどんな攻撃もすり抜けるんだぜ。今不死身の俺に何をしようがすべて無駄なんだよ!」
ロギアはそう言うと一方的に攻撃を続けた。ひたすら攻撃を避け続ける防戦一方の戦いにひたすら追い込まれてゆく。
しかしその間にサニーは何かを察知していた。

(見える。攻撃を察知してるうちにだんだん姿が見えてきた。)
サニーは姿をとらえたのか気功波を放った。すると攻撃はロギアに命中し、透明状態が解除された。

「何故だ?なぜ攻撃が・・・」
驚くロギアにサニーはこう言った。

「攻撃を避け続けてるうちに少しずつ見えてきたのよ。」
「こんなことは初めてだ・・・」

ロギアにとって透明状態で動きを見られたのは初めてだったようだが、それでもしぶとく攻撃を続けた。しかし姿を見られた今全て返り討ちにあった。

「こうなったら最後の手段に出てやる!」
ロギアはそう言うと床に飛び込み消えた。すると建物全体から邪悪なエネルギーが増幅されていったのだった。

アジト全体が邪悪なエネルギーに包まれるとアジトから胴体と手足が生え、巨大ロボのようになった。
サニーは何が起きてるのか状況がわからなかった。その場を動き、窓から外を見ると今の状況に驚愕した。

「建物が動いてる?」
サニーがそう言った瞬間どこからともなく声が聞こえた。

「貴様は今俺の中だ!俺に捕らわれた以上貴様には死あるのみだ!」
この時サニーはロギアがアジトと一体化してることに気づいた。

「言っておくが俺を倒す方法はない。町が破壊されてくのを黙って見ているんだな!!」
ロギアはそう言うと破壊光線を放ち始めた。

(このままじゃ街が・・・あっ)
何かを思いついたサニーはアジトの中を攻撃し始めた。

(内部から壊せば止められるかも。)
サニーはそう考えながら攻撃を続けるが、余程頑丈なのか傷一つ付かなかった。

一方地上ではロギアによって破壊光線が放たれた。絶体絶命のピンチだったが、ルージュ・フローラ・マイケルが駆け付け、気功波を放ったことで破壊光線は押し返された。

しかしルージュはふと何かが気になっていた。

「そういえばサニーは?」
その時マイケルは何かに気付いた。

「大変だ!中にサニーがいる。」
頭のドームの窓にわずかだがサニーの姿を確認した。

「じゃあ今この怪物を倒したらサニーはどうなっちゃうの?」
ルージュとフローラは表情が曇った。

「サニーのことだ。きっと何か策があるだろう。」
マイケルは自信を持った。

その頃サニーは中核となる場所がないか探していた。様々な場所をくまなく探すが、それらしいものは見つからなかった。

「俺の中に心臓に相当するものはない。諦めて俺の中でくたばれ!!」
ロギアはそう言うと内部が一瞬で赤くなった。その直後サニーを拷問が襲った。

「ああ゛ぁーーーっ苦しい!!」
サニーは苦しみに悶えた。拷問に苦しめられながらも気功波で攻撃した。

しかし気功波で攻撃しようがマシンガンやエネルギー弾で撃とうが何も変わらなかった。なおも続く拷問にサニーは限界を感じていた。

「もうダメかも・・・」
珍しく弱音を吐くサニー。しかしこのままでは全てが終わってしまう。
「何とかしなければ・・・私は負けない!」

今までどんな逆境も乗り越えてきたのを思い出すとさらに続けた。

「絶対に、地球の未来を護るんだああああああああああああああっ!!!!!」
サニーがそう叫ぶと手元に剣が現れた。不思議に思いながらもサニーは剣を振りかざすと剣から放たれた衝撃波で壁を破壊した。剣の威力にサニーは驚いた。

剣を使って窓を破壊して外に出るとドームの屋根の中心で全力で剣を振りかざした。

「そんな馬鹿な!?」
予想だにしない展開に驚くロギア。

そして

「はああああああああああっ!!!!!」
サニーは剣でアジトを切り崩した。アジトと一体化したロギアはアジトごと消滅したようだった。

再会を喜ぶサニーと仲間達。しかし戦いを終えると剣は消滅してしまった。

「消えちゃった。」
サニーは残念がるがなぜ剣が現れたのか不思議でなかった。

「おそらく地球を護りたいという強い思いが具現化したのではないかな。」
マイケルはそう推測していた。しかしサニーは修行次第でまた新たな剣を使えるようになるのではと考えてるようだった。

所変わって人通りの少ない細道で一人のサラリーマンが仕事を終えて帰路についていた。ビルの下を通った時事件は起きた。

「わっ!」
彼のもとに何かが落ちてきた。落ちてきたものを見ると彼は驚愕してひどく震えた。

「なんじゃこりゃああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
彼の目に留まったのはバラバラに切断された遺体だった。遺体は細かく切り刻まれ、頭部・胴体・手足全てが細かく切断されていた。

事件を受けサニーは遺体の状況を調べると不思議なことに指紋は何一つ残されていなかった。しかしながら全身を強く殴られた跡があることとビル内に血の跡がないことから犯人は別の場所で被害者を殺害した後遺体を細かく切断してカバンか袋に詰めて現場のビルに向かい、屋上から切断した遺体を地上にばら撒いた可能性が高いと推理した。指紋などが残らないよう軍手か手袋を着用して犯行に及び、証拠が残らないよう時折変えながら犯行を遂行したとみた。

サニーは大きいカバンや袋を持った人物を見てないか聞き込みを行うが、現場のビル内外は人通りが少なく捜査は困難を極めた。

そんなある日、サニーのもとに一人の青年が現れた。
「俺はニック、いいもの見せてやるからついてきて。」
ニックと名乗る男はサニーに呼びかけた。不審に感じながらもサニーは彼に同行すると手袋を着用しているのを確認した。

(もしかして・・・)
サニーは半信半疑でニックを見た。

程なくして二人は無人の倉庫に入った。するとニックは狂気の笑みを浮かべながらこう言った。

「さて、いいもの見せてやろう。」
ニックはそう言うと刃物を手に襲い掛かってきた。サニーはマシンガンで威嚇するとニックは驚いて刃物を床に落とした。ニックが怯んだ隙にサニーは彼に詰め寄った。

「やっぱりそうなのね。」
サニーはニックに問いかけた。

「何のことかな?俺はただ貴様を切り刻もうとしただけなのにそれがどうかしたのか?」
ニックははぐらかす。

「切り刻むっていう思想が犯行のカギよ!殺すに飽き足らず細かく切り刻んで通行人に見せつけるなんてよくそんな真似できるわね!!」
サニーはさらに問いかけた。するとニックは重い口を開いた。

「ああそうだよ。俺は憎き地球人を殺してバラバラに切り刻んで無差別に見せつけていずれは地球人全員殺るつもりだったのさ!ホット人として誇りに感じるよ!」
ニックは地球人を殺害する目的で犯行に及んだことを認めた。

「反地教育は終わったんじゃないの?」
サニーは驚いた。そんなサニーにニックはさらに続けた。

「終わっただと?そんなの王様が簡単に宣言するわけないだろ!王様は自分も道連れになるのが嫌で中立する演技をした、ただそれだけのことだ!!だから俺は地球人のふりをしてホットのために地球人を惨殺したんだよ!」
ホット王の本性に打ちひしがれるサニー。

「次はお前の番だ!!」
ニックはそう言うと怪物化してサニーに襲い掛かった。サニーは攻撃を仕掛けるとニックは周囲の通行人を捕まえるとその場で握り潰した。

「どうだ!貧弱な地球人が握り潰されて血に染まるの実にいい気味だ!!」
ニックは高笑いした。するとニックの残虐性にサニーは怒りに震えながら強烈な一撃を放った。
サニーはニックを圧倒し、大ダメージを受けたニックは元の姿に戻るとそのまま警察に逮捕されたのだった。

この一件にホット王は怒りに震えていた。
「ニックを釈放しろ!そして地球は謝罪しろ!!」
ホット王は地球に強い憎悪をあらわにしたのだった。

「お昼のニュースをお伝えします。殺人と死体損壊の容疑で逮捕されたホット籍のニック容疑者が逮捕された事件でホット王はニック容疑者の釈放と謝罪を要求しました。これに対しカナタ王は要求を拒否し、平和的解決を求めました。」
ニュースでホット王の本性が報道され、ルージュ・フローラ・マイケルは驚いていた。しかしサニーはニックから聞いていたからか平然としていた。

「あの野郎、俺らを弄んでたのか。」
「国交断絶を望みたいですわ。」
「ありえない。」

三人は口をそろえて言う。

「私だって受け入れたくない。でもこれが本性なら受け入れるしかないのかも。」
サニーは半ば諦め気味に言う。サニーはさらに続けた。

「でもきっと解決につながる糸口はあるはずよ。」
三人はサニーの言葉を信じた。

その後首脳会談でホットとカナタは対面するが、ホットは釈放と謝罪を要求していた。
「我が惑星の者を処刑など言語道断だ!今すぐ謝罪しろ!!」

カナタに詰め寄るホット。

「いかなる場合でも犯罪は犯罪だ。それにわしは強引かつ横暴な強硬姿勢には屈せず平和的解決を望む。」
カナタはホットを止めようとした。

しかしホットはカナタに掴みかかろうとしたので首脳会談は急遽打ち切りとなった。

「ホット王の横暴にはどうしたものか・・・」
カナタは頭を悩ませた。

一方自分の惑星に戻ったホットはあることを思いついた。
「こうなった以上見てるがいい。地球が滅ぼされる様をな!!」

その頃地球ではホット王の問題で会議していた。王族達はいろいろ考えるもいい案が思い浮かばずにいた時事件は起きた。

ドドオオオオオオン!!!

突如衝撃に見舞われた街。そこに警備員が現れた。
「大変です。ホット王が結成したであろう戦闘員が襲撃してきました!王族の方々はその場にとどまっていてください。」

王族達が身を潜める中外ではホット王率いる戦闘員が周囲を攻撃していた。

戦闘員は所かまわず攻撃を仕掛け、周囲はパニックに陥っていた。

「いいぞその調子だ!」
ホット王は喜びを爆発させながら豪語した。

「次はあそこを狙え!」
ホット王は指令を送る。ホットの狙いは城だった。戦闘員が王室に向けて破壊光線を放つと地球の戦闘員も破壊光線で応戦した。

互いの攻撃が押し合うが、ホットの威力に押されてしまう。ホットの戦闘員は城を狙った・・・その時だった。

ドゴオッ

ホットの戦闘員は一気に倒されてゆく。そう、サニー達が助太刀に現れたのだ。

サニー達は次々と敵を撃破していくが突如行く手を阻むグループに戦意喪失した。

「マグネにシウム?」
「ドレッシー?」
「ハバネロ?」

そう、格闘試合で対戦し、東方哀嵐怒の一件では共闘した面々が立ちはだかったのだ。

「格闘試合の後一緒に戦ったでしょ?なんで?」
サニーは呼びかけるが彼らは聞く耳を持たない。

「一緒に戦った?そんなの知るか!!俺達は王様に洗脳されて忠誠を誓い、防弾少女団と同盟を結成したのだ!」
ハバネロはそう言うとサニー達に攻撃を仕掛けた。

サニー達は先に防弾少女団を倒していき、7人倒し切ってハバネロ達の所へ向かおうとした。しかし

「滅べ、地球!!」
少女団の一人がやられたふりして奇襲を仕掛けた。サニーはとっさの機転で反撃し、再び倒し切った。

そしてサニー達はハバネロ達に戦いを挑むが、洗脳された彼らは格闘試合の後にホット王に鍛えてもらってたことも相まって大幅にパワーアップしていてサニー達は手も足も出ず追い込まれてしまう。

「どうした?てめえら地球人の実力はこんなものか!?」
ハバネロは高笑いした。その間にマグネシウム兄弟とドレッシーが光弾で攻撃した。

攻撃から逃れたサニー達だが、ハバネロの不意打ちにかかり倒れてしまう。

「ふんっ、こんなものか。」
ホット王は呆れた目でサニー達を見た。

「そうだ、良い事思い付いたぞ!」
ホット王はそう言うとルージュ・フローラ・マイケルに催眠を仕掛けた。そしてサニーが起き上がった瞬間目の前にはルージュ・フローラ・マイケルが立ちはだかるようにして立っていた。

「みんなどうしたの?」
さっきまでと明らかに様子がおかしい3人に動揺するサニー。

その時3人は一斉にサニーに向けて光線を放った。

「私達仲間でしょ?ほら思い出して!」
サニーは必死に呼びかけるが、サニーの声は届かなかった。

「仲間?私達がいつ仲間になったっていうの!?」
「砕け散れくそったれがぁぁっ!!」
3人は完全に記憶を失い、ハバネロ達とともにサニーに攻撃した。

(ルージュ、フローラ、マイケル・・・あなたたちとは戦えない。)
なおもサニーへの猛攻は続き、必死に耐えていた。

「ギャーッハッハッハッ!いいぞ、このままサニーを殺してしまえ!!」
ホット王は喜びながら指令した。

マイケル・フローラ夫妻が同時攻撃するとルージュもそれに続く形で攻撃した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!!!」
サニーは仲間達の攻撃で苦しみ倒れた。するとホット王はさらに何かを思いついたようだ。

「そうだ、サニーにもこうしてやろう。」
ホット王はそう言うとサニーに催眠を仕掛けた。するとサニーはさっきと様子が変わり、3人とハバネロ達に攻撃を始めた。

遂に戦いは同士討ちに発展し、誰にも止められなくなってしまった。

「このまま地球ごと自滅していけばこっちのものだ!!」
ホット王は同士討ちで地球ごと自滅するのを目論んだ。

洗脳されたサニーはルージュを捕まえるとフローラ・マイケル夫妻目掛けて投げ飛ばした。フローラとマイケルがよけるとハバネロに激突し、激高したハバネロは破壊光線を放った。
サニーはすぐさまよけるとマグネシウム兄弟とドレッシーに命中した。ダメージを受けた3人はやけくそと言わんばかりに光の玉を全方向に投げつけた。

死闘が激しくなるにつれ一同は狂暴化していき、周囲は焼け野原に代わっていった。その光景はまるで内戦さながらのようだった。

激しい死闘で疲労した一同はついにその場に倒れてしまった。

真っ暗な世界、そこにサニー達とハバネロ達がいた。サニーは仲間のもとに駆け寄るが、全員そのまま走り去ってしまう。
「私達仲間でしょ!?なのにどうして私を置いてっちゃうの?」

サニーは必死に呼びかけるが、全員サニーに気が付かないのかそのまま消えてしまった。

「私また一人になっちゃったよ。ギャングに家族を殺されたみたいに・・・」
サニーは今にも泣きだしそうな表情で暗闇を見つめた。するとそんなサニーに誰かが呼びかけた。

後ろを振り返るとそこには仲間達がいた。

「そんな表情するなんてサニーらしくないよ。」
「俺達仲間だろ?」

仲間達の呼びかけにサニーは嬉しくて仕方なかった。

(私はもう一人じゃない。)
サニーは自信を取り戻した。

しばらくして気が付くと自分がボロボロになってることに気づくサニー。
しかも自分だけでなく全員同じような状態だった。

「あれ?私達何してたのかな・・・」
どうやらサニーは洗脳された時の記憶が残っていないようだった。それだけでなく他の一同も全員洗脳された時の記憶は残っていなかった。

一方この光景を見たホット王は頭を抱えて悩んだ。

「くそっ、地球滅亡は失敗か。こうなったら・・・」
ホット王は再び催眠術で洗脳しようとするが、サニー達には効かなかった。それどころかハバネロ達にも効かなかった。

意を決したホット王は遂に動き出した。
「こうなったら仕方ない。俺の手で潰してやろう。」

ホット王は自らの手で地球を滅ぼそうと動き出した。王はどこからか取り出したキムチや唐辛子を大量に食べると口から火炎放射した。
事態に気付いたサニー達は気功波でかき消した。するとホット王はハバネロ達に襲い掛かった。

「貴様らホットを裏切るのかああああああっ!!!」
ハバネロ達はホット王を迎え撃つとサニー達も加勢した。しかし8人が束になってもホット王は余裕で返り討ちにした。

「これだけ束になっても跳ね返されるなんて。」
サニーは驚いた。しかしそれでもめげずに攻撃を続けた。

どんどん威力を上げていくが、ホット王はダメージを受けなかった。
「これで終わらせてやる!」
ホット王は手からエネルギー弾を放った。エネルギー弾は次々と爆発し、サニー達に襲い掛かった。

「こうなったらこうするしかないわね。」
サニーはそう言うとレッド&ブルーと再戦したときのように4人で向き合って手を上げると光の玉が出現した。ハバネロ達はサニー達の合体技に興味津々だった。光の玉から放たれる気功波はホット王を直撃したが、それでも息切れ程度にしか過ぎなかった。

「あれだけやっても倒せないなんて・・・」
サニー達は唖然とした。ホット王はそんなサニー達を嘲笑うような目で見た。

「所詮謝罪もろくにできない野蛮な星は今すぐにでも滅ぶべきだ!」
ホット王の横暴にサニーが声を上げた。

「口ではそう言うけど本当は地球が好きなんでしょ!?前に地球が狙われたとき体を張って私達を守ろうとしたじゃない。あの時のこと思い出して!!」
サニーはホット王に呼びかけるがホット王は聞く耳を持たなかった。

「何が地球好きだくだらん!あれは道連れになりたくないから仕方なく中立する演技をしたまでだ!!そうとわかったら砕け散れ!!!」
ホット王はそう言うと破壊光線を放った。サニーは気功波で迎え撃つが、逆に押し返されてしまった。

「さて、アレをつぶしてやろう。」
ホット王は城に目を向けると気功波を放った。サニーは事態に気づくも時すでに遅し、気功波は城に向かって撃たれていた。

気功波が城に直撃しようとした瞬間だった。

突如ステッキに跳ね返される形で気功波が跳ね返り、ホット王に直撃した。事態を察知したフェリーチェがステッキで防御したのだ。
「これ以上地球の民を傷つけるのはおやめください。」

フェリーチェはホット王に呼び掛けた。しかしホット王はフェリーチェに襲い掛かろうとしたのでハバネロ達が抑え込んだ。

「王女様に傷負わせるなんてそれでも王か!!ホット王こそこれ以上俺らの評判を下げるんじゃねえ!!」
ハバネロはホット王を殴り飛ばした。その様子を見ていたフェリーチェはSPによって城内に戻された。

ホット王はハバネロ達に怒りをぶつけた。
「この裏切り者が!!ホット人でありながら地球に味方するとはもう許さん!貴様らまとめて粛清してやる!!」
ホット王はハバネロ達に襲い掛かった。ハバネロ達は地球人と親交を深めたことから粛清されるのを覚悟した。

しかしサニー達がそれを阻んだ。サニー達はホット王にこう言った。

「星同士の関係が悪くても住人同士の友情は変わらないでしょ!」
「王族同士の不仲を理由に滅ぼすなんてどうかしてるわ!」
「嫌ってる星を滅ぼしてそれで満足なの?」
「ホット王の思想は間違ってる。少しは考え直すべきだ!」

ホット王はサニー達に諭されるが、ホット王は態度を改めなかった。

「黙れカスがああああああああああっ!!!!!!」
ホット王は次々と光の玉を投げつけた。サニー達は気功波で跳ね返すとハバネロ達も加勢した。

しかしそれでもホット王の威力は凄まじく抑え込むのがやっとだった。するとホット王に変化が起きた。

「王として本当はこんなことはしたくなかったんだが仕方ない。こうしてやる!!」
ホット王はそう言うと巨大な怪物に変貌した。

怪物化したホット王はビルを引っこ抜くとサニー達目掛けて振り下ろした。とっさによけると一斉に攻撃を始めた。
ひたすら攻撃を続けるがダメージを受けた様子はなかった。

「ただでさえ耐久性高いのに怪物になんてなったら手の打ちようがないな。」
マイケルは言う。

「ホット王がこの姿になったのは初めてだ。」
「すごく不気味だわ。」
マグネシウム兄弟とドレッシーは戦慄した表情を浮かべた。そんな中ルージュはあることに気づく。

「そういえばハバネロ達もあんな風に変身できるの?」
ハバネロは困惑しながら答えた。

「できないことはないよ。でもなったことないからうまくいくかわからないけどね。」
変身できるかわからないハバネロ達は素の状態でホット王に挑んだ。しかし実力差は大きくとても太刀打ちできるものではなかった。そこにサニー達も加勢するが、ことごとく返り討ちにされてしまった。

ホット王はサニー達にとどめを刺そうと迫ってきた。

「ダメ、殺される・・・」
サニーは初めて死を恐れた。

「でもここでやられたら地球は終わっちゃう。何とか止めなければ・・・」
恐れながらも踏ん張るサニー。

「これ以上好きにはさせないんだからあああああああああああああっ!!!!!!」
サニーが全力で叫んだ瞬間ロギアと戦った時の剣が出てきた。サニーは剣を手にするとハバネロ達が興味を示した。

「なにそれかっこいい!」
ドレッシーは剣を手にしたサニーに興奮していた。サニーは思わず照れ顔になった。

「さ、いくわよ!」
サニーはそう言うと剣を構えながらホット王目掛けて走り出した。

「はぁっ!」
サニーは剣で勢いよく切りかかった。するとホット王は初めてダメージを受けた。

「みんな、私に続いていくわよ!」
サニーの呼びかけで一斉に攻撃を仕掛けてゆく。すると徐々にではあるがホット王はダメージが大きくなっていった。
これをチャンスと見たサニーは剣を振ると衝撃波が発射され、ホット王に直撃した。ホット王は大ダメージを受け、元の姿に戻ると同時に剣は消えた。

その後ホット王はマイケルが呼んだ医療班によって病院に搬送された。ホット王は気が付くとサニー達が見舞いに来てることに気づく。

「なぜ俺を助けた?俺は惑星の王としてあるまじき非道を尽くす限りの悪行を働いたのだぞ。」
ホット王はサニー達に問いかけた。

「前に私達がダメージ受けたとき助けてくれたでしょう。そのお礼ですよ。」
サニーは優しい笑みを浮かべながら言った。するとホット王は涙を流しながら俯いたのでサニーはそんな彼を抱き寄せた。

それからしばらくしてホット王は惑星ホットに帰還したが、ホット王の行いは周囲の惑星から問題視され、王の座を辞職した。その後王女が継承し、惑星ホット初のホット女王となった。

ホットの脅威が去った地球では男女二人が言い争っていた。

「なんで別れるの?」
「他に好きな人ができたんだよ。お前とはもう終わりだ。」

二人はカップルのようだが、彼は他の彼女に乗り換えたらしく彼女に別れ話を切り出していた。

「どうしても不満があるなら私何でもするから・・・」
「終わったつってんだろ!いい加減にしねえと殺すぞ!!」
彼は彼女を突き放すと浮気相手とともにその場を後にした・・・その時だった。

「キャアアアアアアッ!!!」
彼女は絶叫した。というのも彼と浮気相手は黒いマントと帽子で姿を隠した何者かによって斬首されたのだ。さらにその人物は斬首だけに飽き足らず二人の頭を踏みつけたり遺体を切り刻んだりしていた。

「あなたの仇取りましたよ。」
謎の人物は彼女にそう言うが、恐怖を感じた彼女はその場から逃げ出した。

一方とある公園では子供同士のいじめが発生していた。加害者は被害者に嫌がらせをするだけでなく馬乗りになって暴行したりしていた。
するとここにも謎の人物が現れると加害者を射殺した。しかもそれだけでは飽き足らずチェーンソーで遺体を砕いたのだった。

「これでもう安心ですよ。」
謎の人物はそう言うが、目の前の惨状に被害者はその場から逃げ出した。

さらにとあるホールでは行政が保育所や児相の設置の説明会が開かれていた。行政は設置の重要性を訴えるが、住民は猛反発していた。

「クソガキの施設なんて迷惑以外の何物でもないだろ!」
「騒音の元だ!もし作ったらクソガキども皆殺しにしてやるよ!」
住民からヤジが飛び交い、説明会は泥沼になってしまった。するとそこにも謎の人物が現れると住民に向けて爆弾を多数投げつけた。

激しい爆発で住民が死傷するといつの間にかその人物はいなくなっていた。

その後も各地で同様の事件が相次ぎ、住民は恐怖に震えた。町ではデッドデビルと呼ばれ恐れられていた。

そんなある日、サニーは街を歩いていると男性二人組が助けを求めて現れた。二人はちょっとしたいざこざで出会い、問題は解決したが突然デッドデビルが追ってきて必死に逃げていたのだった。
そしてあの男が現れ、二人に奇襲をかけようとしていた。サニーは謎の男を返り討ちにすると男に問いかけた。

「デッドデビルの目的は何?」
するとデッドデビルは全貌を明かした。

「俺は正義のためにやってるんだ。」
デッドデビルの言葉に目を丸くするサニー。

「俺はこの世から悪事をなくすために悪党を殺してんだ。少しでも悪事に手を付けたものは誰であろうが容赦なく殺す。そうだろ?」
サニーは自分と似たような活動をしてることを知るが、サニーはデッドデビルの動機に反論した。

「確かに悪事は起きないほうがいい。けどだからってなんでも殺して解決するのは間違ってるわ。改心しようとしてる人には再起を支援してあげるのが本当の正義よ!」
サニーの問いかけにデッドデビルは反論した。

「てめえはそうやって悪人の味方をするのか?正義のためには悪事を働いた奴には生きる価値なんてねえんだよ!!」
デッドデビルはそう言うと二人組を攻撃しようとした。サニーは二人をかばうとデッドデビルを殴り飛ばした。

「覚えてやがれっ!!」
デッドデビルは立ち上がるとその場から逃げ出した。サニーはデッドデビルの後を追うが、デッドデビルは踏切に阻まれ、追い込まれた。サニーはデッドデビルを捕まえようとするとなんと踏切を通った貨物列車のコンテナに飛び乗ったのだ。

こうなるともはや追跡は困難。デッドデビルは勝ち誇ったような表情を浮かべ、そのまま消えていった。しかしトンネルに差し掛かった瞬間デッドデビルはトンネルに激突して線路の横に転落した。

一方サニーは正義とは何か考えさせられていたようだ。

その頃とある公園で一人の青年が誰かを待っていた。

「突然俺を呼び出して何考えてんだマイルズの野郎は!?」
どうやら彼はマイルズという名の人物に呼び出されたらしい。

そして彼の前にマイルズは現れた。
「アンドレア、行くぞ。」
マイルズはアンドレアを連れ、どこかへ行った。

マイルズはアンドレアを空き家と思しき場所に連れて行くと突然殴る蹴るの暴行を始めた。

「てめえもう許さねえぞ!」
マイルズはアンドレアを壁に押さえつけながらひたすら殴る蹴るの暴行を加えると懐から取り出した刃物で執拗に刺し続けた。それだけに飽き足らずアンドレアの腹を切り開き、内臓を掴み取るとさらに頭部を殴りつけて刃物で刺した。

気が済んだのかマイルズは刃物をその場に捨てると空き家を出た。しかしマイルズは外に出た瞬間疲れたのか返り血を浴びたまま玄関の前で眠ってしまった。

その頃空き家の前を通っていたサニーは玄関前で血が付いた状態で寝ている青年に気づき、呼びかけると彼は目を覚ました。サニーは安堵すると彼はマイルズと名乗った。
しかしサニーには一つ気がかりなことがあった。

「なんで怪我もしてないのに血がついてるの?」
サニーの問いかけにマイルズは顔色が悪くなった。不審に思ったサニーは玄関の中から血の跡が続いてることと内部から血生臭い異臭がすることに気づき、内部を調査すると胴体を切り開かれ、頭部が刺されて内臓が付着した遺体が発見された。遺体の横には凶器の刃物が落ちており、遺体と刃物に残された指紋をDNA鑑定するとマイルズのものと一致し、マイルズの犯行と断定された。

「これは一体どういうことなのかな?」
サニーはマイルズに問いかけるが、マイルズは知らないとはぐらかした。それどころか

「てめえ勝手に家入るなんて住居侵入だろ!」
マイルズはサニーの行動を住居侵入と非難した。

「住居侵入って言うけどあんたも人のこと言えんよね?私は自警しながら刑事の仕事やってるんだから仕事を全うしたまでよ。」
サニーはそう言いながら警察手帳を見せた。マイルズは一瞬動揺するも強気な姿勢を崩さなかった。

「んなもんたまたま他の人と指紋が揃っただけだろ!!」
「いいえ、同じ指紋を持つ人がいるなんてありえないわ!いい加減観念しなさい!!」
マイルズは次第に追いつめられるが、それでもはぐらかそうとした。

「遺体の状況を見るとあなたはアンドレアに強い恨みがあって一方的に殴る蹴るの暴行を加えた挙句持参した刃物で思いっきり刺した。それでも恨みが晴れなかったあなたは胴体を切り開いて内臓を掴み取るとそれを手に頭部を殴りつけて更に刺し続けた。ここまでやるからには相当な恨みがあったようね。」
完全に追い込まれたマイルズは遂に一部始終を明かした。

「あいつはSNSで知って同じ作品のファン同士だった。それに同じ街の住人として親近感があった。けどその作品の主題歌に俺の好きなアーティストが起用されると発表された時奴はそのアーティストの起用に文句言った挙句にボロクソに中傷しやがったんだ。奴のせいでアンチになりかけたがそれでも俺は実際に流れ始めると態度も変わると信じてたんだよ。けど流れ出してからバッシングは更に酷くなって作品を見るたびに奴を思い出すようになって我慢できなくなった俺は文句を言ったら逆上してアーティストのファンまでこき下ろしたり暴言を吐きやがったんだ。あいつのせいで俺はその作品が嫌いになって見なくなったんだよ。そこで俺は決意したんだ。俺の好きなアーティストを中傷して作品嫌いに追い込んだあいつに復讐するためにSNSで呼び出し、復讐したのさ。」

淡々と語る中警察官が現れ、サニーはマイルズの身柄を警察に引き渡した。

所変わってとある学校ではセミロングの黒髪に紺色のセーラー服を着た少女が刀を使って戦っていた。彼女の名は大和撫子。学校の生徒であり番人だ。

他校の不良軍団が一斉に襲い掛かるが、撫子は刀で一網打尽にした。
「どうする?まだやるの?」
撫子は不良軍団に問いかけると彼らは一斉に逃げ出した。

それをテレビで見ていたダムは満足そうにしていた。
「やっぱかっこいいな撫子は。来週も学園刀楽しみだぜ!」

そう、これはアニメのワンシーンで「学園刀」というタイトルの作品で学校の生徒であり番人でもある大和撫子が校内のトラブルを解決したり時に襲い掛かる敵と戦う学園アニメだ。放送されるや否やたちまち人気に火が付き、関連商品は飛ぶように売れ、コスプレ人口も多い。ダムも撫子に魅了された一人だ。

そんな中ダムはとある場所に出かけた。
「撫子レイヤーいるといいな。友達のいない俺にはレイヤーこそ唯一友達になれるチャンスだ。」

一方サニーはいつものように街を巡回していた。すると公園で男が暴れてると連絡を受け、駆け付けると一人の男がやけになって暴れていた。サニーは男を落ち着かせると事情を聴いた。

「俺はダムといって。コスイべが開催されてる公園で撫子レイヤーとつながりたかったんだ。けど俺が声掛けたら拒絶反応されて追い返されて誰からも拒絶されるなら全てを壊したかったんだよ。どうせてめえも俺が気に食わねえんだろ?だったら道連れだ!!」
ダムは再び暴れようとした。サニーは彼を再び落ち着かせようとすると撫子コスのレイヤーが現れた。

「あたしがこんな対応しなければこんなことにはならなかったの。」
サニーはレイヤーから事の発端を聞いた。

「あたしはレベッカという名でコスプレを楽しんでいたんだけどあるイベントで一般の人から性的な被害を受けて一時は引退も考えたの。でもこんなことで引退するのは嫌でまた街中や公園のイベントで誰でも関係なく楽しませたい一心で筋トレで自衛策取ったうえで復帰したけど声かけてくれた彼が引退寸前に追い込んだ奴と姿が似ていたものだからそれで拒絶反応が起きてしまったの。」
話を聞いたダムは自分が嫌われてるのではないことに気づき、安心した。

「てことは別に俺が嫌だったんじゃなかったんだね。」
「もちろんよ。学園刀を愛してくれるなら一般もレイヤーも関係ないさ。」

「俺はダムというんだ。」
「私はレベッカよ。」

二人が意気投合すると突然悲鳴が聞こえた。3人は声がした方向を見るとそこにはカメラを持った一人の男がレイヤーに性的な撮影をしようとしていた。ダムとレベッカが男を取り押さえるとサニーは男に手錠をかけ、その場で逮捕した。しかしダムも公園で暴れたことから一緒に連行されることになってしまう。

「罪を償ったらまた会いたいよ。」
「その時まで絶対待ってるから。」

その後ダムは厳重注意で保釈され、もう一人の男は家宅捜索の結果猥褻写真が続々と発見され、裁判の結果重い刑罰が下されたようだ。

仕事が一段落して久々に集まったサニー達4人だが、サニーとルージュはあることに気づく。

「そういえばフローラのおなかもしかして・・・」
フローラはそんな二人にあることを発表した。

「報告遅れたけど私子供ができたの。」
何とフローラは妊娠しており、予定日も近いというのだ。フローラの発表に二人は夫妻を祝福した。

するとそこに一人の男が現れた。
「お前俺という男がいながらなんで他の男と一緒なんだ!?」
男はフローラの彼女と名乗り、マイケルを浮気相手扱いした。しかし一同は男が何者かを知っていたようで・・・

「現れたなカップル引き裂き魔!」
「選んだ相手が悪かったのよ!」
何と男はカップルや夫婦に浮気をでっち上げて強引に破局又は家庭崩壊を起こす凶悪犯だったのだ。すると正体を知られた男はフローラを人質に取って逃げようとするが、マイケルとルージュが阻むとサニーは取り押さえて御用となった。

騒動が終息するとフローラが産気づき、マイケルは医療班を呼ぶと病院に搬送した。サニー達も駆けつけ、出産を見届けた。

そして、フローラは女児を出産し、太陽のように明るい子に育ってほしいという願いからソレイユと名付けられた。それから時は流れ、ソレイユは黄色いロングヘアにピンクのワンピースというお嬢様らしい姿に成長した。マイケルとフローラは立派な親として、また戦士としてサニー・ルージュとともに戦ったり5人揃って娯楽を楽しんだりと今までと変わらぬ日常を送っていた。

そんな中サニーとルージュはふと何かを考えてたようで。

「私達が親になったらどうなってるんだろうね。」
「フローラより年下といえど私達もう30過ぎたしいつかはそんな日が来るだろうね。」

二人は自分が親になる姿を想像してたようだ。

続く

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